こまつ座&ホリプロ公演・紀伊國屋書店提携 『十一ぴきのネコ』(1回目/東京) |
作/井上ひさし 演出/長塚圭史 音楽/宇野誠一郎 荻野清子 出演/北村有起哉 中村まこと 市川しんぺー 粟根まこと 蟹江一平 福田転球 大堀こういち 木村靖司 辰巳智秋 田鍋謙一郎 山内圭哉 服部演之 |
2012年1月28日(土)12:00開演 東京/紀伊國屋サザンシアター |
「ご飯にありついたのは一体いつのことだったかな?」 野良ネコにゃん太郎は、いつもお腹をすかせていた。 空腹だけど僕にあるものは何?と考えてみた……。 家、仕事、お金、財布、親、子ども、それとも運。 どれもこれも、ないないづくしで何も無い。 だから野良ネコなのだ! ところがにゃん太郎は、ある日思いもよらぬものを手に入れた。 それは、とても個性的な十匹の野良ネコ仲間であった。 友情を手に入れたけれど、 ないないづくしの野良ネコが十一ぴき集まったところで、 ペコペコのお腹が満ちることは決してなかった。 そんなとき鼠殺しのにゃん作老人に出会い、 目の覚めるような話を聞いてしまった。 「あの星の下に大きな湖があって、 そこには途方もない大きな魚がいるそうな」 また「その魚は十匹や二十匹じゃとても食べ切れぬ大きさじゃそうな。」 みんなで肩寄せあって、ここに居たって、餓死するだけの野垂れ死。 一大決心、にゃん太郎を中心に 十一ぴきのネコが大きな魚を求めて大冒険の旅に出た! 空腹すぎて眠れないけど、夢にまでみた満腹感を味わうことが出来るのか? -子どもとその付き添いのためのミュージカル- 公式サイトより 初めて情報を見たときは 「なんじゃこりゃーーー」と(心の中で)叫びました(笑) 長塚さんと井上ひさし作品、 それはとても興味深いけど まさかの「十一ぴきのネコ」!? しかもミュージカル!? そして出演者の顔ぶれがまた大好きな方たちばかりっっ 衝撃的でしたw 馬場のぼるさんの絵本は子どもの頃読んだことあったけど それを井上さんが戯曲化して上演されてたのは知らなくて 2バージョンあることや衝撃的なラストがあるとか 「子どもとその付き添いのためのミュージカル」てなってるけど 長塚さん演出で大丈夫?(^_^;とかいろいろ考えました(笑) でも、めちゃめちゃ楽しみにしていました♪ やっと観られた感想は・・・ とにかく楽しいーーー(>ω<)ノてことw 開演前からラストまでワクワクしっぱなしで 顔がずっとにやけてました(笑) ラストシーンは本当にドキリとして 哀しくて涙出ちゃったんですけど。。。 「豊かさ」とは何か てことをぐるぐる考えたり。。 途中の楽しい場面でも ベトナム戦争の話が出てきたり ちょいちょいちくちく刺されるような場面があったり。 36歳の井上さんのストレートな思いが込められてるんだろうなぁ と思いました。 でも、40年以上も前に書かれたこの作品が 今観ても全然古くなくて 今の世の予言みたいにも見えて なんだか悲しくなりました。。 それでも井上ひさしさんの脚本は 本当に言葉が楽しくて♪ 韻を踏んでいくところとか気持ちいいし 歌のリズムともピッタリで 聞いててなんて心地良いんだろうと思います。 練りに練られた言葉たちなんだろうなぁ。 やっぱ「にほんご」っていいな と思わせられました。 そして宇野誠一郎さんの音楽は本当に素晴らしくて 初めて聞くのにすぐ一緒に歌いたくなるような ワクワク楽しい音楽ばかりでした。 新たに作られた曲もカッコ良くてピッタリでした♪ 編曲と作曲と演奏担当の荻野さんはとっても可愛らしい方で 歌声もとっても綺麗でした♪ ピアノだけでなく、ピアニカとか効果音的なものも担当されてて タイミングもピッタリで凄いなあと思いました。 あとピアノ弾きながらタンバリンでリズム取ったり すごいっって思いました(笑) 私、常々ミュージカルは苦手だと言っているのですけど(^_^; こおいう、日本語で作られた日本人のためのミュージカルは 大好きだなぁと思います。 台詞から歌に行く流れも自然だし 気持ちもススっと入れるし 本当に楽しかったです♪ 今回上演されたのは1971年に書かれたテアトルエコー版。 その後完全版として書かれたこまつ座版のラストは さらに救いの無いもののようですが そちらも機会があれば観てみたいです。 北村有起哉さん。 天晴れ指導者のにゃん太郎 台詞量も動きも半端なくて、めちゃめちゃ大活躍でした。 おちゃめな感じとかスッと低音の渋い感じになったりとか くるくる変わる表情も素敵でした。 にゃん太郎はとてもポジティブで すぐにみんなの中心になれちゃうのだけど あんまりにもいい人(猫)過ぎて 実はみんなを欺そうとしてるんじゃないか とか邪なことを考えた汚れた大人の私に反省…(^_^; 最後はめちゃめちゃ悲しかったです。。 中村まことさん。 穏健温和仏のにゃん次 まことさんが「穏健温和仏の」なんてw でもピッタリで素敵でしたvv 声がいいんですよね〜♪ 大好きです!(笑) 市川しんぺーさん。 旅廻りのにゃん蔵 口上て言うんですか? 旅回りの一座の宣伝文句とか楽しかったです♪ 粟根まことさん。 徴兵のがれのにゃん四郎 眼鏡無しの粟根さんw ベトナム戦争への徴兵から逃れようとしている兵士に 飼われていた猫てのが何故?て感じでしたが(^_^; 時代なんでしょうね〜 蟹江さん演じるにゃん吾との仲良いところが良かったです。 蟹江一平さん。 軍隊嫌いのにゃん吾 蟹江敬三さんの息子さんだとか。 ホント最近二世が活躍してますねw 今メンバー最年少で35歳(^_^; 今回はこちらが眼鏡キャラでした(笑) この方もええ声でした♪ 福田転球さん。 木天蓼のにゃん六 大堀さんとともにヤクザなにゃんこw 二人で野良猫になったいきさつを語る場面での 斬り合いシーンはかなり遊んでる感じでした(笑) 「都会は優しい毒薬のロック」のソロパートがカッコ良かったです♪ ※この曲はみんなカッコイイvv 大堀こういちさん。 逆恨みのにゃん七 私の中での大堀さんて結構怖いイメージ(^_^;なんですけど ヤクザの親分はやっぱ似合ってましたw 木村靖司さん。 猫撫で声のにゃん八 知らない方でしたが 女形な感じ似合ってました♪ 辰巳智秋さん。 猫舌のにゃん九 この方もたぶん初めて。 はらぺこねこのハズなのに丸々で(笑) おなかすいたーってお腹さすりながらぽてぽて歩く姿が 可愛かったですvv 田鍋謙一郎さん。 紙袋のにゃん十 ちっちゃくて身軽な感じが素敵でした♪ 「かんぶくろ」て紙袋て書くんですね。 初めて知りました(^_^; 山内圭哉さん。 猫糞のにゃん十一 僧正らしいw 皮肉屋でちょっとアウトローな感じなんだけどいいやつで(^^) 台詞の言い方とかも面白くて 客席の笑いをたくさん引き出してました♪ まじめに歌う姿が新鮮だったり(笑) 最後の「十一匹のネコが旅に出た」は 怒りが籠もってるようでぐっと来ました。 服部演之さん。 鼠殺しのにゃん作老人 渋いですね。 出てこられたら場が締まる感じです。 今回のバージョンではにゃん作老人は 十一ぴきを見送った後自ら命を絶つのだけど こまつ座版では一緒に旅に出るそうで それもいいなと思いました。 みなさん本当に個性的で魅力的で☆ 35overのおじさまたちが飛んで跳ねて走って踊って歌って 全速力で駆け抜ける姿は本当に素敵でした。 エピローグのあのシーンも おじさまたちだからこその凄みというか怖さもあって よくぞこのメンバーでやってくれましたって感じでした。 今回、開演5分前くらいから 客席にねこたちが登場して お客さんにちょっかい出したりいろいろします。 普通、そおいうときってパァーっと出てきて大きな声出したりして 盛り上がったりすると思うのですが 今回はお客さんに混じってだらだら〜て感じで登場して 結構最初気づかない人もいるみたいw 空いた席に座ったりお客さんに話しかけたり 特に子どもたちは代わる代わる声掛けられて羨ましいです! 気づかずゲームしてる子どもとか勿体無いぞっって感じで(^_^; でもその後粟根さんに話しかけられてたw あと、客席天井にキラキラ光る大きなお星様が出てきて ゆっくりと回る演出?美術?が綺麗で可愛くて感動しました♪ その他の美術も二村周作さんで シンプルなセットに動きで場面を想像させるのとか いいなぁと思いました。 かなりの八百屋舞台なのでみなさん大変だなとは思いましたが。 衣装も、特にネコ耳付けるでなくw つぎはぎだらけのジャケットとか帽子とか 腰にしっぽっぽいふさふさだけ下げて。 でもちゃんとにゃんこに見えてくるのが素敵です♪ 土曜日のお昼の公演ということで ちびっこもたくさん来ていて、いっぱい笑い声が響いてたのも いいなぁと思いました。 子どもの時からこんな舞台生で見られるなんて 贅沢というか羨ましすぎるぞっっ ラストとか子どもに見せていいのかなーて感じもしましたが ただ明るく楽しくめでたしめでたしだけじゃない物語を 小さいときに見るのもきっと良いことだと思います。 ずっと心に残る作品になるといいなぁと思います。 お昼の公演は「満員御礼」出てましたが ホントみんなに観て欲しい! そして私ももっともっと観ていたいっっ と思いました。 |