MIDSUMMER CAROL
〜ガマ王子 vs ザリガニ魔人〜
【作】後藤ひろひと 【演出】G2
【出演】伊藤英明 長谷川京子
山崎一 犬山イヌコ 山内圭哉 片桐仁
小松和重 瀬戸カトリーヌ 加藤みづき 後藤ひろひと
木場勝己
2004/08/01 大阪/シアター・ドラマシティ

 公演が決まった時から、ホントーに楽しみにしていました。私が演劇にハマるきっかけとなった作品「人間風車」を生み出した、後藤ひろひと大王&G2コンビの新作とあれば、面白くないわけありません。後藤さんの所属するユニットPiperのサイトの掲示板でも、連日「感動した」の書き込みがされていて、早く観たくてウズウズしていました。

 会場はお馴染みシアター・ドラマシティ。今回の席は12列8,9番と一番端っこでちょっと残念。でも距離的には良い感じです。会場内に入ると蜩の声が静かに響いています。こおいう開演前の雰囲気、とても好きです。

 G2さんの作品はいつもチラシやパンフのデザインもとても素敵なのですが、今回もまためちゃ素敵なパンフでした。まるで絵本のようvv買うのも楽しみです。今回は他にもグッズが沢山出ていましたが、とりあえず挿入曲のCDだけ買いました。この挿入曲を歌われている瓜生明希葉さんも、「人間風車」「ダブリンの鐘つきカビ人間」に続いての参加ですが、透き通る声に少し不思議なメロディでとても好きです。インディーズなのが勿体ないです。

 とある丘の上の総合病院。そこには一癖も二癖もある患者達&スタッフがわがまま勝手な病院生活を続けていた。
 大会社の会長で誰に対しても傲慢で偏屈な頑固じじい・大貫(木場)
 自動車事故の賠償金をつり上げるために入院を引き延ばす主婦・木之元(犬山)
 消火作業中に消防車に轢かれた消防士・大滝(片桐)
 拳銃で撃たれて入院中の暴力団員・龍門寺(山内)
 いつもいたずらばかり考えて大貫をからかってばかりいる男・堀部(後藤)
 自殺未遂を繰り返しては入院してくる元子役・室町(伊藤)
 不慮の事故で両親を失った一人の少女・パコ(加藤)
 いつも飄々として病院内で釣りや虫取りに興じる医師・浅野(山崎)
 大貫の甥で少し天然の男・浩一(小松)
 浩一の妻でいつか大貫の会社を浩一に継がせようと思っている野心家の看護婦・雅美(瀬戸)
 小さい時から少年ジャンプをバイブルに生きてきた男勝りな看護婦・光岡(長谷川)

 大貫とパコのふれ合いと、パコが毎日読んでいる絵本「ガマ王子vsザリガニ魔人」を通して、彼ら全ての人々を巻き込んで起こる小さな「奇跡」

●伊藤英明さん。初舞台とは思えないハジけた演技が素敵でした(笑)二枚目なだけではないこういう演技をずっと続けていって欲しいと思います。

●長谷川京子さん。こちらも初舞台。声があまり出ていなかったりだとか、そういうことはあったけれども、でも良かったと思います。光岡にも合ってました。

●山崎一さん。さすがです。飄々としていつも遊ぶ事ばかり考えているみたいなのに、実はしっかりとみんなの事を観ている浅野にピッタリでしたvv浅野の台詞「涙を止めるには、いっぱい泣けば良いんです」という台詞には泣けました。この方の、とっても自然体のところが良いなぁと思います。

●犬山イヌコさん。噂好きな主婦役、こちらもピッタリでした♪声がやっぱりとても可愛いです。ガマ姫の練習をしている姿も可愛かったです。

●山内圭哉さん。もう言う事無しですね。面白すぎ。この方が出てくるだけで場の笑い、全て持って行っちゃう気がします。今回山内さんの事知らずに来たお客さんも多いと思うのですけど、絶対「あの役者さんは誰?! 面白素敵過ぎっっ」て思ったはず!(笑)後藤さんもきっと安心して書いてるんじゃないかなぁと思います。

●片桐仁さん。ラーメンズは観たことなくて、お顔しか知らなかったのですけど、良い役者さんだなぁと思いました。大滝の、とても辛い状況なのに、周りの事考えられる優しさがとても似合ってました。

●小松和重さん。今回、浩一役とその息子・浩二の二役をされていましたが、どちらもナチュラルな感じで良かったです。山内さんと何かちょこちょこやってるのも楽しかったです(笑)

●瀬戸カトリーヌさん。はじけてました!すばらしかったです!(笑)表の顔と裏の顔(て程でもないですが)の差も良かったです。

●加藤みづきちゃん。オーディションで勝ち抜いた新人さん。まだ中学生っっ とっても透明感あって自然で可愛かったです。上手かったし。彼女の読む「バシャーン ケローン」がとても気に入りました♪

●後藤ひろひとさん。大王の演じられる役は、いつも大王にしかできない役だと思うのですけど今回もそうでしたね(笑)開演前の携帯に関する注意は、前のPiper公演では実際に舞台に出てこられたのに今回は録音で残念でした。私もそうでしたけど、初めて大王の作品観た時は、まさかこの方がこの作品の作家とは思えないでしょうね(笑)

●木場勝己さん。この方もさすがっって感じです。貫禄ありますね。ガマ王子姿はとても可愛らしかったですvv

 とても美しくて優しくて、ピュアなお話でした。笑い要素もいっぱいで、最初から最後まで笑って泣いて、めいっぱい楽しめました。特に大貫がパコの病気の事を知って愕然とするところや、龍門時がジュンペイの死に泣くところは泣けました。最後の「絵本のページを集めていく」というのはとても素敵で、ここでもじ〜んとしてしまいました。カーテンコールの演出も素敵だったですvv

 でもホント言うと、私としてはもう少し毒があっても良いかなぁとは思いましたけど…(^_^;)殺伐とした世の中なので、これくらい美しい話もないとダメだよなぁとも思うし、今回、伊藤&ハセキョーFanの人とかで、初めて舞台を観るという人も多かったんじゃないかと思うので、そういう人でも安心して観られるお話で良かったとは思うんですけどね。
 これでまた大王や僧正の人気が増えて、チケット取りにくくなるんじゃないかと思うと不安ですけど。。でもこれに感動して次のPiper本公演とか観たらビックリするかもですね(笑)
 あとは大阪だからか、お客さんの反応がすごく大きくて、笑うところではみんな手を叩いて爆笑するので、次の台詞が聞こえなかったりということが多々あって、そこは残念だったです。それと、伊藤Fanの人だと思うのですが、ただ出てくるだけで拍手とかするのは止めて欲しいなぁと思いました。

2004/08/11 広島/郵便貯金ホール

 待望の広島公演。平日の夜、19時開演ということで、行くの難しいかなぁと思ったのですけれど、思い切って行って良かったです。
 当初夏休みを取るはずがどうしても仕事に行かなくてはならなくなり、間に合わないかもと思いましたが、早退させてもらえたのでなんとか間に合いました。
 会場に着いてみるとなんだか凄い人だかりでビックリしました。郵便貯金ホールは広いと思っていましたけど、これだけの人がやってくるのはやっぱり凄いなぁと思ってしまいます。大阪公演とかでは無い熱気を感じます(笑)

 今回の席は、17列38番。先日の大阪が左端だったので、今度は右寄りで良いかなと思うのですが、微妙に後ろで、しかも床に余り傾斜がないので少し観にくかったです。

 二回目なので、もしかして感動が薄れるのでは…という不安もあったのですが、そんなこと全然ありませんでした。むしろ二回目だからこそ、次の展開が分かるだけに、台詞のひとつひとつが心に染みて、何でもない台詞でも涙が出そうになりました。優しさに溢れていて、毒なんて無くていいんだと思いました。

 広島のお客さんと大阪のお客さんはやはり感じが違いますね。広島では、手を叩いて笑うと言う事は殆どなく、わぁっと盛り上がってもすぐ静かになって、みんな次の台詞も聞き逃すまいとしているようでした。あと、休憩時間の時、舞台のそばまでセットを見に行く人が多いのにもビックリしました(笑)やはり物珍しいのでしょうか(^_^;)
 カーテンコールもオールスタンディングで、この時も前に集まっていっていて、なかなか熱かったです。でも、挨拶が無かったのは残念でした。も少しネバればいいのになぁと思いました。


 大感動の観劇でしたが、ひとつだけ残念だったのは、隣に座ったカップルがとっても冷めていた事。私の隣は男性だったのですけど、休憩時間に「話が分からない」とか「伊藤英明はいつ出るんだ」みたいな事を話していて、終始ごそごそしていてつまらなそうでした。たぶん伊藤くん目当てで来た人で、舞台とか観た事無い人たちだったんでしょう。面白く感じられないのは、人それぞれだし仕方ないと思います。高いお金出して可哀想だなとも思うのですが…でも、それでも、終演後に拍手くらいしても良いと思うのです。その二人は、みんながスタンディングして盛り上がる中、だら〜っと座ったままで、拍手もしない。嫌なら早く帰ればいいのにカーテンコールが終わってみんなが帰りはじめても座ったまま。正直、「邪魔なんじゃこらぁ(怒)」て感じだったです(^_^;)せっかく感動で上がったテンション下がるじゃんっっと思ってしまいました。映画でも同じですけど、みんなで見るモノだし、楽しむ上で、周りの人というのも重要なポイントなんだなと思いました。