小説家・葛河梨池(光石)は
新聞書評で最新作をひどくこけ下ろされ
とてもイラついている。
その妻・悦世(村岡)は
医者であり人形作家でもある梶原(加納)の工房で
人形作りに没頭している。
しかし夫を元気付けようと、
何故か胎児の形をした料理を作り続ける。
さらに家政婦の希緒(内田)と夫を近づけようとしている。
しかし全くその気の無い葛河。
ある日葛河はネット上のとあるサイトで、
素人によるさらにひどい書評を読んでしまい
憂さ晴らしに担当編集者・野口(池田)を連れて飲みに行く。
そのバーで自分のファンという女性・満智子(小島)と出会い
彼女の部屋まで行った葛河は関係を持ち、
途中までは新しいストーリーの話などで盛り上がるが
そのうち例の最新作をけなされ、カッとなり
彼女を階段から突き落としてしまう。
安倍(中山)、若山(山内)という2人の刑事に取調べを受けるが
記憶は曖昧で、いつのまにか事件自体が本当にあったのかさえ
わからなくなっていく。
夜の街。反時計回りに過ぎていく時間・・・
満智子を突き落とした場所で出会った女(馬渕)に連れられて
葛河はとある公園にたどり着く。
そこには1人の男(伊達)が待っていた。
彼らとは初めて会ったはずなのに、なぜか知っているような気がする。
何が現実で、何が夢なのか・・・
不思議な時間と空間に迷い込む人々。。。
ついに観てしまいました。
1年半、待ちに待ってた阿佐ヶ谷スパイダース最新作。
風の噂(笑)で賛否両論なのは感じてたけど
なるべく先入観をもたずに観るよう努めた甲斐あって(笑)
何も考えずに観る事ができました。
ステージ上にはほぼ何も無く、ただただ板張り
場面場面で机が出てきたり
不思議な柱が出てきたり
それだけで、葛河の家、取調室、公園、病院など
くるくると変わる時間と空間に
いったい何がどうなってるの?
という感じもあるのだけど
その切り替わりはとても滑らかで
まったく違和感は感じませんでした。
途中、中山さんと山内さんが客席から登場したり
演出もとても面白かったと思います。
音楽もほとんど無く、静かな舞台だったけど
全然退屈しませんでした。
散々な書かれようをする葛河の最新作の内容が
阿佐スパの前作「失われた時間を求めて」と同じようで
ちょっとニヤリとしたりして(笑)
あの時も賛否両論、辛口批判も結構あったし
この葛河という作家は長塚さん自身なのかな
という気もしました
てかそれは狙いなんでしょうけど。
今回、同作品を5回観る予定ということもあり(^_^;
まずは何も考えず、流れに身を任せよう
(なんて大げさに考えたわけじゃないけど)
としたのが良かった気がします(笑)
でも、長塚さんの書く台詞は耳に心地よく
たとえ意味がちゃんと理解できてなくても
全然嫌じゃないんですよねw
最後は「え、これで終わり?」という感じもありましたが
でもやっぱり好きだなと思いました。
本多劇場は初めて行ったのですが
想像以上に大きくて綺麗でビックリでした(^_^;
初・本多劇場が阿佐スパで良かったです♪
(ちなみに初・スズナリも阿佐スパでした)
開演前、普通なら暗転直前までザワザワしてそうな客席が
その前の携帯を切るなどの注意事項アナウンスが
流れた時点でしーんと静まったのが印象的でした。
ロビーには過去の阿佐スパ作品のポスターが展示してあり
これ観たかったなぁーとか
このポスター好きだったなぁーとか
色々考えれて楽しかったです。
前の席にムロツヨシさんに似た人がいて
もしかして本人?と思ったのですが
ブログ見たら撮影中だったらしく、
別人だったみたいです(^_^;
ASP会員特典として
新しい会員証と、前作のサイン入り台本
会員向けペーパーなどもらえて嬉しかったです。
ポスターは嵩張るので先に貰うべきじゃ無かったな
と思ったんですけど(^_^;
あとパンフもとても分厚くて読み応えたっぷりで良かったです。
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