サンケイホールブリーゼ柿落し公演
『冬の絵空』

作/小松純也
演出・上演台本/鈴木勝秀
出演/藤木直人 橋本じゅん 中越典子
   中村まこと 片桐仁 伊達暁
   新谷真弓 六角慎司 内田滋
   小松利昌 前田悟 武田浩二
   八十田勇一 松尾貴史 加藤貴子
   生瀬勝久

2008年12月14日(日)17:00開演
大阪/サンケイホールブリーゼ

生きることは絵空事、束の間の妄想にすぎない。
うつつか夢か、光か影か、桜か雪か……真を求めて偽に出会う。
舞台は百花繚乱元禄の世。
あの「忠臣蔵」が、今、虚実の狭間に蘇る。

時は元禄。
人気役者・沢村宗十郎(藤木)は豪商・天野屋利兵衛(生瀬)に、
娘のおかる(中越)を嫁にしたいと嘆願するが、まったく相手にされない。
大石内蔵助(橋本)は城主・浅野(中村)の切腹、お家取り潰しが決まった後も、
討ち入りにはやる家臣たちを抑え、まだ討ち入りの機は熟していないこと、
そして各々の身の振り方を考えるよう説く。
天野屋は赤穂の家臣たちが討ち入りすることを期待していた。
しかし、大石にその意志がなく
赤穂浪士の評判も落ちていることを嘆いた天野屋は、
一計を案じ、宗十郎に、あることを条件におかるを嫁にやると持ちかける。
それは、宗十郎扮する偽の大石内蔵助に悪者退治をさせ、
赤穂浪士たちの評判を回復させるとともに、
討ち入りへの機運を盛り上げることであった…。

サンケイホールブリーゼは新しい劇場。
リニューアルオープンということですが
以前のには行ったことがないので
こんなところにこんな劇場が!て感じです。
白を基調としたホワイエ
客席は黒でシンプルでカッコ良かったです。
ステージは天井がとても高くて
奥行きもあっていろんなことができそうたなーと思いました。

またまた1列目ど真ん中の席で
みなさんの表情とかよく見ることができました。

この作品は、20年ぐらい前に、生瀬さんが所属していた「そとばこまち」という
劇団で上演されたものの再演だそうです。
そとばこまち版は見ていませんが、とても評判の良かった作品と聞いていて
決まった時からとても楽しみにしていました。
原作の小松さんはこれが処女作で、20歳のときに書かれたとか
そう思うと、すごすぎるっっと思ってしまいます。

ただ、私の中で、この作品をどういうスタンスで観ればいいのか
はっきりと決めかねてしまい、いまいち入り込むことが出来ませんでした。
シリアスなのか、コメディなのか。
決してコメディでは無い、むしろ悲劇を扱っているのだけど
でもとてもコメディタッチな場面もあり
もちろん、ずっとシリアスでなければならない、ということは無いのだけど
そのバランスが微妙で、戸惑ってしまった
という感じです。

登場人物も、たぶんじゅんさん演じる大石が主役だと思うのですが
藤木くん演じる宋十郎も主役といわれ
赤穂浪士の堀部だけ妙に目立ったりもしていて
かといって群像劇という感じでもなく
誰に感情移入して見ればいいのか
そこもちょっと戸惑ってしまいました。

個々の役者さんはとても良かっただけに残念です。
あと2回観る予定なので
次からはストーリーが分かっているぶん、
より入り込んで観られるんじゃないかと期待しています。

藤木直人さん。
36歳にして初舞台。
頑張ってましたね。
悪くなかったと思います。
ただ、いきなり時代劇で主役級
というのはちょっと無理があったというか
可哀想だったんじゃないかなーって気はします。
難しいですもん。やっぱ。
あと藤木っちは全然悪く無いと思うのですが
この人のファンらしき人達は
正直ちょっとウザかったです。
彼が出てきただけで微妙に色めきだち
彼が見栄を切ったときだけ拍手をし
そーいう人達が前列中央に固まっていて
なんかちょっと浮いてました。
私の後ろの人も芝居中隣の人と喋ってるし
観劇初心者な人も多いのかもですが
こーいう映像の人気者が出てくると
どーしてもなんだかなーとなってしまうのが
本当に残念です。
藤木くんは悪くないんですけどね(^_^;

橋本じゅんさん。
カッコ良かったですねー
シリアスじゅんさんw
新感線ではなかなか観られない
がっつり芝居のじゅんさん好きですvv
大石も悲しい役でした。
でもちょっと嫌な奴な面もあり
だからいいのかなー
でも、もっといい人だったら
もっと感情移入できてラストもっと悲しかったのにな。
あんまり同情できないんですよね。。

中越典子さん。
可愛いしカッコ良かったです。
おかるも、大石と宋十郎とどっちがホントに好きなのよっっ
て感じで、いまいち感情移入できなかったですねー
もうちょっと切ない、悲しい役にできたと思うのに。

中村まことさん。
大好きです(笑)
まことさんは悪い浅野役。
浅野が悪役ってのが珍しいような気がするのですが。
悪い役のまことさん、めちゃ似合ってます(笑)
でも結局は憎めない感じにしてしまうのが
まことさんだなーって思います(笑)
その他にも色々やられていて
芸者役とか笑えましたw

片桐仁さん。
キリシタンなので人のままだと殺されるから
生類憐れみの令を逆手にとって
犬の振りをして生きながらえている男の役。
ほとんど「わんわん」としか言わないのだけど
何か物語の重要な鍵を握ってそうで
けど結局?て感じでした(^_^;
ポスターとかにも出ている犬のかぶり物のデザインも担当。
さすがです☆
このデザインのシルバーリングがグッズで出ていて
すごく欲しいのですが
完全受注生産の13,000円で、今悩んでいます(^_^;
ごついシルバーリング大好きなんですよねー
でも13,000円はなぁー
通販してくれればいいんですけど会場での予約のみ。。
うーん。広島公演まで悩みます(^_^;

伊達暁さん。
いろんな役を演られてましたが
最後の大立ち回りがめちゃカッコ良かったですvv
阿佐スパ以外での伊達ちん。久しぶり。
伊達ちんが堀部でもありだな、てちょっと思ったのですけど。
あーでも堀部だとあんまり殺陣が無いか。
松尾キッチュとの絡みで面白シーンがあり
松尾さんと粟根まことさんがダブルキャストなので
粟根さんとの絡みも楽しみですw

新谷真弓さん。
なぜか男役。赤穂浪士の一人。
なぜこの方がこの役で出ているのか
正直全然解りませんでした。
少年みたいな人が実際いたのか
途中、一人の浪士にめちゃ嫌われている
って場面があるのですが
それも何故だか解らなくて
疑問が残りました。
この方自身は可愛かったですけど。

六角慎司さん。
色々演られてました。
浪士以外の役の方が面白かったかな
ずっと気になってるんですが
この方と、六角精児さんって関係あるんですか?(^_^;

内田滋さん。
堀部安兵衛役。
正直こんな大きな役だと思って無くてビックリ(^_^;
ちょっと貫禄てか迫力ってか存在感薄めかなぁ。。
て感じなのが残念でした。
伊達ちんと役チェンジしても面白いかも
とここでも思ってしまいました。
悪くはなかったですけどね。

小松利昌さん。
直前にタニマチ金魚のDVDを観ていたので
なんとなく親近感(笑)
個性的な顔だなーと思いながら観ていました(笑)

前田悟さん。
やっぱ殺陣がカッコ良かったですvv
伊達ちんとの立ち回りは美しかったですvv
(ってあってるよね?(^_^;)
前田さんと武田さん、
どっちがどっちか判らなかった部分もあるけど(^_^;

武田浩二さん。
この方もアクションクラブの方なのですね。
すみません。全然知りませんでした(^_^;
次はもちょっと認識できるようになってたいです(笑)

八十田勇一さん。
時代劇メイクの所為か
最初誰だか判りませんでした(^_^;
最初、同じ事務所の山西さんがいるかと思ったらいなかったbb
ヤソチンだったのかな(^_^;
あんまり目立ったトコ無くて勿体なかった気がします。

松尾貴史さん。
面白かったです。
もっと暴れて欲しかったけどw
松尾さんの吉良って似合うと思います。
ダブルキャストの粟根さんとは
全然キャラ違うと思うので
粟根さんの吉良も楽しみです♪

加藤貴子さん。
この方もよく知らないので
扱いが大きくて不思議でした(^_^;

生瀬勝久さん。
さすがの安定感。
面白いところも、シリアスなところも
安心して観ていられました。
けど、天野屋がなぜあんなことを企てたのか
最後はどうしたかったのか
いまいちよく解りませんでした。

今回の舞台美術は二村周作さんて方が担当されてますが
この方、長塚作品の美術もよくやられていて
(先日のSISTERSの美術も素晴らしかったvv)
私はこの方の美術がとても好きなので
今回もとてもとても良かったです。
雪とか桜とかとても美しかったし。
特に最後のシーンは溜息が出るくらい美しくて
そうなるんじゃないかって予想はしていたけど
それでも感動でじーんと涙してしまいました。

やっぱり全体的に、微妙におしいっって感じなんですよね。。
なんていうか、こう、あれこれ散漫で
うまく言えないのですが
ビシっと落ち着くべきトコロが曖昧というか
脚本の所為なのか演出の所為なのか
本当にすごく惜しいって感じで・・・
あーもどかしいっっっ
あと、言葉遣いとかが難しいところもあったり
忠臣蔵自体のストーリーをなんとなくしか知らないので
その辺も入り込めなかった一因かもしれません。
美術とか照明とかホントとても美しくて
雰囲気は好きな感じだっただけに
本当に残念。
てか次はもっと入り込みたい!です。

この日はちょうど討ち入りの日。
カーテンコールとかで何か無いかな?と
少し期待してたのですが何もありませんでした(^_^;
コメントとかあったら良かったのに。

余談ですが、ここで阿佐スパの「桜飛沫」をやって欲しい
とこの天井の高いステージを見た瞬間から思ってしまいました(^_^;
やってくれないかなー