新感線プロデュース
いのうえ歌舞伎☆號
『IZO』

作/青木豪
演出/いのうえひでのり
出演/森田剛 戸田恵梨香 田辺誠一
   千葉哲也 粟根まこと
   池田鉄洋 山内圭哉
   木場勝己 西岡徳馬 他

2008年2月17日(日)12:30開演
大阪/シアターBRAVA!

安政元年(1854年)
身分制度の厳しい土佐の地で、
足軽の岡田以蔵(森田)に剣を習う術などなかったが、
そんな以蔵の運命を、郷士・武市半平太(田辺)が変えた。
武市は以蔵に自らの道場で剣術を学ばせてくれたばかりか、
江戸へ剣術修行に随行させてくれると言う。
「武市先生に、俺はすべてを捧げるぜよ」と、
以蔵の目はギラギラと光った。
やがて以蔵は文久の世になって以降、
土佐勤王党の面々と共に数々の要人の暗殺に携わり、
「人斬り以蔵」と人々に怖れられ、
幕末の暗殺者としてのみその名を馳せていく。
そんな中、薩摩の人斬り田中新兵衛と親交を深めていくが、
田中の死に以蔵を慕うミツ(戸田)が深く関わってしまう・・・
そして何より、以蔵が知らなかったのは、
彼を犬のように扱い、棄てていくことになるのが、
他ならぬ武市その人であるということだった。

1列目センター寄りという
めっちゃステージ近っって席で観てきました。
新感線ぽくない(?)かなりしっかりした
ストーリー重視の作品でした。
「新感線」て付けなくていいんじゃないかな?
て感じもしたりして(^_^;
脚本を書いた青木豪さんの劇団「グリング」は
一昨年くらいにすごく評判を聞いて
1回だけ観に行ったのですが
たしかに人間ドラマって感じの作品でしたね。
今回もそれぞれの人物の心の機微とか感じられて
とても良かったです。

幕末のこの頃のお話って
ドラマや映画でもよくやっていて
坂本竜馬とか武市半平太とか勝海舟とか
よく聞くのだけれど
私自身はなんとな〜くしか知らなくて
尊皇攘夷とか開国派とか言われても
正直どっちがどっち?て感じでノ(^_^;
けど、10代とか20代の若者が
命がけで世の中を変えようとしてたってのは
すごいことだよなぁ〜と思います。

以蔵みたいに純粋に人を信じられるのも
なかなか無いよなーてか
なんで利用されてるだけって分かってるのに
そんなに尽くすの????て思っちゃって
あんまり感情移入できませんでした(^_^;

森田剛くん。
岡田以蔵。
舞台で観るのはたぶん初めて。
ドラマもあんま観たこと無いので
演技するトコ自体ほぼ初めて観たと思うのですが
なかなか良かったと思います。
私の中の「以蔵」ともイメージ合ってたし。
「人斬り以蔵」とかいいながらも
馬鹿で人懐っこくて
すごく可愛い以蔵でした。
それだけにラストは切なくて切なくて・・・
最後、私の上にもマンサクの花びらがたくさん降ってきて
涙が出ました。

戸田恵梨香ちゃん。
以蔵の幼なじみ、おミツ。
初舞台、ということでしたが
全然良かったです。
可愛かったし堂々としてたし
ミツという役も、可哀想だったですね〜
最後心の中で
「あーーー飲んじゃだめ(>_<)っっ」
と本気で思ってました(笑)
これからも
いろいろ舞台もやって欲しいです。

田辺誠一さん。
武市半平太。
んーーーー私は、あんまり好きじゃなかったですbb
らしくないといいますか・・・
あんま似合ってなかった気がします。
あと、方言だからか
セリフまわしもしっくり来てなかったというか・・・
まぁ武市という役自体が
あんまり好きじゃないからかもですけど(^_^;

粟根まことさん。
勝海舟。
ちょびっとしか出てこなかったのが残念。
イキな勝さん、カッコ良かったですけどね〜
あと、最初ガヤで出演されてて
まさかこの役だけ?!てビックリしました(笑)
演劇モバイルサイトでの
粟根さんの連載の中で書かれている
「今週のイケテツ」が楽しみでした(笑)

池田鉄洋さん。
坂本竜馬。
すごく似合ってましたvv
おちゃらけてる時もキュートだったし
そこからスーっと真面目な表情になる時とか
カッコイイvvって思いました。
途中ボロボロになって出てきて
埃を払うシーンがあるのですが
私の目の前で、咳き込まないかドキドキしました(^_^;
カーテンコールでも目の前に来られて
かなりドキドキでガン見できませんでした(笑)

山内圭哉さん。
田中新兵衛。
今回の僧正はおもしろさは封印してて
真面目なカッコ良い感じでしたね。
まぁそれでもちょっとおちゃめなトコもあるんですけど。
カッコイイ僧正は本当にカッコ良いのですが
ちょっと物足りない気もノ(笑)
最後、以蔵に陥れられて切腹する時
血糊の入った袋が見えちゃいました(^_^;

木場勝己さん。
志士たちの集まる居酒屋の亭主、寅之助。
いやぁ〜やっぱり違いますね!
木場さんが喋ると空気が変わるといいますか
締まるといいますか・・・
最初、みんな方言で結構叫びあうようなのが多くて
正直あんまり良いと思えなかったんですけど
木場さんはすごく自然で落ち着きました。
さすがです。

最近?の新感線は、
映像を使った演出が多いと思うのですけど
今回もとてもたくさん使われていました。
役者さんと映像のシルエットが重なって転換したり
絶妙のタイミングで凄いなぁと思いました。
が、、、
自分はあんまり好きじゃないです(^_^;
前回の「犬顔家〜」の時も映像が多用されていて
なんか、舞台観に来てるのになぁ〜て思ったのですが
今回も思いました。
特に今回は最前列で観にくかったのもあるかもですが・・・
ケラさんみたく
OPとかでカッコ良く使われるのは好きなのですけど
あんまり使われすぎるのは、、、
DVDとかになるとまた違うのかもですけど。

あと、血がいっぱい飛び散ったり
首がゴロゴロ落ちるのもちょっとノ(^_^;
リアルといえばリアルなんですけど。。
新感線にあんまりリアルは求めてないかなぁ〜
なんてなんて、、、bb

まぁとはいえ全編ガッツリした男芝居で
重たい作品だけれど長さを感じず観ることができました。
史実だから仕方ないけど
も少しハッピーな部分もあったら良かったなぁ〜
あと竜馬と勝さんの最期もあると良かったです。