& plays プロデュース
『鎌塚氏、放り投げる』 

作・演出/倉持裕
出演/三宅弘城 ともさかりえ
   片桐仁 広岡由里子
   佐藤直子 大河内浩
   玉置孝匡 

2011525日(水)14:00開演
大阪/サンケイホールブリーゼ

お壕に囲まれた、まるで西洋の城のような羽鳥伯爵邸。
ここに一人の男がやってきた。
鎌塚アカシ(三宅)。
数々の名門に仕えてきた有能な執事である。
彼の父もまた執事であり、羽鳥家に執事長として仕えていたが、
高齢のため引退、息子のアカシを後継者に任命した。

羽鳥家には女中頭の上見ケシキ(ともさか)がいて
かつてアカシとは別のお屋敷でも一緒に働いたことがあるのだが、
二人の間には何かぎこちない空気が流れている。

羽鳥家当主のキシロウ(大河内)と、
その妻のオトネ(佐藤)に挨拶するアカシだが
そこでいきなり「お前の提案を聞かせてほしい」などと催促され戸惑う。
実は長引く不況で財政難に陥っている羽鳥家は
有名な資産家である堂田家に助けを借りたいところだが、
堂田家の爵位は男爵で、羽鳥家より格下の爵位。
名誉を重んじるキシロウにとって、
格下の家に救われることは屈辱だったのである。
どうにか名誉を保ったまま堂田家から金を借りられまいか・・・・・。
そこでアカシの父はキシロウに、
「羽鳥家で堂田夫妻に罪を犯してもらい、
借金ではなく罰金として金を請求すればよい」
と提案したのだという。
執事の鑑だと思っていた父がそのような提案をしたということに
驚きを隠せないアカシだが、主人の命令とあらば従うしかない。
堂田夫妻が犯す罪について考えることになる。

自分の部屋に戻ると、そこにはケシキともう一人、
堂田家の執事の宇佐スミキチ(玉置)がいた。
二人は婚約していたが、
資金難のためになかなか結婚に踏み切れないという。
頼みの綱はそれぞれの主人からのご祝儀だが、
ケチで有名な堂田家には期待できない。
では羽鳥家はどうか・・・・・?
スミキチは、アカシに
それとなく探りを入れてみてくれないかと頼みこむ。

翌朝。 初めて接した堂田テルミツ(片桐)、タヅル(広岡)夫妻は、
羽鳥家を侮辱した上、この屋敷を買いたいとまで言い出した。
そんなテルミツを見て、これなら罠にかけても構わないと思うアカシ。

すでに執事の仕事の範囲を超えている数々の難題に、
真正面から挑み、時にはその場しのぎのウソでごまかし、
さらに新たな問題を抱え込む。
完璧なる執事にこだわるアカシが行き着く先は−。





公演前は、
――
倉持裕が贈る、ノンストップ・ホラーコメディー。
となっていましたが、
「ホラー」の部分はカットになったようです()

せっかくの片桐さん出演作だし
倉持さん好きだし他の出演者の皆さんもいい感じで面白そうなので、
平日公演しか無かったけど代休取って、
「仕事放り投げて」行って来ました()
でも行って良かったです

今までの倉持作品のイメージとは全く違う()
とっても分かりやすくて可愛らしいコメディーでした。

まるで絵本のようなお屋敷のセットも素敵でした
今回はフライヤーもパンフも絵本みたく可愛いデザインで
それだけでもワクワクしてしまいました

三宅弘城さん。
素晴らしいですvv
ほとんど出ずっぱりで台詞もいっぱい
体力勝負の場面もあり、やっぱ三宅さんはスゴいなと思いました
まさにベストオブバトラー鎌塚氏ピッタリ
堅物で融通が利かなくて不器用で・・・
でもだんだん追い詰められてテンパっていくとこもピッタリでしたw

ともさかりえさん。
めちゃめちゃ可愛かったですvv
女中頭ということで、メイド服なのですが、
ひらひらした萌〜な感じではなく()
黒のロングスカートで袖はパフスリーブ、
シンプルで清楚で素敵でした
髪型もおかっぱで可愛かったです。

片桐仁さん。
倉持さんがぜひ参加して欲しかったというだけのことあり。
まぁ面白さは間違いないですよね()
すごく派手な色彩の柄物の洋服を重ねて重ねてあっても
全然違和感なく着こなしてるのがさすがでしたw
テルミツは金に汚くて金儲けのためには何でもする
て言ってるけど実は真面目で純情で
奥さんが浮気してるのが悔しくて
自分も浮気してるって言っちゃう(本当は仕事漬け)
でもどうしたら奥さんを引き留めておけるか必死
ってところが可愛くてホッとできて良かったです

広岡由里子さん。
夫は浮気して(本当は仕事)家に帰ってこないので
淋しくて執事と浮気しちゃう
服も派手派手で品が無くて・・・
でもあっけらかんとしていて悪い人では無いところが
またまた良かったです。

佐藤直子さん。
「浮標」で近所のおばさん役をされてた方ですが
180
度違う上流階級の奥様役で
うっかりすると同じ人と気付かなかったかもw
この奥様も、アカシとケシキの間を誤解(?)して
ワクワクしてたりとってもキュートでした

大河内浩さん。
プライドを重んじて大事な家宝まで嘘の道具にしてしまう
「女というやつは・・・」てスグ言うけど、
こっちからしてみれば「男というやつは・・・」です(^_^;
何にも分かって無くて、でも可愛い王様って感じでした()

玉置孝匡さん。
倉持さんの劇団、ペンギンプル・ペイル・パイルズの役者さん
初めて見たとき、ヤクザの役で結構年上かと思ってたら
実は同い年だったと知ってビックリした思い出が()
でも、その後はわりといじられキャラで可愛い印象w
今回もそんな感じでした。
テンパってる感が良かったです()


回り舞台で、モノローグ語りながら歩いてるうちに次の場面へ
ていう転換がとてもスムーズで良かったです。
会話のテンポも良くて、とっても観やすいなと思いました。
2
時間ちょいもあっという間だったです。

まるで西洋のお話みたいなのに、
「ご祝儀3,000円」とか「○○○電機」とか
思いっきり日本な台詞出てきたり
昔っぽいのに携帯電話出てきたりとか
その違和感も面白かったですw

アカシのお父さんから来たメールの内容が最後まで分からないので
それは気になりました()

意外なところから解決策が出てきたのも良かったし、
最後、まさに鎌塚氏があるものを「放り投げる」場面は
やっぱり可愛くてしあわせで、ウルっときちゃいましたvv
結局「悪人」という人は出てこなくて
とてもハッピーな気分で観終えることができて良かったです。




あと、洋画でリメイクされてもいいのにって観ながら思いましたw
トミーリージョーンズとか、、はちょい歳が上過ぎか(^_^;
トムハンクスとか・・・どうでしょうw

東京公演はアフタートークもあったようで羨ましかったです。
あと、めずらしく島根公演とかあって面白いなと思いました。

PPPP
作品みたいなのもいいけど
倉持さんにはまたこんな感じの作品も書いて欲しいです