origato plastico vol.2
西へゆく女
【脚本】岩松了
【演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【出演】広岡由里子 宝生舞
渡辺いっけい 長塚圭史 八十田勇一
安澤千草 矢沢幸治 鈴木リョウジ
2003/09/28 大阪/近鉄小劇場

 最初は行くつもり無かったのですが、CM観てたら行きたくなって、勢いでチケットを取ってしまいました(^_^;)良く見たら(て見なくても)なかなかに豪華キャストです。

 とある山の中にある、以前は幼稚園だった建物。そこには、ハル(広岡)とトキ(宝生)という2人の女が住んでいた。ハルはいつも絵を描いているというが、本当に絵を描いている姿を見た者はなく、その過去も謎に包まれていた。トキは過去の記憶が無く、最近まで口を利く事もできなかったが純粋で美しい娘。ふもとの村に住んでいて、時々食料を運んでくる男タジマ(渡辺)はトキと結婚したいと思っていた。人里離れたこの建物には、タジマと彼の店で働くミノル(鈴木)、そしてハルの下で使われているイノという男ぐらいしか訪れる者はいなかった。そんな場所へある日、山道で倒れていたという男(長塚)をトキが見つけ、運び込む。3日3晩眠り続けた男は、7月7日七夕の朝、やっと目を覚ます。しかし自分の名前はおろか、何をしにここへやってきたのかなど、全ての記憶を無くしていた。唯一着ていた服に入っていたネームから、男の名前はスズキであろうということになるが、本人には全く実感がない。焦るスズキ。そこへ、かつてこの建物が幼稚園だった時、ここで働いていた女ヤマネ(安澤)が、結婚相手タカギ(八十田)を連れてやって来る。その日、7月7日は、ヤマネが働いていた時事故で死んだ園児の命日だったのだ。しかし、実はヤマネはその園児を殺したのではないかという疑いを持たれていたのだった。謎めく登場人物達。スズキは何のためにここへ来たのか。実は昔新だ子供なのではないのか。ハルとトキの関係は。。

 感想。「よく分からん話じゃぁー(>_<)っっ」………(笑)

 えっと(^_^;)、なんかですね、すごく私には難しい話だったです。みんながギリギリの精神状態のようで緊張感があり、物語の説明が少ないので自分で想像しなくてはならず、セリフを聞き漏らさないように一生懸命で疲れました。そのくせそれぞれに言葉を発しているのだけれど、早口だし全てがすれ違っているようであまり会話になっていないし…結局最後もよく分かりませんでした。破滅的な話であるのは分かったのですけど(^_^;) 何回か観るとまた違ってくるのかもと思います。一度だけだとストーリーに付いていくのがやっとって感じです。
 あとテレビCMから想像したイメージとはかなり違ってましたね。

 今回、この同じ話を、岩松氏自ら演出した「円バージョン」というのもあるらしく、そちらではハル役を岸田今日子さんが演じたそうです。広岡さんと岸田さんでは全然イメージが違うし、同じ脚本でも全く違った物になったんだうなと思うとちょっと観てみたいです。岸田さんは開演前の「携帯電話をお切りください」のアナウンスもされててびっくりしました!円バージョンでは広岡さんがされてたそうです。そういうのって楽しいですよね(^^)

 広岡由里子さん。謎めいた女、ハル。飄々としていてマイペースに喋るので、ちょっとイライラしました(^_^;)でも「謎めいた」という部分はピッタリな気がしました。

 宝生舞さん。謎めいた少女、トキ。綺麗で神秘的で、同じく「謎めいた」というのにピッタリだと思いました。ちょっと知恵遅れ?ぽい演技も上手かったです。

 渡辺いっけいさん。トキのことが好きで結婚したいと思っている男、タジマ。やっぱり上手いです。トキがスズキの看病をあまりに熱心にするので、タジマは気が気ではないのですけど、その焦りとかすごく伝わってきました。でもある意味タジマが一番マトモな人だった気もします(笑)

 長塚圭史さん。記憶喪失の男、スズキ。「悩む男」がピッタリでした(笑)自分が誰だか分からなくてすごくイライラしていて、もしかしたら自分は死んだ子供なのかもとまで思って追いつめられていくのが真に迫っていて、観ていて辛くなりました。

 八十田勇一さん。ヤマネのフィアンセ、タカギ。なんだか八十田さんで無くても良かったような気がして勿体ないなと思いました。ヤソチンにはもっと違った役やって欲しいです!ちょっと残念…

 今度(2003年11月?)にスカパーで放映されるみたいなので、もっかいじっくり観てみたいと思います。