ハーパー・リーガンは父親の危篤の知らせを受け、
上司に仕事を休ませて欲しいと懇願する。
しかし、その願いはいとも簡単に拒絶されてしまう。
その瞬間、彼女の心の「何か」にスイッチが入った。
息を呑むほどに明るい秋のある晩、
ハーパー・リーガンは家庭を、夫をそして娘を置いたまま、
あてもなくひとり歩き続ける。
出て行くことを誰にも告げずに。行く先は誰にも知らせずに。
それまでに築いた全てを賭けて自分と向き合う旅に出て、
道に迷いながら進んだ2日2晩。
その2日の間、様々な人と出会い、
ほつれた糸を解くつもりが余計に絡ませてしまったり、
あるいはあらたな「傷」を増やしたりしながら、彼女の旅は続く。
家族、愛、人生の迷い、そして女としての自分を見つめながら・・・。
そして、彼女は「旅」の終着駅である「母」と会い、
そこで彼女はこれまでの人生にこびりついてしまった垢を落とす。
そして、彼女は自分の元あるべき場所へ戻ってゆく。
土日で3公演、一気に観たのでまとめて感想を(^_^;
すごく静かで不思議な作品でした。
舞台上には大きな壁。
と思ったら箱型をしていて、
場面ごとに回転して
橋だったり家の中だったり病院だったりバーだったり・・・
時々階段があったりなくなったり
舞台ギリギリまで前にせり出してきたり
大きな家具などはなく
イスやグラスとかだけのシンプルな美術。
それでもちゃんと今がどこなのか分かるし
台詞も全ては語られない感じだったり
それでも凄く長い台詞とかもあって
1人がずーっと喋ってる
と思うと30秒もの沈黙があったり
でもその「間」がちゃんともつところが
すごいなぁと思いました。
しかし1回目の時は席も後ろ寄りだったし
あまりの静かさに眠気が襲ってきて大変でした(^_^;
2回目と3回目は1列目だったので
壁が寄ってくるとことか迫力あったりして
さすがに眠くはならなかったのですけど(笑)
あと、台詞がちゃんと聞き取れるようになってきて
あぁ、そーいうことか、と思ったり
でも語られない背景とかもいっぱいあって
解らないこともいっぱいで
観客の想像力をめいっぱい使わせる作品だな
と思いました。
ハーパーは、ずっと真面目に働きつつ主婦もしていて
お父さんが危篤だからと申請した休みも却下され
娘にも反抗されて
衝動的に家を出てお父さんの病院に向かうけど間に合わず
それで気が抜けちゃうというか放心しちゃうみたいのは解るのだけど
バーで絡んできた男をグラスで殴って
その男の着ていた革ジャンを盗み
出会い系サイトで知り合った男性と関係を結び
そのまま家に帰ってきてそのこと夫に話しちゃう
ていうのはちょっと理解不能でした(^_^;
あと、道で出遭った娘と同い年の男の子に
ストーカーしてたみたいなこと言うのも、、、
お父さんのこと、とても信じていて好きだったんだろうな
てのは解るのだけど
んで、お母さんのことは何故か憎んでいて
誤解があったことも判明するのだけど。。
私は自分の母親と仲がめちゃめちゃ良いわけでもないし
悪いわけでもなくて
父親をものすごく好きなわけでもないし(^_^;
ここに出てくる、ハーパーと娘とハーパーと母親の関係は
いまいち感情移入はできませんでした。
ハーパーは普通の主婦にしか見えなかったけど
いつも「変わってる」とか言われてるみたいだし
やはりここでは描かれていない何かがあるのかもしれません。
といって全然理解できないってことも無いので
面白くないってことはまったくなく
回を追うごとに引き込まれて
ラストはちょっとじーんと来たりもしたのですけど。
ラストシーンも美しかったです。
上記の箱型のセットの
壁の部分が上にぐぐっと吊り上げられて
中から緑の庭が現れるんです。
もうそれは魔法のよう(笑)で
うっとりしてしまいました。
そこで、ハーパーと夫と娘と
落ち着いた静かな朝食を取りながら終わっていく。
問題が全て解決されたわけでは無いはずだけど
とりあえずあのひと時はしあわせそうで
なんか、良かったな、と思えて終わることができました。
洋楽が使われているところとか
ロードムービーぽいところとか
ちょっとスズカツさんぽいかな、とも思いました(笑)
小林聡美さん
いつものほんわか笑顔なイメージと違って
女優さんて凄いなぁと思う。
あんまりお姿見ることかな無いので(CM以外)
目の前で見られて嬉しかったです♪
千秋楽カーテンコールの時、
美波さんと抱き合ってニコニコしてるのを見て
ホッとしました♪
山崎一さん
安心して観ていられますね
二役されていましたが
ハーパーの夫と一夜限りの不倫相手
もうスーツを着なくてよくなった夫とスーツ姿の不倫相手
同じ役者さんが演じる意味ってあるんだろうなと思いました。
美波さん
可愛かったです。そして細かったっっ(笑)
17歳のちょっと反抗期な感じとかとても良かったし
こちらも二役の看護師さんは全然また感じ違ってて
やっぱ凄いなと思いました。
どんどん色んな役見てみたいなぁと思います。
大河内浩さん
たぶん映像ではお見かけしたことあると思うのですが
舞台は初めてです。
この方も二役でしたが、
最初のハーパーの嫌な上司役、
台詞量がハンパなくて、あと沈黙もあって
どちらも凄かったです。
幕が上がっていっぱつめの台詞だし
めちゃ緊張しそうって思いました(^_^;
あの、「間」をもたせられるのは、本当に凄いです。
福田転球さん
山内=僧正=圭哉さんいわく
「そんなんできるんならなんで今までやらなかったのか」
てくらい生の感情で台詞を言ってた、とのことですが(笑)
たしかに、こんな笑い無しのシリアス転球さん初めてかもw
転球さんは一役だけで、ちょっと残念でした。
時代とか思想とかいろいろ複雑な役で難しかったです。
間宮祥太朗くん
たしか今回が初舞台だったと思うのですが
堂々としたものでした。
17歳役で若いなぁとは思いましたがホントに17歳とは!!
落ち着いていて、まさかそこまで若いとは思いませんでした(^_^;
今後が楽しみなイケメンくんです(笑)
カーテンコールでの笑顔が可愛かったですw
木野花さん
一幕には全く出てこられなくて
二幕でも1役だけなので出番が少なくて残念でした。
いつも見る面白い感じが全く無くて
シリアスな役でしたがそれもバッチリはまってました。
やっぱ上手いんだなぁと思いました。
ハーパーとお母さんの間に何があったのか気になります。
千秋楽カーテンコールでは長塚さんも登場♪
小林さんと美波さんの手招きによって
客席一番後ろから駆けてきてくれました(^^)
首にストールなんか巻いちゃって
ちょっとお洒落さんでしたw
けどなんかめちゃめちゃ腰が低いんですけど(笑)
もちょっと堂々としてもいいと思うよw
千秋楽なら出てきてくれるかな
と思ってチケ取ってる部分もあるので(笑)
出てきてくれて嬉しかったです♪
なんだかとっても好きなのだけど
感想を言うのは難しい作品でした(^_^;
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