Team申第2回公演
『抜け穴の会議室』

作・演出/前川知大
出演/仲村トオル 佐々木蔵之介

2007年12月9日14:00開演
京都/京都府立文化芸術会館

部屋には至る所にたくさんの本が積み上げられている。
一人の男がそれを読んでいると
頭上からさらにたくさんの本が降ってくる…

暗転。

明るくなると、もう一人の男が現れる。
最初からいた男は言う。
ここは死後の世界。
しかし天国でも地獄でもない。
ここにある本は自らの生きた歴史。
ここでこれらを読み、復習することで
次のステップに進めるらしい。と。

ここには六角形の部屋が無数に繋がっていて
その部屋が近いほど、生前の関わりが強いという。
男の部屋は隣同士なので、
どうやらとても近しい関係だったらしい。

生前の記憶は全て無くなっているが
本を読むことで少しずつ思い出してくる。
そして二人が同時に本に触るとフラッシュバックが起こり
その本に書かれている時代に飛べる。

二人は前世での繋がりだけでなく
前々世では兄弟、そのまた前もその前も関わりがあった。
敵同士だったこともあり、夫婦だったことも…

彼らはここで前世をきちんと「復習」し
来世に向かうことができるのか…

佐々木蔵之介さんが自ら選んだ俳優さんと
脚本・演出家さんと組んで行う二人芝居のシリーズ第2弾。
前回は観に行けなかったので
今回行けて嬉しかったです。
仲村トオルさんてあんまり舞台やってるイメージ無かったし
このお二人の二人芝居ってすごく興味ありました。
脚本・演出は最近やたら「面白い」と聞くことの多い
“イキウメ”という劇団の前川知大さん。
イキウメも観たことありませんでしたが
SFでホラーチックなお話を書かれると言うことで
とても楽しみでした。

京都での観劇は以前京都劇場で劇団四季を観たくらい。
今回の会場も初めてでどんなところかなぁ〜と思いましたが
綺麗でゆったりした所で良かったです。

ホールに入ると緞帳はなく、セットが丸見えになっているのですが
なんでしょう、色彩というか雰囲気というかものすごくカッコ良く
いいなぁ〜と思ってしまいました。
パンフを確認すると、美術を担当されたのが
阿佐ヶ谷スパイダースなどでもお馴染みの加藤ちかさんで
「あぁ、やっぱり」という感じ。
ちかさんの作られるセット、大好きなんですよね。
今回セット自体に映像が流れたり
言葉で説明するのはすごく難しいのですが
もうめちゃめちゃカッコ良いセットでした。

客層はもう95%くらい女性で
高齢っぽい方も多かったような気がします。
私の後ろのおばさま達は招待客っぽかったです。
出演者のお二人ともドラマとかたくさん出演されてるので
それでも興味津々って感じでした。

内容は“輪廻”がテーマ?になっているようでしたが
そんな難しいこともなく
途中ちょっと怖い展開になるのかな…てところがあるのですが
最後はかなりじ〜んとして
人と人との繋がりとか考えさせられて
良いお話になっていました。

お二人の演技も安心して観ていられたし
笑いもシリアスもあって
大変満足できました♪

カーテンコールのあと
客電も点いてみんな帰ろうとしているときに
お二人がススーっとグッズを持って舞台を横切ったり
なかなかサービス精神旺盛で嬉しかったです(笑)
けど、手ぬぐい買ったらクリスマスカード、Tシャツ買ったら年賀状、
みたいな商売の仕方はちょっとどうかと思いました(^_^;
サイン入りポスターくらいでやめといて欲しかったです(笑)

このTeam申という企画は
毎回共演者と作演出者を変えてやるみたいなので
次回どんなユニットで来るかとても楽しみです。
次回は大阪とかでやってもらえるとさらに嬉しいのですが(^_^;
京都は蔵之介さんの出身地だから外せないかなぁ〜

ひとつ残念だったこと。
終演後、「会場内撮影禁止です」と言われているのに
携帯で舞台の写真を撮ろうとしている人がたくさんいたこと。
暗めだし、上手く撮れなかったみたいですけど
テレビや映画からのファンで
舞台とか観たこと無い人たちかもしれませんが
なんかモラル低下を感じました。
せっかく良い作品だっただけに残念です。