based on 女殺油地獄
『ネジと紙幣』

作・演出/倉持裕
出演/森山未來 ともさかりえ
    長谷川朝晴 江口のりこ
    細見大輔 野間口徹
    満島ひかり 小林高鹿
    田口浩正 根岸季衣 ほか

20091012日(月・祝)13:00開演
大阪/イオン化粧品シアターBRAVA

家業である部品工場を手伝わず
遊んでばかりいる行人(森山)。
家族は愛想を尽かしているが、
行人の幼馴染で姉のような存在の
桃子(ともさか)だけは、
面倒をおこす行人を見捨てることなく、
その都度叱ったりなだめたり。
そんな桃子も、
傍目には仲むつまじく見える
夫と子供との関係に悩み、
なにか満たされない気持ちを抱えていた。

花火大会の夜。
行人は入れあげているキャバ嬢が、
自分以外の男・赤地(長谷川)と
花火を見に来ると知るや激怒し、
男を蹴散らしてやろうと襲撃の計画をたてる。
軽い威嚇のつもりが、悶着の末、
誤って半殺しにしてしまう。
奇跡的に怪我から回復した赤地。
暴力沙汰の一件をきれいさっぱり忘れてしまったように、
行人に儲け話を持ちかけてくる。
不穏な空気を感じつつも、
これまでとは次元の違う悪事に
引き寄せられていく行人・・・。

なぜ行人は、桃子を殺さなくてはならなかったのか?







まっっったく救いのない話でした(^_^;
笑えるシーンはたくさんあるんですけど
観終わったあとはどんよりです。。。
原作となった「女殺油地獄」を知らないので
まっさらな気持ちで観たのですけど
「なぜ行人は桃子を殺さなくてはならなかったのか?
の疑問は解消されませんでした。
パンフにも作演の倉持さんが
「過程の物語」と書かれてるのだけど・・・
行人はただのダメダメ人間で
「なぜそんな風になってしまったのか」
という点は描かれて無いんですよね。
ただただイラついていて空回って悪い方に行ってしまう
ていうか。
桃子にしても、結局どんな人間なのか解らないし
登場人物それぞれが問題を抱えていて
いろいろ裏がありそうなのに描かれていない。
作品として、別にそれでも全然いいんですけど
どこにも救いが無い悲劇は
とても悲しい気持ちになりました。
それでも千秋楽だからか
カーテンコールは何度も呼び込みがあって
スタンディングオベーションにもなって
ちょっと違うかなーて思いました。
みなさん熱演でそれはもちろん良かったんですけど。
余韻を残して静かに終わってもいいんじゃないかな
と思いました。

照明や美術や音楽はとても良かったです。
結構大掛かりでしたし。

会場のシアターBRAVA!には何度も行ってますが
今回初めての光景に驚きました。
物販の列が、ものすごく伸びて
女子トイレの入り口の方まで行ってたのです
(
て行ったことない人には分からない思いますがbb)
張り紙や係りの人が「パンフは売り切れるかも」と
煽っていたので、その影響かとも思うのですけど(^_^;
私は最初、並んでまではいいや
と思って先にトイレに行ったりしてたのですが
ざっと見た感じ買えそうだったので並んで買いました()
終演後もあったかは不明ですが
早々に売り切れることは無かったと思います。

あと、お客さんで森山未來くんにそっくりの人がいて
ビックリしましたっっ
関西だし、もしやお兄さん?とか思っちゃいました()
未來くんにお兄さんがいるかどうかは知らないですけどね(^_^;


森山未來くん
ストレートプレイ初ってことでしたが、
元々ドラマや映画とかから知ったので
全然普通でした(^_^;
むしろ、ミュージカルとかのが意外でしたから()
似合ってました。

ともさかりえさん
やわらかい雰囲気はいいなと思いました。
それが、最後「やっぱあんたはダメなのよ」
的な台詞を言う時だけ変わって低い声になって
そこがとても良かったです。
毎日毎日されて大変だなぁと思いました(^_^;

長谷川朝晴さん
いやぁな感じのエリート?
似合ってました()

江口のりこさん
時効警察に出てた方だって
帰ってパンフ見るまで全然気づきませんでした。
いろんな役ができる人なんだなぁ
と感心。

細見大輔さん(行人の兄)
出演されてるのも忘れてて
全然気づきませんでした(^_^;
キャラメルボックスで見てたイメージと
なんかすごく変わってて驚きました
って何年前のイメージかって感じなんですが、、
少ししか出ない役で残念です。

野間口徹さん(行人の家の工場の従業員)
この方も出るの忘れてて
でもすぐに気づいて()ビックリしました
いい役だったけど
この方もあんまり出番なくて
勿体無いなぁと思いました。
もっと何かやってくれるかと思いました。

満島ひかりさん(行人の妹)
全然知らない人でしたけど良かったと思います。
この役の背景も複雑そうでした。

小林高鹿さん(桃子の夫)
シュッとしてて()カッコよいです。
桃子との関係も、もっと掘り下げて欲しかったです。

田口浩正さん(行人の義父)
迫力ありました。
でも、切なかったです。

根岸季衣さん(行人の母)
この方生で見るのはじめてかも。
なんかとても自然でいいなと思いました。



んーやっぱ、いい役者さん揃ってたのに
なんとなくみんな出番が少ない気がして勿体無い感じがします。

なんだろな
嫌いじゃ決してないのだけど。
倉持作品としては解りやすい方だと思うんですけどね(^_^;
おんなじこと書いちゃいますけど
やっぱ、人物の内面をもっと掘り下げて欲しかったな
というのが感想です。