『ガラスの動物園』(1回目/東京)

作/テネシー・ウィリアムズ
演出/長塚圭史
翻訳/徐賀世子
出演/立石凉子
   深津絵里
   瑛太
   鈴木浩介
ダンス/プロジェクト大山
       境真理恵 長谷川風立子 松岡綾葉 三浦舞子
       三輪亜希子 菅彩夏 政岡由衣子 松井萌香

2012317()13:30開演
東京/Bunkamuraシアターコクーン

大恐慌の嵐が吹き荒れた1930年代のセントルイス。
その路地裏のアパートにつましく暮らす3人家族がいた。
母アマンダ(立石)は、過去の華やかりし思い出に生き、
子供たちの将来にも現実離れした期待を抱いている。
姉ローラ(深津)は極度に内気で、
ガラス細工の動物たちと父が残した擦り切れたレコードが心の拠り所だ。
父親不在の生活を支える文学青年の息子トム(瑛太)は、
そんな母親と姉への愛憎と、やりきれない現実への閉塞感の狭間で、
いずれ外の世界に飛び出すことを夢見ている。
ある日、母の言いつけで、トムが会社の同僚ジム(鈴木)を
ローラに会わせるために夕食に招待する。
この別世界からの訪問者によって、惨めだった家族にも、
つかの間の華やぎがもたらされたかのようだったが・・・。

公式サイトより




とてもとても美しい作品でした。
追憶の芝居なのだけど本当に夢の中にいるみたいな気持ち。
4
人の役者さんとその周りを軽やかに動くダンサーたち。
ダンサーが参加と聞いたときはどうなんだろう、、と思ったのだけど
存在感はありながら背景に溶け込むような動きは
観ていてとても心地よかったです。
妖精みたいで可愛かったし。
最初のシーンで、もう好きすぎて鳥肌モノで涙でました()

この作品、タイトルだけは知っていたけど観たのは初めて。
こんな話だったのかって感じ(^_^;
ローラみたいな人が本当に近くにいても
困るかなぁと思うけど
端から見ていると可愛くも思えて
幸せになって欲しいなぁと思いながら見ているのだけど
ジムはいい人だけど罪作りな人ですね(^_^;
あの後ローラとアマンダはどうしたのかなぁ。。
と思ってしまいます。

立石凉子さん。
気性が激しい役で大変そう。
フライヤーの写真のイメージと全然違って
豪快でビックリしました()
アマンダが子どもたちのことを愛しているのは解るけど
あんな風に言われたら嫌にもなるだろなぁ(^_^;
きらびやかな過去を捨てて頑張ってるとは思うけど。。

深津絵里さん。
舞台になるとどうも可愛い声ていうか
作った感じになるのが残念な気がしてたのだけど
今回は極端に恥ずかしがり屋の役てことで
しゃべり方も独特で役に入り込んでて凄いなと思いました。
今度は長塚さん作の作品にも出て欲しいです。

瑛太。(あえて呼び捨て(^_^;)
舞台で見るのは2回目。
今回は語り部でもあるので台詞も多いし
ほとんど出ずっぱりだしやっぱり大変そうっっ
観客に話しかけるところは
もう少しゆっくり喋ってもいい気もしますが
とても良かったと思います。
瑛太て声も良いし舞台合ってると思うんですよね。
トムて家族のために夢も捨てて頑張ってるし
もっとみんなに優しくされてもいいと思うんですけど。

鈴木浩介さん。
きのことは思えないw()
爽やかな好青年、めちゃ合ってました()
背も意外と高くてカッコ良いんですよね〜
ジムが登場すると空気がガラッと明るくなって
素敵だなと思いました。
彼女いるのにあの態度はいかんだろ、と思うけど
普通の娘相手ならあのくらいでも全然OKなんでしょうね(^_^;
でも基本いい人で誠実だから仕方ないか、、て思っちゃう。

広い箱形の舞台。
床はいわゆる八百屋舞台で
正面に大きな窓。
左右の壁には3つずつ扉。
窓の前にはタイプライターの乗った机がひとつ。
それと街灯。
最初はそれだけ。
その後ダンサーたちが黒子ならぬ白子のように
くるくると踊りながらテーブルやソファなどを運んでくる。
場面場面で配置を変えたり。
扉だけじゃ無く壁の隙間からも出たり入ったり
妖しく美しく。
今回のお芝居のイメージを作り上げる
本当に重要な存在だったなと思います。
カーテンコールでも軽やかに登場して
くるくるっと回って顔を出してまた去って行く姿も
可愛らしかったです

美術は今回も二村さんで。
色合いとか本当に好きだなぁと思いました。

瑛太が客席に語りかけるときの話し方が
なんとなく長塚さんに似てる気がして
というか長塚さんに脳内変換して聞いてたりして(^_^;
長塚さんが書いた作品じゃ無いけど
やっぱり長塚作品だな、と思いました。
長塚さん自身も何かのインタビューで
「自分が書いたと思えるような作品で無いと演出できない」
と言われていましたが
まさにそんな感じがしました。

またまた何度でも観たい作品になりました。

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