阿佐ヶ谷スパイダースPRESENTS
『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』

作・演出/長塚圭史
出演/池田鉄洋 内田亜希子
   加納幸和 小島聖
   伊達暁 中山祐一朗
   馬渕英俚可 光石研
   村岡希美 山内圭哉

2010213()13時開演
東京/本多劇場

小説家・葛河梨池(光石)は
新聞書評で最新作をひどくこけ下ろされ
とてもイラついている。
その妻・悦世(村岡)は
医者であり人形作家でもある梶原(加納)の工房で
人形作りに没頭している。
しかし夫を元気付けようと、
何故か胎児の形をした料理を作り続ける。
さらに家政婦の希緒(内田)と夫を近づけようとしている。
しかし全くその気の無い葛河。
ある日葛河はネット上のとあるサイトで、
素人によるさらにひどい書評を読んでしまい
憂さ晴らしに担当編集者・野口(池田)を連れて飲みに行く。
そのバーで自分のファンという女性・満智子(小島)と出会い
彼女の部屋まで行った葛河は関係を持ち、
途中までは新しいストーリーの話などで盛り上がるが
そのうち例の最新作をけなされ、カッとなり
彼女を階段から突き落としてしまう。
安倍(中山)、若山(山内)という2人の刑事に取調べを受けるが
記憶は曖昧で、いつのまにか事件自体が本当にあったのかさえ
わからなくなっていく。

夜の街。反時計回りに過ぎていく時間・・・

満智子を突き落とした場所で出会った女(馬渕)に連れられて
葛河はとある公園にたどり着く。
そこには1人の男(伊達)が待っていた。
彼らとは初めて会ったはずなのに、なぜか知っているような気がする。

何が現実で、何が夢なのか・・・
不思議な時間と空間に迷い込む人々。。。



ついに観てしまいました。
1
年半、待ちに待ってた阿佐ヶ谷スパイダース最新作。
風の噂()で賛否両論なのは感じてたけど
なるべく先入観をもたずに観るよう努めた甲斐あって()
何も考えずに観る事ができました。

ステージ上にはほぼ何も無く、ただただ板張り
場面場面で机が出てきたり
不思議な柱が出てきたり
それだけで、葛河の家、取調室、公園、病院など
くるくると変わる時間と空間に
いったい何がどうなってるの?
という感じもあるのだけど
その切り替わりはとても滑らかで
まったく違和感は感じませんでした。
途中、中山さんと山内さんが客席から登場したり
演出もとても面白かったと思います。
音楽もほとんど無く、静かな舞台だったけど
全然退屈しませんでした。

散々な書かれようをする葛河の最新作の内容が
阿佐スパの前作「失われた時間を求めて」と同じようで
ちょっとニヤリとしたりして()
あの時も賛否両論、辛口批判も結構あったし
この葛河という作家は長塚さん自身なのかな
という気もしました
てかそれは狙いなんでしょうけど。

今回、同作品を5回観る予定ということもあり(^_^;
まずは何も考えず、流れに身を任せよう
(なんて大げさに考えたわけじゃないけど)
としたのが良かった気がします()
でも、長塚さんの書く台詞は耳に心地よく
たとえ意味がちゃんと理解できてなくても
全然嫌じゃないんですよねw

最後は「え、これで終わり?」という感じもありましたが
でもやっぱり好きだなと思いました。

本多劇場は初めて行ったのですが
想像以上に大きくて綺麗でビックリでした(^_^;
初・本多劇場が阿佐スパで良かったです♪
(ちなみに初・スズナリも阿佐スパでした)

開演前、普通なら暗転直前までザワザワしてそうな客席が
その前の携帯を切るなどの注意事項アナウンスが
流れた時点でしーんと静まったのが印象的でした。

ロビーには過去の阿佐スパ作品のポスターが展示してあり
これ観たかったなぁーとか
このポスター好きだったなぁーとか
色々考えれて楽しかったです。

前の席にムロツヨシさんに似た人がいて
もしかして本人?と思ったのですが
ブログ見たら撮影中だったらしく、
別人だったみたいです(^_^;

ASP
会員特典として
新しい会員証と、前作のサイン入り台本
会員向けペーパーなどもらえて嬉しかったです。
ポスターは嵩張るので先に貰うべきじゃ無かったな
と思ったんですけど(^_^;

あとパンフもとても分厚くて読み応えたっぷりで良かったです。