G2produce&三鷹市芸術文化センターPresents
『ツグノフの森』

作・演出 /G2
出演/片桐仁 坂田聡 福田転球 
   杉浦理史 権藤昌弘 水野顕子
   岩橋道子 久ヶ沢徹

2007年5月6日(日)14:00 開演
兵庫/AI・HALL(伊丹市立演劇ホール) 

「彼女が昏睡状態に陥った夜、
 大地は意志を持ったかのように
 横滑りを始めた。」

巨大化した「ツグノフの森」に住む画家。
埋めたはずの父の死体を探す姉弟。
見えない動物と戯れる男。
涙もろすぎるヤクザ。
撃てない理由のある兵士。
おかしな男女が巻き起こす騒動が
やがて歯車を狂わせてゆく。
そして彼女が眠りから目覚めたとき…!?

…というのがチラシに書かれていたあらすじ。
チラシのデザインといい、この文章といい、
なんだかとてもダークファンタジーな感じで
かなり好みかも〜と思いました。
そしてキャストもめちゃ豪華☆
会場は、G2さんでは久々の小さな劇場。
こりゃもう行くっきゃない(死語?/笑)でしょう〜
ってことで、初めて伊丹まで行って来ました。

お天気はあいにくの雨模様。
しかし劇場はJR伊丹駅のすぐ目の前。
特に問題なく到着しました。
大阪から電車で1本ってのはいいですね。
開場15分くらい前に行ったのですが
当日券で観ようと来てる人もたくさんいました。
建物の入口がいきなり受付で
外で待たなくちゃいけなかったのですが
当日券の人の方が
前売りチケット持ってる人より先に入場できてたのは
ちょっと「えー」て感じでした。
席はまぁ決まってるからいいのですけど
みんな雨の中で待ってるわけで…
開場時間に当日券販売開始ってのもどうかと。
ロビーもわりと広かったので
早めにロビー開場とかしてくれても良かったのにな
とかちょっと思ったり。

開演前にトイレに行ったら
なんかすごく奥の暗いところにあって
なんとなく怖いなぁ〜とか思ってたら
あとで後ろの席の人たちが「ここ、出るらしいよ」
てな話をしていて、
「やっぱりかっっ」て思いました(^_^;
特に感じる力は無いですけどね。
なんとなく、暗いんですよ。雰囲気が。
たぶん電気代ケチって照明少ないからじゃないかと
思うんですけど(笑)
非常口の表示も曲がってましたしね〜bb

まぁそれは置いといて、(長いよっっ)
いよいよ開演。
ベルの音やアナウンス等は無し。
開演前に流れていた音楽が徐々に小さくなり
客電も落ちて、小鳥の声…

ある日、謎の地殻変動が起こり、日本の中がぐちゃぐちゃに。
札幌は夕張に、札幌のあった場所は原っぱに。
都庁は民家の庭に移動し
三鷹にはあらゆる木々が集結し、大きな森が出来た。

その森の中心で、目覚めぬ恋人の介護をしながら暮らす
真っ白い絵しか描けない画家(片桐)。
その画家に白以外の絵を書かせようとしている
人情深いヤクザ(坂田)。
自分の庭にあった柿の木を探してやってきた姉弟(岩橋/杉浦)。
見えない生き物と暮らす過去を忘れた男(福田)。
目覚めぬ彼女に何かありげな銃を撃てない兵士(久ヶ沢)。
なぞの生命体?(権藤)。
などなど
みな何か心の奥に闇を抱えてそうな人々が
森の置くの家に集まった。
その頃から、何かが変わり始める。
そして彼女(水野)が目覚めた時…

てのがホントのあらすじ?
あんまり違わない?(^_^;

笑いはたしかにたくさんありましたが
戦争がおきたり殺人がおきたり、
監禁だったりレ○プ?だったり
結構ドロドロした内容で
あんまりコメディーって感じではありませんでした。

あとこの、意味深な「眠り続ける彼女」
の扱いが、イメージとはかなり違ってました。
どう違ったかは書きませんけどw

決定的な事は描かれず、
語られる台詞や動きから想像しなくてはならない。
あれ?あれは結局どうなったの?
みたいなものがいっぱいで
結局ほっぽったまま終わったり。
んーなんでしょう〜
そおいうの、嫌いじゃないんですけど
ちょっと消化不良な感じは残りました。
「ここはハッキリさせて欲しい!」
てところがぼかされて、
そうでもないところだけハッキリしたりね。

あと、椅子がパイプではないのですがそんな感じのだったので
途中からもう腰が痛くて腰が痛くて…
集中できなかったのが残念だったです。

片桐仁さん。
画家役、というのはピッタリでした。
片桐さんて芸大出身なんでしたっけ?
芸術家っぽいですよね。
今回、「ラーメンズの片桐仁」ではなく
「役者」片桐仁で
てG2さんに言われたとのことですが
私はラーメンズもまだそんな観たこと無いので
どこがどう違うのかは分かりませんでした(^_^;
けど、主役にしてはちょっと地味だったかなぁ〜と思います。
普通に見えるけど実は結構病んでるって感じが
ラストもっと見られると良かったなと思います。

坂田聡さん。
気のいいヤクザ(笑)
坂田さんて、すごくいいひとな気がします(笑)
いつも一番忙しそうで大変そうなのですけど
今回もテンション高くて大変そうでした(^_^;
すごくいい人で一番まともな人なのに
最後は可哀想だったです。

福田転球さん。
実は今回の主役は転球さんじゃないか、と思えるくらい
重要な役でした。
2重人格的役なので(他にも何役かやるけれど)
いろんな面が見られて良かったです。

杉浦理史さん。
初めて見た方。結構個性的。
でもこの役にはとても合ってたと思います。

権藤昌弘さん。
この方も初めて。
ひとつひとつの役はちょこっとだけど
何役もあって大変そうでした。
メインの役は結構キーな感じ?
結局なんだったのか不明(^_^;

水野顕子さん。
ほとんど寝っぱなし(笑)
これも意外と大変なのかな、と思ったり
だってもちろんホントに寝てはいけないし(笑)
動かず、他の人の芝居に集中はしないといけないし。
起きてからのイメージ壊されっぷりが意外で良かったです。
下着姿もなんとも艶めかしかったです。

岩橋道子さん。
この方の、追い込まれた感じの演技って
結構リアルな気がして、こちらも息がつまります。
なんだろ。
嫌いじゃないです。

久ヶ沢徹さん。
この独特の雰囲気、いいですね。
迷彩服も似合ってました。
のほほんとした感じながら実は結構な悪人?

関西公演千秋楽だったので
カーテンコールで役者さんの紹介がありました。
片桐さんは共演者の名前忘れてたりでクダグダでした(^_^;

今回めずらしく戯曲の販売があったのですが
G2さんのインタビューを読むと
「文字でないと分からない部分がある」とか。
そんなの反則だよ〜っって感じ?
今回はDVDも買おうかどうしようか迷い中なので
戯曲まではかなり微妙です(^_^;

「痛くなるまで目に入れろ」より良かった
って意見もちらほら見ましたが
どーかなー私はあっちの方が好きかも。
演出がすごくカッコ良かったし
終わり方もぞっと出来て良かったです。
今回のは…
もっともっと錬って再演とかあったら
より面白くなるかもって気もします。

でもG2さんには
またこおいう小劇場的な作品も、作って欲しいです。

そいえばまたまた感想検索していて
やはり(?)片桐さんのファンの方、多いですね。
「演劇初めてでした」って人がいっぱいで驚きました。
普段G2作品とかよく見ている人の感想もいっぱい読みたいです。
これは、観た後、語り合いたい作品かも。
人それぞれ解釈とか違いそうだから。

あと、舞台が三鷹だったので
三鷹の劇場で観たかったです。