オケピ! The Orchestra Pit
【脚本・演出】三谷幸喜 【作・編曲・指揮】服部隆之
【出演】白井晃 天海祐希
戸田恵子 川平慈英 小日向文世
寺脇康文
小林隆 相島一之 温水洋一
小橋賢児 瀬戸カトリーヌ 岡田誠
布施明
2003/05/20 大阪/フェスティバルホール

 ついに「オケピ!」です。会社休んで行ってきました(笑)超人気脚本家、三谷幸喜さんのミュージカル。しかも豪華キャストでチケット取るのも一苦労だったのですが、何故か当日までいまいち実感ありませんでした(^_^;)

 会場に着くともうすごい沢山の人が集まっていました。平日の昼間からこんなに沢山の人が集まるなんて(しかも何日も)、やっぱ都会は違いますね(笑)

 今回の席はA席。2階N列とステージからはめちゃ遠かったです(T_T)でもステージ全体が見えるのでその点は良かったかも。フェスティバルホールは席が真ん中からLRに別れていて、それぞれに1〜の番号があるのですが、LとRを間違えて座っちゃってる人が多かったです。私の席にも最初違う人が座ってて焦りました(^_^;)開演してもまだ席を見つけられずウロウロする人が多くて「早く座ってよー!!」て思ってしまいました(-_-;)あと、2階席は開演しても照明が全部落ちないので、お客さんの緊張感もいまいち足りなかった気がします。危ないからなのかもしれませんが、開演したら照明は落として欲しいです。

 ここはとある舞台下のオーケストラピット。舞台上ではたいして面白くもないミュージカルが演じられている。そんな中、オケピの人々はそれぞれの悩みを抱え、舞台上よりはるかに複雑でドラマティックな人間模様を描き出していた。

 白井晃さん。悩めるコンダクター。初演では真田広之さんが演じていたこの役。私は初演版は観ていませんが、まったくタイプの違う役者さんなのでどんな感じかなぁと思っていたのですが、もうこれは白井さんしか考えられないって役でした。ちょっと気弱で、でも計算高いところもあって、奥さんは同じ職場のヴァイオリニストだけれど、同じく同じ職場のトランペッターに取られて今は一人暮らし。。奥さんには戻ってきて欲しいけど、若いハーピストも気になる…そんな情けな〜い(笑)感じがピッタリでした♪

 天海祐希さん。美人でお嬢様のハーピスト。ギタリストに言い寄られて困っている?と見えたけど実は…という役。この役も、天海さんにピッタリ合ってたと思います。初演では松たか子さんだったのですけど、松さんがこの役って想像できないです(^_^;)歌も動きもさすがに綺麗で素敵でした☆

 戸田恵子さん。まとめ役のヴァイオリニスト。コンダクターの奥さんでトランペッターとも付き合ってたのだけど、トランペッターは自分とは遊びだったと分かってコンダクターとよりを戻そうかどうか悩んでいる。しっかりしてそうなんだけど結構パニックになりやすい性格? 初演と同じ役なのに性格はかなり違う…という難しいことにチャレンジされたそうですがとても可愛らしかったです。ちょっと「HR」の宇部さん入ってたかも(笑)

 川平慈英さん。ポジティブ・シンキング・マン(笑)のギタリスト。ハーピストが自分のことを好きだと勘違いして結婚までしようと思っている。物事を自分の良いように良いように捉えてあまり人の言うことを聞いていない困ったちゃん(^_^;)でもホントはすごく良い人なんですよね。川平さんがミュージカル俳優だったとは、今回初めて知りました(笑)

 小日向文世さん。のほほんとした演奏嫌い(?)のピアニスト。これぞ小日向さん!な役(笑)いつも何かが気になって(笑)演奏を間違えてばかりいる。人の話もあまり聞いてない。でもこの方が出てくるとすごく場が和む気がします。ラストのうさぎちゃんが可愛かったですvv

 寺脇康文さん。ジャズあがりで協調性無し。ヴァイオリニスト& ハーピストを二股にかけているアウトロー(笑)トランペッター。最初はカッコつけて捻くれた態度ばかり取っていたのに、最後はみんなの輪に入れなくてワタワタしてる姿が可愛かったです(笑)寺脇さんはご自分のユニット「地球ゴージャス」以外の外部公演は初めてだそうですが、やっぱりおもしろカッコ良かったですvvvもっと色々な舞台に出て欲しいなぁと思いました。

 小林隆さん。ヴィオラ担当(ヴィオリスト?(^_^;)。良い人で嫌いじゃないんだけど、影が薄くてみんなに名前も憶えてもらってない可哀想な人(笑)最後に名前が分かってホッとしました(笑)

 相島一之さん。どんな楽器も演奏できるマルチなサックス奏者。相島さんのこんな良い人役ってあまり見たこと無いかも(^_^;)でも三谷作品では割と良い人の役が多いらしいですね。意外と筋肉マンなんだなぁと変なところに感心したり(笑)

 温水洋一さん。仕事中にバイトの訪問販売をしちゃってるドラマー。なんかちょっと小狡い感じがピッタリでした(笑)

 小橋賢児さん。オケピの仕事は初めてで、めちゃ張り切ってるパーカッション。周りの大人達はみんな一見不真面目で、イライラしちゃってる。小橋君のイメージは、どうもちょっと不良っぽい感じなので、こういう真面目な青年役って微妙に違和感があります(笑)でも可愛かったです♪

 瀬戸カトリーヌさん。しっかりもののお母さんチェリスト。眼鏡で髪の毛もポニーテールで、最初誰だか分かりませんでした(^_^;)声がめちゃ出てて歌も上手くてビックリです。元気で可愛い方ですね。

 岡田誠さん。お腹がいっぱいになるとすぐ眠ってしまうファゴット奏者。パンフなどの写真と一番イメージが違ったのがこの方です。「え???これがあの人?」て感じ(笑)音楽大学の声楽科卒業ということで、さすがに他の方々とは歌い方が違いました。めちゃえぇ声〜だったですvv

 布施明さん。マイペースのオーボエ奏者。この方もやっぱり歌上手いですよね〜♪メインの曲は歌詞も良いのでじ〜んときちゃいました。

 劇中歌はどれも面白くて頭の中をぐるぐる回ります。曲はカッコ良いのに歌詞が面白いものもいっぱいありました。特に「ミュージシャンのタコについての考察」という曲は爆笑ものです(笑)あと、私は色んな違うメロディーが交錯して一つの曲になるってのが大好きなので、最初の「序曲〜彼らは、それぞれの問題を抱えて演奏する」は鳥肌モノでした。

 あと、演奏しているところは照明があたって無くても、ちゃんとみなさん演奏している演技をされてて凄いなぁと思いました。他にも後ろで色々演技されてて面白かったです。今回殆どみなさん舞台に出ずっぱりなので、大変だなぁと思いました。

 ストーリーは全然予習などしていなかったので、「ショウ・マスト・ゴー・オン」みたいな、舞台公演中のドタバタみたいなものかと思ってました(^_^;)だからこんなに恋愛模様とか、わりとドロドロした人間関係の話でビックリです(笑)結構大人のお話でしたよね。でも、様々な問題がラストに向けて上手く収拾していく様はさすがだなと思います。本当に綺麗にできてますよね。ただ、三谷さんの作品は、綺麗に出来すぎててちょっと遠い感じがしてしまうのが淋しいです。うまく表現出来ないのですけど。。
 あと、出演者が多すぎてみなさんのキャラが全て活かし切れてない感じもちょっとだけして勿体ないかなぁと思いました。みんなの話がもっと観たかったというか。。三谷さんも「もう群衆劇は作らないかも」とおっしゃってましたけど、少人数でそれぞれのキャラが立っている話がまた観たいなぁと思いました。

 なにはともあれ、3時間近くの長い舞台でしたが時間を感じることなく楽しめました(^_^)♪観に行けて本当に良かったですvvv