Bunkamura20周年記念企画
『桜姫 現代劇版 清玄阿闍梨改始於南米版』

原作/鶴屋南北
脚本/長塚圭史
演出/串田和美
出演/大竹しのぶ 白井晃 
   笹野高史 秋山菜津子
   古田新太 中村勘三郎 ほか

2009630()14:00開演
東京/Bunkamuraシアターコクーン

南米のようなとある国
セルゲイ(清玄/白井)は背中に大きな十字架を背負い
貧しい人々の為に日々神に祈っている。
しかしその過去に愛した少年ジョゼと心中を図り
自分だけ生き残ってしまったことを
ずっと悔やんでいる。

貴族の娘マリア(桜姫/大竹)はもうすぐ結婚を控えているが
生まれつき左手が握ったまま開かない。
そこでたまたま街に立ち寄ったセルゲイに祈ってもらう。
すると手は開き、そこには青い石が。
マリアが握っていた宝石は過去にセルゲイがジョゼに送った物。
同じ物をセルゲイも持っていた。
セルゲイはマリアがジョゼの生まれ変わりだと思い込む。

ある夜マリアの部屋に悪党ゴンザレス(権助/中村)逃げ込んで来る。
驚くマリアだが、実はゴンザレスが昨年自分を犯した強盗だと知る。
実はマリアはゴンザレスの体が忘れられず彼と同じ入れ墨を入れ
再び出会えるのを待っていたのだ。
しかもマリアはその時子供を宿し、出産までしていた。
再開を果たしたマリアとゴンザレスは一夜をともにする。
そこへマリアの婚約者が現れ大激怒。
ゴンザレスは逃げるがその場に落ちていた青い石から
マリアの浮気相手はセルゲイだと誤解される。

二人は谷底の最も貧しい者たちが暮らす地帯へと落とされる。
身に覚えのないセルゲイだが
マリアがジョゼの生まれ変わりだと信じているので
そのまま一緒に落とされる。

セルゲイの弟子だったココ(残月/古田)
マリアの侍女だったイヴァ(長浦/秋山)
の人生も大きく変わっていく。




歌舞伎の「桜姫」も全く知らなかったのに
脚本が長塚さんだということで、
会社休んで日帰りで観に行ってしまいました(^_^;
だって今年は長塚作品観られないと思ってたから。
でも、行って良かったと思います。

今回の舞台は変形で
普段客席がある部分に舞台が出てきています。
その前と横に舞台を囲むようにベンチシート
後ろの高い所にも客席が作られています。
これは、最初はサイドに分かれているのですが
開演すると移動して後ろに来たりします。
高所恐怖症の人には座れない席だなと思いました()
私は正面のベンチシート、2列目でした。
最初、約3時間ベンチシートってキツ過ぎじゃ・・・
て思ったのですが、
ベンチと言ってもクッションと背もたれのある椅子だったので
わりと快適でした。
舞台の下や横やいろんなところから
役者さんが飛び出してきてビックリしたり
(1
列目のおばさまはいちいち声出して驚くのでちょいウザかったけどbb)
目の前での演技、とても迫力ありました

感想は、ひと言で言うと「難しかった(>_<)」です。
元の話もそうらしいのですが、
かなりぶっとんだ()話で、
ストーリーを追っていると「え、なんでそうなるの?」
的なことも多くて一生懸命理解しようとしてると疲れました(^_^;
でも、あとから思えば、
これはもう流れに任せて
もっと目の前にある場面場面を楽しめばよかったのかな
という感じです。
もう一回観たくてたまりません。
土曜とかにして昼夜観劇にすればよかった。
あと、7月にある歌舞伎版も観てみたいです。


白井晃さん。
たぶん生で観るのははじめて。
悩める聖職者、セルゲイはピッタリの役だと思いました。
どんどんダメになっていくところも良かったです。
最後の方の迫力も凄かった。
最近は演出のお仕事の方が多そうですけど
役者もどんどんやって欲しいなぁと思いました。
個人的に「人間風車」の平川をぜひ演って欲しいです!()
あとオリジナルの長塚作品にも出て欲しいなと思いました。

大竹しのぶさん。
16
歳の少女()から老婆まで。
相変わらずザ・女優ですw
けど、マリアという存在がイマイチよく分かりませんでした。。

中村勘三郎さん。
悪者()の役、似合ってましたねw
ベッドシーンにドキドキ()
散々人を殺してきたゴンザの「死にたくねー」という台詞
なんかぐっと来ました。

古田新太さん。
言うこと無しですね()
相変わらず自由でw
あの、楽~な感じが好きです。
本当はめいっぱい演技されてるんでしょうけど。
大竹さんとのハプニングアドリブに見せかけるトコが
面白かったです。
ココの最期は切なかった。。

秋山菜津子さん。
やっぱ素敵vv
今回はマングースな演技()まで見せてくれて
ホント素敵だと思いました。
イヴァは一番まともというか
観客に近い感性の人だと思うのですが
やはり最期が切なかったです。。

笹野高史さん。
狂言回し的役から他にも何役も。
めちゃ動き回ってラッパも吹いて
大活躍でした。
この方も生で観るの初めてなのですけど
素敵だなと思いました。
いろんなところで引っ張りだこなの分かります。
演出の串田さんとは同じ自由劇場だったんですよね。
他にも自由劇場の役者さんたくさん出られてて
私は自由劇場は知らないけど
なんだかとても楽しくて良かったです。

他にも佐藤誉さんとかもとても良かったです。
あと、ルカ役の井之上隆志さんて方が気になりました。

串田さんの演出も初めてでしたが
色んな楽器(楽器じゃないものも使って)の演奏や
小さな電車が走ったりする演出も面白かったです。
予想外の驚きがいっぱいあって楽しかったです。

でも、長塚さん自身が演出した「桜姫-現代版」も
観てみたいなと思いました。

「世の中にはもう一人の自分がいて
 こっちが幸せなら向こうが不幸せに
 こっちが不幸せなら向こうが幸せになるのさ
 だから不幸せでも向こうが幸せになってると思えばいいのさ」

というような台詞があるのですが
セルゲイとゴンザレスは
この「こっちとあっち」の関係にあるのかな
と思いました。
常に死を願っているセルゲイと
死にたくないというゴンザレス
ラスト
二人が一緒に歩いていき
やがて背を向けて分かれるシーン
なんか良かったです。

全然ついて行けて無かったけど(^_^;
なんか良かったなぁと思いました。
ほんっともう一回観たいです!

副音声入りでDVD、出してくれないかな()