井上ひさし生誕77フェスティバル2012
こまつ座&ホリプロ
『組曲虐殺』

作/井上ひさし
演出/栗山民也
音楽・演奏/小曽根真 
出演/井上芳雄
   石原さとみ
   山本龍二
   山崎一
   神野三鈴
   高畑淳子

2013120日(日)12:30開演
大阪/梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

昭和55月。大阪道頓堀に近い島之内警察署取調室。
特高刑事山本(山崎)が一人の男に、
カンパを渡した相手の名前を吐け、お前はあの小林多喜二だろう、
と詰め寄っている。
口を割らない男(多喜二・井上)。
「神戸の組合みなごろし」の異名をとる鬼刑事古橋(山本)は
なぜか優しい口調で、伯父のこと、姉チマ(高畑)、
果ては恋人瀧子(石原)のことを話し出す。
微妙に事実と食い違う話についに爆発する多喜二。
検閲により表現の自由が抑圧されていたこの時代、
多喜二の作品は伏せ字ばかり。
伏せ字なしでものをいうにいい世の中になればと「伏せ字ソング」を歌いだす。
1
ヶ月後、杉並の多喜二の住まいに同志のふじ子(神野)がいる。
そこへ小樽から姉のチマと恋人の瀧子がやってくる。
……
睨み合うふじ子と瀧子。
そして翌6年、再び捕らえられた多喜二は、刑務所の独房の中にいた。
多喜二は、自分の心を鏡に向かって独唱する。
人生最後の29ヶ月、多喜二はどう生きたのか?
そして彼を取り巻く人々の運命は?

公式サイトより



当初行くつもり無かったのですが
地元公演のCMを繰り返し見ていて
やっぱ観ておいた方がいいかなと思い
急遽チケット取りました。
地元は平日なので行けないので大阪で。
ちょうど夜エレ片観にブリーゼに行くのでハシゴできました。
もう少し早く気づいていれば良かったのですけど
もう結構売り切れてて一番後ろの列の端っこでした。
それでもドラマシティの最後列は以前も経験あるので
まぁいっかて感じでした。
実際そんなに遠くなく表情なども見えたので。

小林多喜二のことは名前くらいしか知らなくて
そんな壮絶な最期だったことも恥ずかしながら知りませんでした。
働いても働いても一番安いパンすら買えない人たちのために
力でなく言葉(文章)で戦って
権力という力に虐殺されたひと
そんな時代だったといえばそれまでだけど
今の自分にはない強い意志と熱い志で最後まで戦った多喜二は
本当にすごいと思いました。
そしてそれを支える女性たちも
みな強くてせつなくて。。。
今日も結構泣いてました。

石原さとみさんの歌声も初めて聞いた気がしますが
素直で可愛くてとても良かったです。
瀧子さんもとてもせつない。。

井上芳雄さんは王子っぽいイメージ強かったんですけど(^_^;
結構男っぽい感じもあるんだなと思いました。
魂こもった台詞が心に響きました。

山本龍二さんと山崎一さん演じる特高警察のお二人、
コミカルな部分もあって
多喜二たちと打ち解けてるみたいな時期もあって
それでもやっぱり相容れるわけにはいかなくて
こちらも切なかったです。

高畑淳子さん演じるお姉さんチマさん
こちらものほほんとした空気で和ませつつ
実際は大変なこともたくさんあっただろう
と思うと切なかったです。
多喜二が亡くなった後の凜とした姿も泣けました。

神野三鈴さんはたぶんあまり知らない方でしたが
声が特徴的でした。
ふじ子さんも愛する人のために戦う女で
せつなくもカッコ良かったです。
演奏の小曽根真さんがご主人と今知ってびっくり()

その小曽根さんのピアノがまた素晴らしかったです
ピアノ1台だけの伴奏で
いろんな場面や気持ちが演出されて素敵でした。
井上さん石原さんいわく毎回演奏が変わるらしく
歌う人たちは大変だなぁと思いましたが(^_^;
何度か観たいなぁと思いました。
あと「十一ぴきのねこ」を思い出しました。

井上ひさしさんの作品は
苦手なのと好きなのと極端なのですが(^_^;
今回は好きな方でした。
暗いシーンと難しい台詞とかあって
少々意識が飛んだ部分もあったのですが、、、
3
時間以上の時間はつらくなかったし
いっぱい泣いたので。

静かな怒りのようなものを感じた作品でした。
観に行って良かったと思います。

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