ずっとずっと昔の良き時代、
かつてある少年が狼に狙われ、追いつめられて、窮地に陥った時、
その大きな楡の木は、奇蹟を起こしたという。
大きく張り出した枝が、やさしく少年を救い上げ、
その上の枝がさらに少年を救い上げ、
気がつくと少年は楡の木のてっぺんに立っていたー。
少年の話を聞いた父は、
その楡の木を取り囲むように、館を建てた。
静かに葉を揺らし続ける、楡の木に見守られ、ベイカー一家繁栄していった。
ときは流れ、銀行家となった、楡の木に救われた少年の息子ウィリアム(廣川)は、
パオラ(松永)を妻とし、長男エース(大倉)、
そして長女ティルダ(犬山)の二人の子どもに恵まれた。
狼が出るような場所だった館の周りも次第に開発され、
今では向かいに弁護士のブラックウッド(山西)の邸宅が建ち、
ベイカー家にはエースの親友カレル(萩原)や
ティルダの同級生チャド(みのすけ)、リーザロッテ(村岡)が訪れ、
メイドのメアリー(長田)は彼らの世話に追われている。
そしてティルダが12歳の冬。
転校生のコナ(峯村)がやってきた直後、物語は幕を開ける。
この日がティルダの息子フリッツ(近藤)、
さらにコナの娘ポニー(田島)を巻き込み、
館にある夫婦が訪れる日まで続く、
長い長い物語の始まりだったー。
パンフレットより
ケラさん久々の新作?
今回は広島公演が無かったので大阪に観に行きました。
ナイロン、というかケラ作品は
雰囲気とか映像を使った演出とかキャストは
めちゃ好みで大好きなのだけど
話は苦手、、、というのが多くて(^_^;
いつもどうしようかと思いながら行ってやっぱり合わなかった。。
と思うことが殆どなのだけど(^_^;
今回のお話はなんだかとてもよかったです♪
またまた最後号泣してました(笑)
「外国のスタンダード作品みたいな作品」を目指された(ちょっと違うかも)
ということでしたが、ホントそんな感じでした。
みんなが少しずつ嘘をついていて
想いが少しずつすれ違って…
切なかったです。
時代が過去へ未来へと飛ぶので
(あとカタカナ名前が覚えられなくて(^_^;)
ちょっと混乱したりもしましたが
描かれていない時代にいったい何があったのか
とても気になって色々想像したり
そんなトコロも楽しめる作品でした。
オープニングの、映像と生の舞台の融合は
やはり今回もとてもカッコ良くて鳥肌モノでした。
これ、テレビとか映像で観ちゃうと良さ半減なんですよね。
生で見るからこその素晴らしさがここにもあると思います。
セットは固定で
大きな木を中心に、下手が家の中(リビング)
上手が庭をあらわしていて
どちらも境目の無い同じ場所にあるのに
ちゃんと家の中と外を感じられるのもよかったです。
決してみんなシアワセでは無かったけど
最後はなんとなく希望も見えたような気がして
おだやかな気持ちで見終えられたのもよかったなぁと思います。
犬山イヌコさん。ティルダ・ベイカー
可愛かったw
家柄や見た目では無くコナを信じているところがよかった。
周りに惑わされない強さが素敵でした。
峯村リエさん。コナ・アーネット
ちょっと、いやかなり謎な人ではあったけど(^_^;
ティルダとの友情は本物であったと信じたいです。
ティルダがブラックウッドと、
コナがカレルと結婚していてビックリでした。
ここもどうしてそうなったのかは描かれて無くて
とても気になりましたw
(もともとはティルダがカレルに憧れていたから)
リエさんは身長があるから
スーツ姿がキマッテてカッコ良かったです♪
萩原聖人さん。カレル・シュナイダー(エースの友人)
とても爽やかな好青年だと思ってたら…
一途なのはいいけどちょっと酷いなと思いました。
萩原さんて映像でも舞台でもさりげない感じで溶け込んでて
でも存在感もあるって感じがいいなと思います。
山西惇さん。フォンス・ブラックウッド(ベイカー家の隣人)
めちゃプレイボーイ(笑)じゃんてトコが意外でしたw
この人もいい人だと思わせて実は…て感じだったし
人の裏と表の顔をこっそり見ちゃうような作品でもありました。
大倉孝二さん。エース・ベイカー(ティルダの兄)
中学生時代が爽やかすぎて笑えた(笑)
すごく繊細で妹思いでいい人なのに
それゆえ苦しんで堕ちていってて可哀想でした。
松永玲子さん。パオラ・ベイカー(ティルダとエースの母)
あんまり出てこられなくて残念。。
後半の役がいい感じでした♪
長田奈麻さん。メアリー(ベイカー家の女中)
ストーリーテラー的存在なのだと思ってたけど
途中で死んじゃって(^_^;
最後どーしたっけ?てなっちゃったのが残念。
村岡希美さん。リーザロッテ・オルオフ(ティルダとコナの同級生)
子ども時代の髪型がツインテールでめちゃめちゃ可愛かったです♪
台詞にもあったかもだけど
ホント、コナと出会わなければもっといい人生だった気がします(^_^;
みのすけさん。チャド・アビントン(ティルダとコナの同級生)
最初はただの同級生かなと思ってたけど
最後はかなり重要な役でした。
最近のみのすけさんは恐くなくていいです(笑)
(初めて観た頃めちゃ恐かった(^_^;)
最後、ティルダの願いを叶えてあげるところは切なかったです。
庭にある樹も、ただ優しく人々を見守っているという感じじゃ無くて
ちょっと不気味なトコロも好みでした。
双子みたいな子どもたちも気になりますw
いろんな想いがいっぱい詰まった作品で
何度か観たらまた違ったこと思えるかも、と思える作品でした。
残念ながら1度しか観られないので
戯曲を読んでみたいなと思います。
3時間半近い時間が結構あっという間でした♪
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