こまつ座&シス・カンパニー公演
『ロマンス』

作/井上ひさし
演出/栗山民也
出演/大竹しのぶ 松たか子 段田安則
   生瀬勝久 井上芳雄 木場勝己
演奏/後藤浩明

2007年9月15日(土)13:30 開演
東京/世田谷パブリックシアター

全生涯を兄に捧げた妹がいた。
兄は医者、そのそばで看護助手と薬剤師をつとめ、
家政婦も、マネージャー役も兼ねていた。
ときには兄を甘やかす母親にもなった。
妹には一人の親友がいた。
親友は魅力的なドイツ系の女優だった。
妹は親友になんでも打ち明けていた。
妹が怖れていたことはただ一つ、
兄と親友とが結婚したりはしないかということ。
二人とも結婚生活には向いていないのだ。
だが、怖れていたことが現実になる。
二人はこっそり結婚していた!
一度に兄と親友とに裏切られ、
一度に兄と親友とを失ってしまった妹。
妹、マリア・チェーホワは激怒した。
親友、芸術座の女優オリガ・クニペックは、
わたしたちのロマンスについてだれも口を出すべきではないと抗弁した。
そして兄、アントン・チェーホフは頭を抱えながら、
最後の戯曲『桜の園』に取りかかった。
晩年のチェーホフが引き寄せてしまった、
哀れで、やるせのない、滑稽な悲喜劇を、
選り抜かれた六人の俳優が、いま生き生きと再現する。
再現の手がかりを井上ひさしが書き、
すべてを栗山民也がまとめあげる。

<公式サイトより>

↑のあらすじとはかなり変わってしまってたと思いますが(^_^;
「桜の園」「三人姉妹」などで知られる19世紀ロシアの作家、
チェーホフの生涯を、
井上芳雄(少年期)、生瀬勝久(青年期)、
段田安則(壮年期)、木場勝己(晩年)と4人の俳優が演じ分ける。
大竹しのぶは妻で女優のオリガ、松たか子は妹のマリヤを中心に
アンサンブルもすべてこのメンバーのみで演じていて
歌ありダンスあり、
6人の旬な俳優がそろった贅沢な作品でした。

世田谷パブリックシアターには初めて行きました。
舞台を丸く囲むような客席、
天井には青空の絵が描かれていたり
なんとなくクラシックで雰囲気の良い劇場でした。

チェーホフなんて名前ぐらいしか知らなくて
あらすじも何となく読んだだけで
チラシの雰囲気から、てっきり日本人の話だと思っていたので
いきなり歌から始まるし
主役(の役者さん)もコロコロ変わるので
最初なかなかついて行けていませんでした(^_^;

けど、とても達者な役者さんばかりで
演技も歌も安心して観ていられるし
なかなか楽しめたと思います。
3時間以上あったとは思えませんでした。

大竹しのぶさん。
したたかな老婆から若い女優まで
今回も「THE☆女優」なお姿を観ることができました。
木場さん演じる晩年(といっても44歳!)のチェーホフと
無邪気にはしゃぐ姿はとても微笑ましかったです。

松たか子さん。
凛としてカッコイイ。
やっぱかわいいなぁ〜と思ってしまいました(笑)
マリヤは本当にチェーホフのことが好きだったんだろうなぁ〜
私も兄がいますが、兄をそこまで慕う気持ちは
正直あんまり分かりません(^_^;
けど兄と親友が恋人同士とかなっちゃったら
やっぱり複雑な気持ちなのですかね。

段田安則さん。
この方の凄さがイマイチよく分からないのですが(^_^;
とてもナチュラルな芝居をされるなぁ〜とは思います。
すごく自然?そこが凄いのかな。

生瀬勝久さん。
やっぱりステキでしたvv
声がね〜どーしてもね〜いいんですよね〜(笑)
生瀬さん演じるチェーホフと
段田さん演じるチェーホフの切り替えが
ちょっとよく分かりませんでしたbbb

井上芳雄さん。
すごく良かった!
歌はさすがに巧いし、
コメディ的なヨチオ氏を観るのは初めてで
新鮮でした。
今回一番意外で良かったなと思いました。

木場勝己さん。
渋カッコ良くて、おちゃめな部分もあって
やっぱステキだなと思いました。
先にも書きましたが
大竹さん演じるオリガとのシーンが
やはりとても心に残っています。

嫌な部分が全然無くて
生ピアノの調べに乗せてほんわか心地よく
さら〜っと観られた作品だったと思います。
ちょっと三谷さんの「コンフィダント」を
思い出したりしちゃったのですけど(^_^;

黒っぽくてシンプルで、
でもたっぷりとした布使いの衣装も好みだったです。