中之島演劇祭
wat mayhem『パンク侍、斬られて候』

原作/町田 康
脚本/覚王山・山内圭哉
演出/山内圭哉・福田転球
出演/山内圭哉(Piper) 福田転球
   みさきゆう
   橋田雄一郎 安尾信乃助(吉本新喜劇)
   浜本広晃($10) 林克治(カリカ)
   石原正一(石原正一ショー)
   大木湖南(ニットキャップシアター)
   西うらしんじ(遊気舎)
   佐々木智史 おかっぺ
   関秀人 久保田浩(遊気舎)
   川下大洋(Piper) 腹筋善之介(Piper)
   ほか

2006/11/09(木)16:30開演
大阪/中之島4丁目テント

江戸時代、ある晴天の日。
街道沿いの茶店に腰かけていた浪人は、
そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、
「抜く手も見えず、太刀を振りかざすと、ずば。」
と斬り殺す。
居合わせた黒和藩藩士・長岡主馬(福田)に
理由を問われたその浪人・掛十之進(山内)は、
かの老人が「腹ふり党」の一員であり、
この土地に恐るべき災厄をもたらすに違いないから
事前にそれを防止した、と言うのだった…

「腹ふり党」とは、宗教団体のひとつ。
信者達は、
この世は、巨大な条虫の胎内にあり、
その胎外にこそ、真正世界はある
と信じている。
そしてその真正世界へと脱出する為には
自分たちを「異物」すなわち虫の便として排出させなければならない。
その為には、あえて無意味なこと、すなわち、
ひたすらに「腹をふりふり」踊り狂うのが一番だと
田畑を捨て、労働を放棄して、ただひたすらに踊り狂う。
さらに人々は傍若無人な暴挙に及び
結果、藩制は、混乱に陥り潰れていく。
以前ある藩で
コーディネーターとして雇われていた掛は、
そこでその実態を見ただけだったが、
「腹ふり党」対策のスペシャリストのフリをして
黒和藩へ自分を売り込もうとする。
すべては一時の金目当て、
もし何か起こればさっさと逃げるつもりでいた掛だったが
事態は、意外な方向に・・・。


時代劇の形をとってはいますが、
念力少年や人の言葉を話す大猿が出てきたり
現代言葉もバシバシ飛び交って
SFというか…なんとも不思議な話でした。

めちゃめちゃスプラッターなシーンも満載で
話もかなり混沌とした精神世界な感じになってって
ラストも全くハッピーな要素の無い終わり方で
大きな声で「面白かった」というのはちょっと…
てな感じでした(^_^;
もちろん場面場面では沢山笑わせてもらったし
役者さんもみな良かったんですけどね。

ちょっとだけ「エヴァ」を思い出しました。
全然違うんですけどね(笑)

山内圭哉さん。掛十之進
この役は、僧正のためにあるような役だと思いました。
もうピッタリでしたね(笑)
いいかげんな奴だけど実は…てな展開かと思いきや
最後までいいかげんでしたね(^_^;
主役っぽいのに思ったより出てこなくて残念でした。

福田転球さん。長岡主馬
主馬も転球さんにピッタリだと思いました。
歌ったり猿回したり…色んな技を見せていただきました(笑)
終演後、外の物販に出てこられてて
パンフにサインをいただきましたvv
カッコ良かったです(*^_^*)

関秀人さん。次席家老・大浦主膳
最初、悪役かと思ったんですが
段々いい人に見えてきて
なんか哀愁とかも漂っちゃって
やっぱラブハンターだなと思いました(笑)
殺陣もカッコ良かったです〜♪
ラストはかなり悲しくて、泣きそうになりました。

久保田浩さん。腹ふり党大幹部・茶山半郎
恐かったです。
久保田さんといえば、
いつも決まったキャラしか見たことなくて
面白い感じしか知らなかったので
今回は違う面が見られて良かったです。
茶山は顔中に入れ墨を入れられているという設定なので
表情が分からないのが余計恐かったです。

川下大洋さん。大猿・大臼延珍
大洋さん、いつ出てくるんだろうと思ってたら
着ぐるみ猿でビックリしました(笑)
でも実は一番世の中をよく分かってる風で
渋カッコ良かったです。

他にもたくさんの人が出ているのですが
お笑いの人とか全然分からないので
誰が誰やらって感じでした(^_^;
腹筋さんは斬られ役で何回も斬られてました(笑)
でももうそろそろ
ガッツリ芝居する腹筋さんもみたいなぁ
と思ったりしています。

大音量で流れる音楽や
スクリーンを使った演出もカッコ良かったです。

台詞が聞き取れなかったりしたりして
よく分からないところもあったので
引き続き原作本を読みたいと思っています。
すごく読みづらかった原作本ですが
舞台観てからだと、不思議と読みやすくなった気がします。
やはりキャラがイメージできるからでしょうか。
録画用カメラが入ってたらしいので
スカパーとかで放映されるといいなと思います。
原作読んでからまた観てみたいので。
テレビで放送できるのか?!て心配もありますが…bb

でも僧正、いつも長塚圭史作品とかに出てる時
こんな辛い芝居はもう嫌だ〜みたく言ってるのに
初めて作りたいと思った話がこれですか?!
てちょっと思っちゃいましたよ(笑)
これに比べたら
長塚作品の方が断然救いがあっていい話
だと思います(^_^;