北九州芸術劇場Produce
『地獄八景:浮世百景』

監修/桂米朝
脚本/東野ひろあき
演出/G2
出演/佐藤アツヒロ 高橋由美子
   山内圭哉 松永玲子
   小松利昌 出口結美子
   桂吉坊 市川笑也 桂吉弥
   升毅 松尾貴史

2007年2月25日(日)13:00開演
大阪/イオン化粧品シアターBRAVA!

走れ若旦那。小糸の命を救うため、地獄の閻魔の庁までも。
小糸との恋の成就のため、番頭由松と奮闘する河内屋の若旦那(佐藤)。
駆けつけるは、算段の平兵衛、どうらんの幸助、
果ては鞍馬の大天狗などなど上方落語の人気登場人物たちが、
二人を援助したり翻弄したり。
だが、その間にも線香が立ち切れる時は刻々と迫ってくる。
果たして若旦那は、みごと崇徳院の歌の美人を捜し出し、
閻魔の庁へ捉えられた小糸を救い出すことができるのか? 
「たちぎれ線香」「算段の平兵衛」「崇徳院」「天狗裁き」「どうらんの幸助」
そして「地獄八景」を中心に、
大ネタ、小ネタあわせて五十数本の落語がぎっしり詰まった見応え。
笑いはもちろん、じーんと泣けて、上方落語に強くなる。

…と事前の紹介文はなっていましたが、
ストーリーはかなり変わっていました(^_^;

河内屋の若旦那(佐藤)は、小糸という芸妓(高橋)に恋をして
芝居に連れていくと約束をする。
しかし、あまりにも遊び回り過ぎた為
勘当寸前となり、番頭(升)とともに修行の旅に出される。
そうと知らない小糸は若旦那を待ち続け
ついに病気になって死んでしまう。
戻ってそれを知った若旦那は、自らも命を絶ち、
閻魔大王に小糸を生き返らせてもらえるよう訴えるのだが…

ものがたりは、若旦那が閻魔大王と会うところから始まり
回想という感じでそれまでのいきさつが語られます。
落語はまったく知らないのですが
ところどころでちゃんとオチがついていて面白かったです。
最後のオチは上手いけど悲しかったですけど。
落語って、笑えるだけじゃなくて悲しい話もあるんですね。

が、その後の話を作っちゃって、
ハッピーエンドにしちゃうところが
また面白かったです。

正直、地獄の場面は最初と最後しかなくて
どこが「地獄八景?」とは思いましたが…(^_^;

結構早口でドンドン話が進むので、
ちょっとあっという間な感じがありました。
場面もコロコロ変わるし、ついていくのが大変でした。
途中少し眠気に負けそうにもなりました(^_^;
が、終盤のとても静かなシーンで
いびきかきながら寝てるオッサンいたのにはムカッときましたがっっ
2階席だったからか
客席も微妙に緊張感が無くて、
芝居始まっても喋ってる人とかいて嫌だったです
思わず小声で「うるさい」とか言っちゃいました(笑)

佐藤アツヒロくんの舞台、初めて観たのですが
意外と声が高いんですね(笑)
ええとこのボンボンっていうのが似合ってました(笑)

高橋由美子さんの芸妓さんはすごく可愛かったですvv
こんなおとなしめな役って久々なんじゃないでしょうか(笑)

山内僧正は、変わらずおいしいトコ持ってってましたね。
鬘も一番お似合いでした(笑)
カーテンコールで「うるさい!このよくばりさん」
って言ってもらえて嬉しかったです(笑)

松永さんは、小糸のお母さん役がメインなのですが
なんていうか、落ち着いててカッコ良かったです。
ご両親から今までやってきた役のなかでNo.1をいただいたそうです♪
松尾さんに、「それはすぐケラリーノに伝えねば」って言われてました(笑)

小松さんて方は初めてだったのですが
かなりインパクトある方でした(^_^;
顔も、キャラも…(笑)

升さん、出てるの忘れててちょいビックリしました(笑)
結構良い人の役でしたが
最後、悪〜い顔が見れて嬉しかったです(笑)

松尾さんは相変わらずの器用ブリを発揮されてましたが
メインの役ってのがなくて、色々されるので
なんか全体に溶け込むというか、
際だったところがなくてちょっと残念だったです。
カーテンコールのお喋りは変わらず楽しくて良かったですけど。

みなさん何役もやって、裏では大変なことになってたそうです。
舞台から遠かったので、誰が出てるのかよく分からないこともあったりして
あんまり登場人物が多いと誰が誰やらになっちゃうので
ここでももっと少人数な芝居がいいなぁ〜とか思っちゃいました(^_^;

DVDにはその辺の舞台裏の様子も収められているそうです。
AGAPEのDVDは特典映像も面白いので楽しみです。
あと、ストーリーの流れを分かった上で、もっかい観たら
また違った面白さに気付けるかもっていう楽しみもあります。

以前あった、「地獄八景亡者戯」は、本当に(?)地獄のお話で
時代劇では無かったけれど結構好きだったので
今回のは殆ど浮き世の話なのが少し残念でした。
G2さんの演出は、だんだん派手になってるなぁ〜て感じでした(笑)
フライングとかもあったしw
けど、何年か前の、狭めの劇場で演ってた頃の作品の方が
やっぱ好きだなぁ〜て思うので
次回作「ツグノフの森」がかなり楽しみです。
でもその後も「東京タワー」とか「憑き神」とか
次々と大きな舞台の予定が入ってるようで
どこまで大きくなっちゃうのかなぁ〜て感じですね。