『その男』

原作/池波正太郎
脚本/鈴木聡
演出/ラサール石井
作曲/上妻宏光
出演/上川隆也 内山理名
   キムラ緑子 池田成志
   波岡一喜 六平直政
   平幹二朗 他

200952()27()
大阪/新歌舞伎座

その男
世の中が、いかに変わろうとも、
人間の在り方に変わりはない。

杉虎之助(上川)は微禄ながら旗本の嫡男。
生来の病弱に加えて義母にうとまれ、
そんなわが身を儚んで十三歳のとき大川に身を投げるが、
謎の剣士・池本茂兵衛(平)に助けられた。
この日が波乱の人生の第一歩だった。

その後、茂兵衛を師と仰ぎ江戸に戻った虎之助、十九歳。
叔父、山口金五郎(六平)との久々の再会。
謎の女、秀(キムラ)と出会い、
また、人生最大のライバル、中村半次郎(池田)や
生涯の友、伊庭八郎(波岡)との交友を深める虎之助は、
幕末の風雲急をつげるそのころ、京に上り、
茂兵衛が幕末の隠密であったことを知る。
師とともに薩摩の行動を探索する礼子(内山)に恋し、
それを助ける虎之助。
薩摩との暗闇は虎之助の想像を超えたものになろうとするとき、
茂兵衛は告げる。
「江戸に戻れ。礼子と所帯を持って世の流れに関わりなく生きよ。」
そして、幾ばくかの平穏とささやかな幸せのとき。
でも世間は剣士、杉虎之助を放っておくことはしなかった・・・。




泣きました。
はらはらと。
自分でもビックリしました()
正直、一幕・二幕は、ビミョーかも、、、
と思っていたのです(^_^;
でも、三幕、特にラストにやられました。
かなりツボでした()
もうみんなカッコ良すぎるよー(>o<)//


今回の劇場は、なんば駅のすぐ近くにある新歌舞伎座でした。
外観は眺めたことあったけど、中に入ったのは初めてでした。
この劇場は、今年の6月いっぱいで閉館ということで、
最後に行けて良かったです。
今後は22年に上本町・旧近鉄劇場があった場所に
移転オープンの予定だそうです。
木造?のとても時代を感じさせる造りで
無くなっちゃうのはなんだか勿体ないような気がします。

中に入ると、何故か洋服とかアクセサリーとか売っていて
おばちゃん()たちが結構見てました(^_^;
あと、ロビーが結構狭いので、広く見せるためなのか
階段などの壁に鏡が貼られていて
夜とかちょっと怖そうだなと思いました()

ホール内も結構こぢんまりした感じで
でもちゃんと花道もあっていい感じでした。
サイドの机がある席がいいなーと思いました。
私は今回7列目の少し上手寄りで
ステージは近くて良かったです。

ステージは結構広くて
日本橋とか大きなセットがぐるぐる動いて迫力でした。
東京公演の会場には花道は無かったらしくは
大阪とは違った演出だったそうです。
花道は少し遠かったので、
そこでの演技はあまり見えなかったのは残念でした。


上川隆也さん。
19
(!)から80歳くらい?まで演じられていました。
正直19歳は無理があると思いましたが(^_^;
でも、キリリとしていてさすがにカッコ良かったですvv
殺陣もいっぱい見られて嬉しかったです。
上川さんのイメージぴったりの役だったと思います。
あの時代に、武士でありながら時代と共に戦えず
皆が戦うのを見ていなければならなかったのは
本当に辛かっただろうなと思います。

幕末というと、志士たちから見た話が多いけど
こおいう視点からの作品も面白いなと思いました。

内山理名さん。
舞台2回目、とのことですが、良かったと思います。
隠密役ということで、殺陣もあって大変だなぁと思いました。

虎之助と礼子が好き合う()までが
もう少し丁寧に描かれていると
もっと良かったのになぁとは思います。

キムラ緑子さん。
モテモテな役()
最後、二人の男を止めに入るところが良かったなー

池田成志さん。
めちゃ、良かったです!
一幕は殆ど出番が無くて、残念に思っていたのですが
どんどん重要人物になっていき
最後の虎之助とのシーンはめちゃめちゃカッコ良かったです。
面白い部分もいっぱいあって、
めちゃおいしい役だなぁと思いましたw

途中、虎之助が
もしかしてスィーニー・トッドになるんじゃあ、、、
てドキドキしたのですが(^_^;
ならなくて良かったです()

波岡一喜さん。
映像ではよく見掛ける方でしたが名前は初めて知りました。
全然若い方なのに、上川さん(の役)と親友役で
平さんとかもいるし、緊張とかしたかなーと思いながら見てました()
八郎は病に犯されながらも、武士としてしっかり生きれて
幸せだったのかな、と思います。

六平直政さん。
可愛かったですねー()
やさしい叔父さんの役だったので
つねにニコニコしていて朗らかでほんわかしてたのですが
最後、ピリッとする場面もあり
やっぱ格好いいわ、と思いました。
陰山泰さんとのコンビが良かったです

平幹二朗さん。
もう、だめです。カッコ良すぎます(>ω<)
軽く話す言葉も、ひとつひとつに重みがあって
さすが!と思いました。
生で平さんの舞台を見ることができて
本当に良かったと思います。
平さん主演のシェイクスピアとかも観たいです。
そいえばパンフに書かれていたのですが
主役じゃないのって今回初めてだそうですっっ
凄いですよね。


一幕・二幕は、なんとなく、
広い舞台を使いきれて無いような気がして
演出イマイチかなぁ
んー、、、と思っていたのですけど
三幕の虎之助と半次郎の対決シーンとか
本当のラストシーンとか
もうめちゃめちゃカッコ良くて
それだけで、「いいもんみたなぁ」と思えました。
終わりよければ全て良し、です()
でも、休憩2回挟んで3時間以上の作品でしたが
長さは感じませんでした。
チケ代がもう少し安くて時間があれば
もう一回くらい観てみたかったです。

そういえば、客入れの時、会場内にはずっとJ-POPが流れていて
たぶん「桜」に関する選曲だったのではないかと思うのですが
私が入った時、ちょうどエレカシが流れていて
そこでもいきなり「ぐぐっ」と来てました()
時代劇なのにあぁいう選曲なのも面白いですよね。

あと、カーテンコールの時
虎之助の子ども時代を演った子役の子と上川さんとの
殺陣があるのですが、子役の子、カッコ良かったです。
刀をくるっと回して鞘に収めるのとか
すごいっって思いました
あんな時からやってたら上手くなるでしょうねー

あと、なるしーさんがとても柔らかい表情だったのも
嬉しかったです()
私が初めてなるしーさんを見たのは
「ダブリンの鐘つきカビ人間」の時なのですけど
この時のカーテンコールでのなるしーさんは
ものすっごくムスッとしていて
めちゃ怖かったんですよね(^_^;
役もあるのでしょうけど
あと、あの時は重度の花粉症だったと後で知ったのですけど
今回は本当に優しい表情で
それも見られて良かったです()

ネットとかでの評判がいまいちで
チケットもいっぱい余って値下げされてたり
行く前はどーなのかなぁーてちょい不安だったのですけど
私は観に行って良かったなと思いました。



観劇マナー的なことをいうと
おばちゃんたちってまるで家でテレビ見てるみたいに
何かあると「あぁっっ」とか声出して
しかもそれが恥ずかしいのかその後笑ったり
そこはちょっと嫌でした(^_^;
あと、ここ笑うトコかなぁってとこで笑いが起きたり。

登場シーンや何かの場面で拍手する
みたいのは、慣れてないのでやはり違和感でした。
ただこれはそおいうモノなのかなと思うのですけど。

全体的におじさんおばさんが多くて
平均年齢の高い観客層でしたね(^_^;

あ!あと、「劇場名物アイス最中」てのを
客席に売りに来る人がいるのにもビックリでした()