パルコ・プロデュース公演
『海をゆく者』
The Seafarer by CONOR McPHERSON

作/コナー・マクファーソン
翻訳/小田島恒志
演出/栗山民也
出演/小日向文世
    吉田鋼太郎
    浅野和之
    大谷亮
    平田満

20091223(水・祝)1330分開演
名古屋/名鉄ホール

イヴの夜、悪魔が魂を奪りに来る

アイルランド、ダブリン北部の海沿いの町にある古びた家に、
若くない兄弟がふたりで暮らしている。
兄・リチャード(吉田)は、最近、目が不自由になり、
その世話のために戻ってきたという
弟・シャーキー(平田)にも職は無い。
酒癖の悪さで多くのものを失った弟は禁酒中だが、
リチャードは大酒飲みで、クリスマス・イヴの朝も、
起きた途端に近所の友人・アイヴァン(浅野)と飲んだくれている。
陽気で開放的な性格の兄は、
シャーキーが顔を合わせたくない知り合い・ニッキー(大谷)
「クリスマスだから」とカードに誘って弟を怒らせるが、
その知り合いが連れてきた見知らぬ男・ロックハート(小日向)こそ、
シャーキーが最も会いたくない、会ってはいけない人物だった。




いやぁ見ごたえありました。
ベテランの実力派俳優さんばかり5人で
ワンシチュエーションのガッツリ台詞劇。
それもものすごい台詞量で、
しかも出てくる人の名前が外国人だし(^_^;
登場人物じゃない人の名前もいっぱいで
着いていくのも大変って感じでしたが
それでもめちゃ集中して観られました。
(二幕は少し睡魔が来たけど(^_^;

長塚圭史さんも演出をされている
マーティン・マクドナー作品と同じアイルランドが舞台。
私、ケルト音楽とかも好きなのですけど
こっちの方のお芝居も好きみたいです。
マクドナー作品も好きだったし。
なんだろな
悲惨な状況だったりするのだけど
根底に家族愛みたいのが流れていて
なんかあったかい感じがするからかもしれません。

今回の作品も
悪口言ったり喧嘩したりしてるんだけど
最後は庇ったり助けたり
ホントは愛してるんだなっていうのが伝わってきて
うるうるっときました。

基本ダメ人間の集まりなんですけど(^_^;
なんか憎めない人ばかりでいいんですよね。
そんなところが長塚作品とも似ていて
好きなのかなと思います。
もっと色々観たいです。


パンフレットにも長塚さんが寄稿しているのですが
「なんで俺に演出させてくれなかったのか」
て言われてましたけどw
長塚版の今作も、ぜひいつか観てみたいと思いました。



小日向文世さん
他のキャラと明らかに違って紳士風
けど実は・・・てな役
ぶっちゃけ悪魔なんですけど()
すっごく似合ってました。
でも悪魔って約束守るんですね()

吉田鋼太郎さん
この中で一番年下だというのに年長者役w
しかも4歳も()
けどさすがの存在感。
ずーっと何かを喋っているてかわめいてる人で
長台詞もあってシェイクスピアを思い描いたけど
古典より覚えるのが大変だったそうです。
しかも、目が見えない役なので
その演技も必要だし
ほんっと大変な役だと思いました。
弟を思う気持ちがにじみ出るとこが良かったです。

浅野和之さん
今年は生・浅野さんを2回も見れたなぁ~♪
前回の「狭き門より入れ」とはまた違った感じの役でw
メインの人の後ろでちょこちょこやってるのも良かったです。

大谷亮介さん
小日向さんと1幕終わりギリギリまで出てこられなくて
勿体無かったです。
今までの私のイメージとはちょっと違って
ちょっと軽そうな感じの人の役でした。
でも、おちゃらけてるんだけど気を遣ってる感じも出てて
やっぱ好きでした。

平田満さん
主役、なのかな
悩める主人公も似合います()
文句言いながらもお兄さんの面倒をちゃんと看て
こちらにも愛を感じました。


神とか悪魔とか宗教とか
クリスマスの大切さとか
日本人の私には分からない部分もあるのかな
とか思ったりもしましたが
あと、ポーカーのことも詳しければもっと楽しいのかなとか。
それでも、やっぱり好きだなぁと思いました。
でも本当に台詞の量がものすごくて
ただでさえ覚えにくいカタカナ名前がいっぱいで(^_^;
できればもう一度、じっくり観たいと思いました。
んでそれがPARCO劇場だったらなおよし、て感じでした。
(やっぱPARCO劇場作品はPARCO劇場で観たいです)

今年最後に(本当はもう1本あるけど)
こんなガッツリ観られる作品に出会えて良かったです。
名古屋まで遠征した甲斐がありました。

カーテンコールでは
おちゃめな大谷さんや鋼太郎さんが見られたのに
次の予定の都合で最後までいられなかったのは残念です。

でも、名鉄ホールは入っている名鉄百貨店も含め
クラシカルな雰囲気でなかなか良い劇場だと思うので
PARCO劇場に雰囲気も似てると思ったし)
機会があればまた来たいな、と思いました。