『道元の冒険』

作/井上ひさし
演出/蜷川幸雄
音楽/伊藤ヨタロウ
出演/阿部寛 栗山千明
   北村有起哉 横山めぐみ
   高橋洋 大石継太
   片岡サチ 池谷のぶえ
   神保共子 木場勝己

2008年7月19日(土)19:00開演
東京/Bunkamuraシアターコクーン

時は寛元元年(1243年)。
日本曹洞宗の開祖・道元によって開かれた宝林寺では、
開山7周年の記念に弟子の禅僧たちによる余興
『道元禅師半生記』が上演されようとしていた。

このところ道元は、ひどく頻繁に夢うつつの世界に迷い込んでしまう。
夢の中で彼は彼でなく、
いつの時代か、婦女暴行の容疑で拘留中のひとりの“男”になっていた。
一方、現実の世界でも道元は、
既存の仏教に否定的で新仏教を立ち上げたことにより
幕府や朝廷、比叡山の僧兵たちから睨まれ、その圧力に動揺を隠せない。
誠の教えを求め、悟りを開いて世情を超越したはずの道元だが、
過去と現在、不可解な夢を彷徨いながら、
いつしかその心を迷いの渦に絡めとられていく――。

ひとことで言って、かなりキツかったです(>_<)
特に二幕は睡魔との戦いであり
腰とかも痛くてめちゃ長く感じました。
音楽も楽しくて(ヨタロウさんの曲好きだし)
早変えも凄かったし(この辺は笑ったし)
面白い要素は沢山あったと思うんですけど。
周りも結構ウケてたし。
だけど、私の頭には本気全っ然入ってきませんでした。
なぜだろう。。。

歴史のことも道元のことも
全く知らなかったのも一因かもしれません。
もうちょっとでも歴史を知ってれば
もっと楽しめた気がします。
場面や時代がどんどん変わっていくし
歌の歌詞があまり聞き取れないので
何やってるのかよく分からなかったんですよね。

この、井上ひさし×蜷川幸雄のコンビの前回作品
「藪原検校」も合わなくて辛い思いをしたのだけど
どうやらかなり相性が悪いみたいです(^_^;
同じ井上さんでも、こまつ座作品も2回程見て
これは結構面白かったし
蜷川作品も別にそんな嫌じゃなかったので
この二人が合わさるとダメ、てことなんでしょうか(笑)
次回の上川隆也さん出演のも
観てみたいなと思ってるんですが…どーしよかなー(^_^;

阿部寛さん。
途中舞台上で殆ど座禅組んでるだけ、てシーンがあり
この役が阿部さんである必要性が感じられませんでした。。
なんか勿体ない気がします。

栗山千明さん。
初舞台だそうですが、なかなか良かったと思います。
可愛かったし。
だけど、これまたこの方でなければいけない役でも無かったと思うので
初舞台がこれでいいのかなーとは思いました。

北村有起哉さん。
相変わらず「ええ声」でした♪
おもしろな役もいっぱいで楽しそうでしたw
ゆっきー見れただけで良しとします(笑)

木場勝己さん。
大好きです。
声も良いし、すごく落ち着きます。
お茶目な一面も見られて嬉しかったです。

今回セットなど殆ど無く
殆ど素舞台みたいなところで演ってる中、
途中本物のニワトリが出てくるシーンがあり
それが逆さ吊りにされたりしてて
可哀想だなぁと思いました。
「薮原検校」の時もですけど
シンプルな美術の中で、一部だけ妙にリアルなトコロがある
っていうのが好きなんですかね、蜷川さんは。
けど、どーしてもそうである必要を感じられませんでした。

以前、長塚圭史さんが初めてコクーンで演ったとき
「これはコクーンには相応しくない」
ていう声を多々聞いたのですけど
果たしてこの作品とあの作品とかどう違って
こちらは相応しくてあちらが相応しくないという理由が
正直言って分かりませんでした。
好きな人には本当に失礼なんですけど
どーしてもその良さとか凄さが分からないんですよね。。

残念ですけど。