ある地方都市の一角、金輪町。
神山清巳(渡邊)は優秀な会社員。
幼い頃から常に周囲の期待を背負い、応えてきた。
兄の清武(浜田)も、出来る弟の平凡な兄、という立場に慣れきっていた。
清巳はある日、自宅裏の斜面を転がってきた拳大の落石を頭部に受け、
入院してしまう。
十日程して会社に戻ると進行中の企画チームを外されていた。
不条理な出来事に苛立つ清巳を両親(井上、岩本)は慰めるが、
久しぶりに会った叔父の怜司(安井)は違った。
「自分にしかできない仕事なんて存在しない、本当の仕事を教えてやる」
怜司は主夫業の傍ら、密かに「本当の仕事」を持っている。
それは世界のバランスを取る重要な使命、と怜司は語る。
世界からの「呼びかけ」に応え、行為に移す。
その行為はどう見ても荒唐無稽で無意味だが、
清巳にはその馬鹿馬鹿しさが新鮮だった。
(折込パンフより)
前川さんて筆が速いなぁと思う。
結構新作出るペース早いですよね。
今回は演出は違う方なのでどんな感じかなと思っていました。
でも、今までのイキウメの雰囲気を外れることなく
日常の中の非日常みたいな世界が描かれていました。
ただ、今回のお話はとても現実的というか
あんまりSF色は濃くなかったと思います。
割とリアル。
「自分にしかできない仕事なんて存在しない」
ていうのは私もいつも思うことで…(^_^;
「自分なんかいなくても世の中は回っていく」
て思わないとしんどくなるかなと(^_^;
この主人公も、最初は自分が入院したら仕事が滞るはず
て思ってたけど結局は代わりの人がすぐ立って
何も困らない状況になってて
イラだったりするのだけど。
全てのモノに理由や意味があるという考えはこれに矛盾するような。
玲司さんのやってることはやっぱ「逃げ」のような気もする。
それに感化された若者が暴走しちゃうと
オロオロして意見変えちゃったりするし
ちょっと無責任な気がしました(^_^;
まぁ最後はまたカッコ良くなるんですけどw
ただそれで世界のバランスが保たれているのではない
という証拠もないので別にいいかなとも思います。
最後は主人公が自分のやるべきことを見つけて動き出す
的な希望が見えるような感じ?
でもそれもちょっときれい事のような気もして…
まぁ何もやらないよりいいと思いますけど。
てなんか私荒んでるかな(^_^;
「散歩する侵略者」や「太陽」に比べると
ふわっとした作品で
若干物足りない感じもしました(^_^;
前作戯曲に前川さんと小林賢太郎さんとの対談が載っていて
なんか意外な組み合わせだったし内容も興味深かったです。
![201206021733000](misshon.files/image003.jpg)
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