中之島演劇祭2008
転球劇場
『猪瀬薫子〜ラストデイズ、ラストライス〜』

構成/転球劇場 山内圭哉
演出/転球劇場 山内圭哉
出演/福田転球 高木稟 橋田雄一郎

2008年5月5日(月・祝)14:00開演
大阪/新・ABCホール

転球劇場は
ずっと観たいと思いつつ解散まで結局観に行けなくて
残念に思っていたので
早くの復活、とても嬉しかったです。
しかも演出に山内僧正が加わるということで
より楽しみにしていました♪

会場の新・ABCホールはできたばかりの劇場
ウッドデッキみたいなテラスだったり
黒っぽい内装で
オサレな感じでした(笑)

今回は「中之島演劇祭2008」というイベントの
参加作品であり
この新・ABCホールのこけら落とし公演でもありました。
中之島演劇祭は前回は空き地にプレハブ建てて
テントでスープが振る舞われたり
なんか普通と違うって感じで
地味だったけどワクワク感もあったんですが(笑)
今回はあんまり「お祭り」て感じでは無かったですね〜

ストーリー。。

ある夏の海辺
ボロボロの海の家?にはボロボロの子供(高木)
サラリーマン風の男1(橋田)が
ある日突然出ていったという女を捜してやってくる。
特長を伝え見なかったかと訊ねるが子供は知らないと言う。
そこへ海からやってくるもう一人の男2(福田)
「もしかしたらあの女かも…」
ただでは教えられないと言う男とゲームをすることにするが
他二人は全く真面目にやる気ナシ。
意味のないゲームの繰り返しに怒る男1だが
だんだんと他二人のペースに巻き込まれていく。
そうこうしている内に
ひょんな事から捜している女が
実は子供の母親だったということが判明。
戻ってくるはずという言葉を信じ待つ男1。
実は男1は女に毎日暴力を振るっていたことが分かる。
怒る男2。
しかし子供は男1を許すという。
男1は反省し、女が戻ってきた時の為の
シミュレーションを行う。

夕方になり男2は海に帰るという。
実は男2は河童で、もう二度と会うことは無いだろうと言い
男2は去っていく。
2人だけになる男1と子供。
「これからどうするの?」と問う子供に
「そりゃ待つさ」と答える男1。
しかし、実は女はもう何日も戻ってきていなかった。
「絶対戻ってくる」と信じる子供に
「騙したな」と逆上する男1。
「女が持って出た通帳と印鑑を出せ」
と家の中に入っていく男1。
ロープを手に後を追う子供。。

しばらく後
出てきたのは子供だけ。
そこへふらふらと帰ってくる女。
家の中を見て
「よくできました」
にっこりと微笑む。
嬉しそうに笑う子供。

了。

めずらしくあらすじを書いてしまった…(笑)
いや何となく、全部書かないと意味分かんない気がして。
短いストーリーですしね。

感想。。

なんていうか…
なかなかにブラックなお話でした。
以前の転球劇場の作風を知らないのですが
かなり山内テイストが入ってるのではないかと思いました。
恐いんですよね、僧正の書く話って。。。
最初からかなりの流血、流血で
それがなんとも意味が無く思えて
私はどうも嫌でした。
隣のカップルとか血が出るたびに大爆笑で
会場中もほぼ笑ってたと思うんですけど
私は、、、笑えませんでした。
他にも笑える場面はたくさんあるのですけどね。
ブラックなのも血が出るのも駄目じゃないけど
こーいう、ただ笑わす為?だけみたいな暴力は好きじゃないです。

終わり方は嫌いじゃなかったですけど。

途中のグダグダな感じもまぁ予想内ではありましたけど
んーーーーー。。
ちょっと想像してたのとは違う作風で戸惑いました。

もっとカラッと面白い感じだと思ってたんですけどね。

あ、ちなみにタイトルの「ラストライス」というのは
炊いて何日も経ったご飯のことで
周りはカチカチだけど中は柔らかく
意外とイケる?ということになってました。
女はほぼ育児放棄のような生活をしていて
子供はそんなご飯をいつも食べてたようです。

なんか、切なし…です。

福田転球さん。
他の作品でたくさん見ていて大好きな役者さんです。
今回全編パンツ一丁でした(^_^;
髪の毛も緑にして
汗いっぱいかいてハジけてました(笑)

高木稟さん。
初めて見ます。たぶん。
飄々として面白かったです。
この方(の役)が歌う変な歌が頭回りそうでした(笑)
血まみれになったり
腕が動かなくなったり
恐かったです。。

橋田雄一郎さん。
この方もたぶん初めて。
見てる間、実は高木さんと橋田さんは
どっちがどっちか分かってませんでした(^_^;
名前と顔が一致して無くて…bb
まぁもうこれで覚えましたけど。
おとなしそうな感じなのに
いきなり暴力振るうのとかやっぱ恐かったです。。

あともう一人女優さんが最後だけ出てくるのですけど
3人出ずっぱりでお疲れさまでした。

カーテンコールで
また近い内に演やらきゃね、と言われてました。
今度は楽しいお話がいいなぁ〜

パンフレットは1枚モノの裏がポスターになってる形で
転球劇場メンバー+山内さんのインタビューが載っていて
まだ全部読んでないのですが
思った以上に真面目に書かれていて驚きました(笑)
もっとふざけてるかと思ったので(^_^;
しっかりじっくり読みたいと思います。

貰ったチラシの束に
山内さんの「パンク侍、斬られて候」再演の仮チラがありました。
前回の中之島演劇祭参加作品。
「大阪のみでやる」というところに意味のあった作品
だと思ってたけど
今度は東京や他の地方にも行くそうです。
広島にも来るかな…
あとキャストも気になります。
これこそ万人受けしなさそうな話ですが(^_^;
嫌いじゃないのでもっかい是非観てみたいです。