谷山浩子の幻想図書館Vol.2「不思議の国のアリス」
【大阪/NHK大阪ホール】
2002/07/13

《 出 演 》

谷山 浩子
アリス

宮内 良
ドジソン/白ウサギ/アヒル/ドードー/
三月ウサギ/庭師1/王様/グリフォン

大森 博
ネズミ/ワシの子/カニの子/パット/
トカゲのビル/芋虫/公爵夫人/
チェシャ猫/帽子屋/ウミガメ風味/
伝令/料理女

石井 AQ
インコ/ネムリネズミ/庭師2/
兵士/ジャック


《 曲 目 》

01. 向こう側の王国(谷山)

02. ウサギ穴(谷山・宮内)

03.催眠レインコート(谷山)

04. 長い悲しい尾の話(大森)

05. 時の回廊(谷山)

06. 公爵夫人の子守歌
(大森&全員コーラス)

07. 街(谷山)

08. 落ちてきた少年
(谷山・宮内 with大森)

09. クルル・カリル(谷山・宮内)

10. わたしは淋しい水でできてる
(谷山)

11.ウミガメスープ
(大森&全員コーラス)

12. 起訴状(大森)

13. 証拠の歌(谷山・宮内・大森)

14. 向こう側の王国(谷山)

〜アンコール〜

15. ドッペル玄関(谷山)

 

※( )内は歌った人

 待ちに待っていた、「幻想図書館」の第2弾です♪当初、東京公演のみしかないのかと諦めていたのですが、急遽大阪公演も決まったとのことで、これは行かねばっっと終電ギリギリというハードなスケジュールを乗り越えて(笑)行ってきました。

 今回の会場はNHK大阪ホール。新大阪駅から地下鉄を乗り継いで30分くらいというところ。会場のHPを見て事前に下見をした時には、書いてある最寄り駅からもちょっと距離があって大変だなと思ったのですが、当日別の出口から出てみるとなんと目の前に・・・紛らわしいからちゃんと書いてよ〜という感じ(^_^;)でもラッキーでした。
 隣には大きな歴史博物館。入ってみるとNHKとは中で繋がっているみたい。NHKということで、スタジオ見学者とか団体さんがいたりして賑やかな感じでした。ただざっと見渡した感じ、今回の公演のポスターとか案内が全然見あたらず、本当にここでいいのかちょっと不安に(^_^;)しかもホールがある4Fへ行ってみようとエレベータに乗ろうとしたら怒られるし・・・どうやらホールへはロビー中央にあるエスカレータでないと行かれないらしい。だったらそう案内板とか出しといてよ〜(こんなんばっか・笑)と思いました。そこに立ってた警備員の人に聞いてやっと分かったって感じで、ちょっと不親切だと思いました。
 このエスカレータ、ホールへの直通らしく、開場時間まで動かないみたい。開場時間が近づくにつれ、だんだんその周りに人が集まってきます。浩子さんのコンサートではよく見かけるような方々から子供連れ、そして奥様風おばちゃんの団体(笑)・・・さすが今回はNHK主催、内容もただのコンサートではなくて朗読もありということで、幅広い層の人たちが来られてるみたいでちょっと面白いです。
 めいっぱい待たされてやっと開場。エスカレータを登ってホールの中へ。やはり直通で途中で待てるとことかは無かったみたいです。とりあえずパンフを購入。今回のグッズはスープ皿でした。「ウミガメスープ」の歌があるからかなぁと思いつつも購入は断念。ホール内へ入ります。
 今回の私達の席は、F7列目。FはフロントのFかなぁと思っていたらばやっぱりそうみたいでした。思ってたよりずっと前の方で真ん中ですごく見易そう♪舞台左側にピアノ。右側にシンセ。中央に椅子のようなセット。何本か円い柱が立っていてロープが巻かれているというだけのシンプルなセット。どんな舞台になるのか想像できず、ワクワク感も高まります(^^)
 しかし帰りの電車に余裕がないことが分かってたので、先にアンケートを書いてしまいます(^_^;)いつもなんですけど終演後バタバタしちゃってゆっくりアンケートが書けないのが残念です(T^T)

 普段だと、どうしても5分や10分は開演時間が遅れるのに、さすがNHKだからか予定時間ピッタリに開演(笑)。全体の照明が落とされ、小鳥のさえずりなどが聞こえてくる中、お話をせがむ小さな子どもの声。(あっっもしかしてこの声はフルバの紅葉くん?!)とか関係ないことを思いながら(笑)もストーリーの世界にだんだんと入っていきました。
 前回の「雪の女王」のときは、役者さんと浩子さんとで殆どお芝居という感じの動きのあるモノの中に、浩子さん(と役者さん)の歌が入る。というものでしたが、今回は浩子さんとAQさん、そして宮内さんと大森さんという役者さんが二人で、ほぼ完全に【朗読と歌】という感じでした。でも、その分想像力が広がって良かった気もします。みなさん立ったり座ったりくらいの動きしかないのに、本当にそこにアリスやうさぎやチェシャ猫や、ウミガメ風味がいるような感じになれました。
 実は私はアリスのお話を、小さい頃にディズニー版の絵本で読んだことしか無くて、ほとんど知らなかったので(^_^;)公演2日前くらいに急遽新潮社版の文庫を買ったのですが、当日までに少ししか読めてませんでした。でもパンフの中でも浩子さんが「余計なものを付け加えたりねじ曲げたりしないで、できるだけそのままの形で」と書かれてた通り、私の読んでいるものと殆ど同じで(たぶん元にした翻訳が同じだったのでしょう)、すごく感動しました。

 前回の幻想図書館を初めて見た時、どんなものになるのかホント全く予想できなくて、いきなり浩子さんではなく役者さんが歌い出した時、正直ビックリしてしまって「なんで???」と思ってなかなかしっくり来なかったのですが(^_^;)、今回宮内さんの歌声を最初に聞いた時、めちゃめちゃ良い声でびっくりしました(笑)宮内さんが元NHKの歌のお兄さんで、今はミュージカル俳優さんだなんて知らなかったので・・・(^_^;) 浩子さんと一緒に歌われた「ウサギ穴」の曲、すごく良い曲だったんですよぉ〜浩子さんと宮内さんのデュエットでは、あと「クルル・カリル」も感動的でした。元々この曲のコーラスが重なり合う部分が大好きだったのですが、今回のバージョンもすごく綺麗で、涙出るかと思いました♪
 今回、アリスの原作に出てくる歌詞に浩子さんが曲を付けたものと、もともとある浩子さんの曲がまざっていたのですが、新たに作られたものはもちろん他の曲もすごくイメージにピッタリでした。今までのコンサートでは聴けなかった曲もあって、とても嬉しかったです♪「落ちてきた少年」はとても好きな曲だったので、聴けてしあわせでしたvvv
 もう一人の役者さん、大森さんは自由劇場という劇団出身で、劇団解散後もたくさんの舞台や映画で活躍されてる方だそうです。今回、チェシャ猫や公爵夫人、ウミガメ風味、トカゲのビルじいさんなどなど癖のあるキャラを一手に引き受けられてましたが、すっごく味のある演技で渋カッコ良かったですvvv舞台で歌を歌われることもあまりないと言われてましたが、とても上手くてカッコ良かったです♪お気に入り曲は、「公爵夫人の歌」と「ウミガメスープ」です(^^)
 石井AQさんも今回沢山の役をされてましたが、実はこれが役者デビューだったとか(笑)でも、ネムリネズミとか、すっごく感じ出ててピッタリの役だと思いました。演奏される時もすごく楽しそうで、ついついこちらも笑ってしまいそうでした(笑)
 浩子さんのアリスもピッタリでした。元々何となくアリスのイメージあると思うのですけど、特に役を作るというのでなく、普通に話しているのが良かったと思いました。自然にしみ込んでくる感じがするので。。

 前回の公演はビデオ&DVDになったけど、今回はそういう予定は無いとか・・・すごく勿体ないと思います。せめてCDにでもなればいいのになぁと思うんですけど。あと、東京と大阪のみの4公演だけってのも残念です。もっともっと沢山の人に観てもらいたいと思いました。来年でも良いので、また地方公演とかあったらいいのになぁと心から思います。

 お話のラストは原作とは少し違った感じでした。が、私はこの終わり方かなり好きです♪ちょっと怖い感じだったんですけど・・・次に続く感じもいいなと思いました。

 アンコールは、浩子さんが「自分の曲の中で、一番“ルイス・キャロル的”だと思った」という曲「ドッペル玄関」。確かにひっちゃかめっちゃかな感じ(笑)がアリスとも似てるかも♪東京公演のアンケートでは、「それまでの舞台のイメージが壊れるから止めた方が」みたいな意見もあったらしいのですが、私はピッタリだと思いました。それより今回アンコール曲があると思ってなかったので、嬉しかったです。時間が無くて焦りながらもしっかり最後まで聴いちゃいました(^^)

 この「幻想図書館」シリーズ、今後も続けていって、いずれは浩子さんのオリジナルな話もやるかもとのこと。めちゃめちゃ楽しみですvvv「悲しみの時計少女」とか是非やって欲しいです〜原作ものだと、「銀河鉄道の夜」とかもいいなぁと思いました。次がいつになるか分からないけれど、早く実現すると良いなと思います。