シアターコクーン・オンレパートリー2012/2013
KERA×
蜷川『祈りと怪物 ~ウィルヴィルの三姉妹~
KERA
バージョン

作/ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演/生瀬勝久 小出恵介 丸山智己
   安倍なつみ 大倉孝二 緒川たまき
   大鷹明良 マギー 近藤公園
   夏帆 三上市朗 久保酎吉
   峯村リエ 犬山イヌコ 山西惇
   池田成志 久世星佳 木野花
   西岡コ馬 ほか
音楽/パスカルズ

2013114日(日)13:00開演
イオン化粧品 シアターBRAVA! 

北回帰線と南回帰線の狭間にある架空の街に、
祖母と二人で暮らす内気な青年。
街を牛耳っているのは強欲で好色な市長。
彼の三人の娘は、それぞれに複雑な事情を抱え、
やがて街を揺さぶる大事件に発展する
市長の後妻と百歳を越える母親、
子供を亡くした使用人夫婦、
テロを企てる市民たち、
怪しげな教会の司祭、
謎の錬金術師と白痴の助手、
そしてよその街からやってきた放浪の若者。
幾多の登場人物が壮絶に絡み合う一大クロニクル。

公式サイトより



ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが脚本を書き
ケラさんと蜷川さんがそれぞれ演出をする。
初めて聞いたときからおもしろそう!と思いました。
東京では蜷川さんバージョンも始まっていますが
やっとKERAさんバージョンを観ることができました。
こちらは今日が大千秋楽です。

出演者もたくさんで上演時間も4時間超という大作でしたが
時間の長さはあんまり感じませんでした。
物語がどんどん進んで行くのであれよあれよという感じでした。
ただ、舞台で一番たくさんお芝居をされているであろう部分が
前の席の人の頭に隠れてまったく見えなかったので
ほとんど声しか聞こえず、途中少し意識が遠くなりました(^_^;
なのであまりちゃんとストーリーを追えていません、、、
気がつくと人がたくさんんでいて
あーうー(-_-;)となりました。
パンパン銃声鳴りまくって怖いし(^_^;

「カメレオンズリップ」とかの頃を思い出しました。なんとなく。
美術とか音楽(生演奏で非常に好みでした)とか
舞台全体の雰囲気とかとても好きなんだけど
いや話も嫌いって訳じゃないんだけど
あんはっぴーな話がだんだんキツくなってきているかも(^_^;
最後ガラスと3姉妹たちが
何事もなかったかのように明るく旅立とうとしてるのをみて
すごく怖いなと思った。
結局は旅立てないのだけど

人がたくさん出てきてそれぞれのエピソードがあって
それぞれ決着はついているのだけど
ちょっと多すぎな気もしましした。
いつもそんな感じだけど。
群像劇は好きだけどもちょっと絞られててもいいかなーと思ったり。
それぞれの話が散漫になっちゃう気がするから
なんか勿体無いなーて思っちゃうんですよね。
最初の頃の鳥がいっぱい出てきたのはどうなったんだろう
私が意識飛んでただけかな(^_^;

でも、とても濃い時間過ごせたし
他では観られないような作品だと思うので
観られて良かったです。
蜷川さんバージョンはまた全然違った感じになっているらしいので
それも楽しみです。
戯曲も売ってて読んでみたかったけど
金欠でとりあえず見送り(^_^;

生瀬勝久さん
「俺が法律」な感じの独裁者。ドン・ガラス
でも彼がこの街を守っていたというのは事実かも
と思いました。
恐怖で支配しているとは言え一応の平穏はあったような。
最愛の娘たちも失って
あのあとどうなったんでしょう
でもしぶとくまた勝ち上がって来そうな気もするw
とても似合ってました()

小出恵介くん
純粋な青年。トビーアス
お婆さんのためならと盗みをしたりするけれど
優しくて気弱な青年。
だったけれどガラスに気に入られて仕事をするようになってから
人を殺すこともいとわない男に。
けれど心底ではやはりお婆さんのために生きている
最初誰だか判らなかったのですが(^_^;
足を引きずっている役で大変そうだけど
とても好演されてたと思います。

丸山智己さん
よその街から流れてきた男。ヤン
背も高く美青年で物腰柔らか
でも実は恐ろしい
とても似合っていてカッコ良かったです。

安倍なつみさん
ガラスの三女。マチケ
何不自由なく暮らしてきてわがままで奔放な三女
可愛らしかったです
もっと純粋とかもっと無邪気とか
何かあれば良かったのですけど。

大倉孝二さん
不思議な能力(超能力)を持つ白痴の青年。パキオテ
切なかったです。
大倉さんのこおいう役てピカイチですね。
面白いし可愛いし素敵です。

緒川たまきさん
ガラスの次女。テン
ヤンと恋に落ちて妊娠までするけど実は二人は
可愛くて色気もあって素敵でする

マギーさん
ガラスの手下。アリスト
結構優しさもあっていい人
最後、見えない怪物にボコボコにされる
というのをひとりで演じていて
吹っ飛ばされかたとか凄いなぁと思いました。

近藤公園さん
トビーアスの友人。パブロ
パブロとレティーシャが恋に落ちるのが
唐突(パブロは一目惚れだけどレティーシャが)
に思ったのだけどこれも見逃してただけかな(^_^;
優しい感じが良かったです。

夏帆さん
仕立屋ローケの娘。レティーシャ
初舞台というのは知りませんでしたが
とても堂々としていたと思います。
顔ちっちゃかったです()
なっち演じるマチケと対比みたいに描かれるのかな
と思ったのですが

三上市朗さん
久しぶりの艦長
押さえた演技も素敵でした

峯村リエさん
ガラスの妻。エレミヤ
綺麗でしたぁ
リエしゃんどんどん綺麗になるなあて思います。
ガラスは他の女ばかり連れ込んでいて
でも自分も別の男と浮気している
愛されてない感が切なかったです。。

犬山イヌコさん
ガラス家のメイド長。アリストの妻。メメ
こちらも悲しかった。
なくした子どものことをずっと思っていて
パキオテの力で見えない子どもを蘇らせてもらってかわいがる
でもその子どもは怪物と化して
イヌコさんのこおいう役好きです
とても悲しい夫婦だったけど、
最終的にシアワセというか不幸にならなかったのって
この夫婦だけな気も。

山西惇さん。
錬金術師。ダンダプール
うさんくささが似合ってました()
パキオテとの関係も凄く良かったので
最後悲しかったです。

池田成志さん。
教師。ペラーヨ
クーデターを企んでいる。
もっとなるしーさんのギラギラしたとこ見たかった、かも。

久世星佳さん
ガラスの長女。バララ
あんまり印象がない(^_^;
3
姉妹とタイトルに付いてるわりに
3
姉妹がそんなに際立ってない感じなのですよね。
お父さんが強烈すぎるし()

木野花さん
ガラスの母。ジャムジャムジャーラ
トビーアスの祖母。ドンドンダーラ
双子の姉妹の2役をめっちゃ個性的に演じてくださいました。
やっぱ花さん凄い

西岡コ馬さん
司祭。グンナル
情けない司祭様だったなー
最後は病気で死んじゃうんだけど
あんまり同情できませんでした(^_^;
でも徳馬さんは素敵だったです

蜷川バージョンの配役も出ていたので比較。

祈りと怪物配役


勝村さんのガラス、どんな感じになるのか想像できません。
知ってる人が少ないのであれですが(^_^;
さとしーさんのダンダプールも楽しみです
三宅さんがパキオテてのは予想できたw
こちらも楽しみです。

先日観た「音のいない世界で」も絵本のような童話のようなお話でしたが
あちらはほのぼの優しい気持ちになれる童話で
こちらはドロドロ怖い気持ちにさせられる童話。
でもどちらも好きな世界観で楽しめました。
こんな話を書けちゃうKERAさんはやっぱ凄いです。

蜷川版観る前に戯曲読みたいなぁ〜

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