ナイロン100 38th SESSION
『百年の秘密』

作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演/犬山イヌコ 峯村リエ  
   みのすけ 大倉孝二
   松永玲子 村岡希美
   長田奈麻 廣川三憲
   安澤千草 藤田秀世
   水野小論 猪俣三四郎
   小園茉奈 木乃江祐希
   伊与勢我無
   萩原聖人 近藤フク
   田島ゆみか 山西惇

2012526日(土)13:00開演
大阪/イオン化粧品 シアターBRAVA!

ずっとずっと昔の良き時代、
かつてある少年が狼に狙われ、追いつめられて、窮地に陥った時、
その大きな楡の木は、奇蹟を起こしたという。
大きく張り出した枝が、やさしく少年を救い上げ、
その上の枝がさらに少年を救い上げ、
気がつくと少年は楡の木のてっぺんに立っていたー。

少年の話を聞いた父は、
その楡の木を取り囲むように、館を建てた。
静かに葉を揺らし続ける、楡の木に見守られ、ベイカー一家繁栄していった。

ときは流れ、銀行家となった、楡の木に救われた少年の息子ウィリアム(廣川)は、
パオラ(松永)を妻とし、長男エース(大倉)、
そして長女ティルダ(犬山)の二人の子どもに恵まれた。
狼が出るような場所だった館の周りも次第に開発され、
今では向かいに弁護士のブラックウッド(山西)の邸宅が建ち、
ベイカー家にはエースの親友カレル(萩原)や
ティルダの同級生チャド(みのすけ)、リーザロッテ(村岡)が訪れ、
メイドのメアリー(長田)は彼らの世話に追われている。

そしてティルダが12歳の冬。
転校生のコナ(峯村)がやってきた直後、物語は幕を開ける。
この日がティルダの息子フリッツ(近藤)、
さらにコナの娘ポニー(田島)を巻き込み、
館にある夫婦が訪れる日まで続く、
長い長い物語の始まりだったー。

パンフレットより



ケラさん久々の新作?
今回は広島公演が無かったので大阪に観に行きました。
ナイロン、というかケラ作品は
雰囲気とか映像を使った演出とかキャストは
めちゃ好みで大好きなのだけど
話は苦手、、、というのが多くて(^_^;
いつもどうしようかと思いながら行ってやっぱり合わなかった。。
と思うことが殆どなのだけど(^_^;
今回のお話はなんだかとてもよかったです♪
またまた最後号泣してました()
「外国のスタンダード作品みたいな作品」を目指された(ちょっと違うかも)
ということでしたが、ホントそんな感じでした。
みんなが少しずつ嘘をついていて
想いが少しずつすれ違って…
切なかったです。

時代が過去へ未来へと飛ぶので
(
あとカタカナ名前が覚えられなくて(^_^;)
ちょっと混乱したりもしましたが
描かれていない時代にいったい何があったのか
とても気になって色々想像したり
そんなトコロも楽しめる作品でした。

オープニングの、映像と生の舞台の融合は
やはり今回もとてもカッコ良くて鳥肌モノでした。
これ、テレビとか映像で観ちゃうと良さ半減なんですよね。
生で見るからこその素晴らしさがここにもあると思います。

セットは固定で
大きな木を中心に、下手が家の中(リビング)
上手が庭をあらわしていて
どちらも境目の無い同じ場所にあるのに
ちゃんと家の中と外を感じられるのもよかったです。

決してみんなシアワセでは無かったけど
最後はなんとなく希望も見えたような気がして
おだやかな気持ちで見終えられたのもよかったなぁと思います。

犬山イヌコさん。ティルダ・ベイカー
可愛かったw
家柄や見た目では無くコナを信じているところがよかった。
周りに惑わされない強さが素敵でした。

峯村リエさん。コナ・アーネット
ちょっと、いやかなり謎な人ではあったけど(^_^;
ティルダとの友情は本物であったと信じたいです。
ティルダがブラックウッドと、
コナがカレルと結婚していてビックリでした。
ここもどうしてそうなったのかは描かれて無くて
とても気になりましたw
(
もともとはティルダがカレルに憧れていたから)
リエさんは身長があるから
スーツ姿がキマッテてカッコ良かったです♪

萩原聖人さん。カレル・シュナイダー(エースの友人)
とても爽やかな好青年だと思ってたら…
一途なのはいいけどちょっと酷いなと思いました。
萩原さんて映像でも舞台でもさりげない感じで溶け込んでて
でも存在感もあるって感じがいいなと思います。

山西惇さん。フォンス・ブラックウッド(ベイカー家の隣人)
めちゃプレイボーイ()じゃんてトコが意外でしたw
この人もいい人だと思わせて実は…て感じだったし
人の裏と表の顔をこっそり見ちゃうような作品でもありました。

大倉孝二さん。エース・ベイカー(ティルダの兄)
中学生時代が爽やかすぎて笑えた()
すごく繊細で妹思いでいい人なのに
それゆえ苦しんで堕ちていってて可哀想でした。

松永玲子さん。パオラ・ベイカー(ティルダとエースの母)
あんまり出てこられなくて残念。。
後半の役がいい感じでした♪

長田奈麻さん。メアリー(ベイカー家の女中)
ストーリーテラー的存在なのだと思ってたけど
途中で死んじゃって(^_^;
最後どーしたっけ?てなっちゃったのが残念。

村岡希美さん。リーザロッテ・オルオフ(ティルダとコナの同級生)
子ども時代の髪型がツインテールでめちゃめちゃ可愛かったです♪
台詞にもあったかもだけど
ホント、コナと出会わなければもっといい人生だった気がします(^_^;

みのすけさん。チャド・アビントン(ティルダとコナの同級生)
最初はただの同級生かなと思ってたけど
最後はかなり重要な役でした。
最近のみのすけさんは恐くなくていいです()
(
初めて観た頃めちゃ恐かった(^_^;)
最後、ティルダの願いを叶えてあげるところは切なかったです。

庭にある樹も、ただ優しく人々を見守っているという感じじゃ無くて
ちょっと不気味なトコロも好みでした。
双子みたいな子どもたちも気になりますw

いろんな想いがいっぱい詰まった作品で
何度か観たらまた違ったこと思えるかも、と思える作品でした。
残念ながら1度しか観られないので
戯曲を読んでみたいなと思います。

3
時間半近い時間が結構あっという間でした♪