夕陽が徐々に沈む時間。
大阪湾を眼前に、真理と裕が堤防に座る。
この海は、故郷・愛媛県宇和島に繋がる海。
真理は、裕に話す。
故郷の思い出。暗く寂しい父の思い出。
海の底流に、父親が見えてくるようだ。
堤防に歩く蟹。
裕は黙って話を聞き、ふたりは夕陽を見続ける。
初・伏兵コードです。
名前は聞いたことあったけど
全く予定にない公演でした。
が、なんとアフタートークに長塚圭史さんが来られる
というので、何故?と思いながらも
祝日だし行けるじゃんっていうことで
ミーハー心からチケ取っちゃいました(^_^;)
会場は日本橋駅から徒歩5分ちょっとのところにある
シアトリカル應典院。お寺です。
こちらも名前だけ聞いたことあったけど
行ったのは初めてでした。
普通にホールだったけど
窓からお墓が見えて「お寺なんだなぁ」て感じw
で、ロビーに入って受付をしようとしてふと見ると
すぐ横の椅子になんと長塚さんが座っているじゃないですかっっ
思わず二度見しちゃいましたよね(^_^;)
普通に座って本かなんか読まれててびっくりしました。
でも他のお客さんも気づいてか気づかないでか
誰もざわざわしてないし(笑)
私も気にしないふりをしながらそのまま受付。
そうしてたら係りの人?が声掛けて奥に入って行かれました。
結構いいタイミングで着いたな私。て感じw
でもいつからいたんだろう…
開場時間そんな過ぎてなかったし、
お客さんたくさんいたんじゃないかなーと思うのですが…
なんか、ストールぐるぐる巻いておしゃれさんでした(笑)
自由席だったので初めてのくせに最前列ど真ん中に座る私w
以前だったら後ろの端っことかに座ってただろうけど
最近前の方とか行けるようになってきました(笑)
1列目は木の箱の上に座布団置いてあるような席で
背もたれも無いのでどうかなーとは思ったのですが
舞台も客席と地続きのフラットな感じだったので
見やすいかなと思ってそこの席にしました。
後半はやっぱお尻痛くなって辛かったです(^_^;)
ホント全然知らなかったのですが
こちらの劇団?は作・演出の稲田真理さんの
私小説のような作品を演ってるみたいで
今回もガッツリ私的なお話だったみたいです。
結構ヘビーというか、家族に1人困った人がいると大変だな
というか…
自分のことをお芝居にするといえば、ハイバイの岩井さんとかと
似てるのかなと思うのですが、
あちらはわりとコメディ的な感じも多いけど
こちらはガッツリシリアスな作品でした。
もうなんていうか苦しくて。。
可哀想とかはあんまり思わなかったのですけど
とにかく父親がどーしようもない人で
主人公も憎んでて包丁で刺そうとまで考えるのだけど
でもやっぱり愛してて。それはできない。
なんかもどかしかったです。
主人公は故郷、
実家がある日突然知らないうちになくなってしまって
帰る場所がなくなった。と悲嘆に暮れるのですけど
私は小さい時からずっと変わらず同じ家に住んでいて
ごくごく平凡に、大きなトラブルもなく生きてきたので
到底気持ちは解らないだろうなぁと思いました。
でも、現在はとても主人公のことを想ってくれる男性がいて
どうかしあわせになって欲しいなとは思いました。
役者さんも4人だけなのだけど
それぞれすごく良かったです。
特にダメ父親を演じていた蟷螂襲さんが
すごくリアルですごいなと思いました。
この作品後はしばらく伏兵コードはお休みだそうで
こんなきっかけでも無ければ観ることなかっただろう作品なので
行けてよかったと思います。
アフタートークは東京から来られてたライターさん?
(違うかもごめんなさいっっ)が進行されたのですが
なんでも、ただお芝居を観に行きたいって連絡したら
「じゃあせっかくなので」って前日頼まれたらしく
長塚さんともその前に会ってたのに全然そんな話しなかったとかで
なんか凄いなと思いました(笑)
長塚さんと稲田さんの出会いは去年の劇作家協会の大会?で
わかぎ ゑふさんの紹介だったそうです。
稲田さんは昔遊気舎にいて、長塚さんのファンで
後藤大王からお話聞いたりしてたそうです。
遊気舎もそんな観たことないけど稲田さんの作風とは
全然違うと思うからちょっとビックリでした。
稲田さん、たぶん若いんだと思うんですけど
阿佐ヶ谷スパイダースも長塚さんが留学する前後ぐらいから
見始めたとかで
長塚さんも「そこから?」てびっくりしてました(笑)
その前の作品もビデオとかでは観てたらしいですけど。
んで、稲田さんの戯曲を長塚さんが読んで
直接感想をお手紙で送られたりしてたそうです。
長塚さんもどんな舞台を作るのか見たかったそうで
今回の機会ができたそうです。
舞台の感想など聞かれても、
ひとことひとこと言葉を選びながら
稲田さんの顔を見てお話される長塚さん素敵でした☆
てか、3人横並びで客席の方を向いて座られてて
私長塚さんの目の前になるので
正直目のやり場に困りました(笑)
長塚さんの作品の話も結構していて、
それこそ留学前後で作風が変わって、
昔は割と過激に事件的な作品だったのが
最近は抽象的な感じになって
「お客さん激減したよね(笑)」
て言われてたんですけど、
私は昔の作品ももちろん大好きだけど
最近の作品もすごく好きで
何回でも観られるし観たいっって思っているんですね。
解りにくいて言われるみたいだけど
そんなに解りにくいとも思わないし
ああかな?こうかな?って考えるのが楽しくて
こういうことかもって思いながらまた観て
やっぱりそうだったってなるのもすごく楽しいし
戯曲読んで見るとまた違ったり、
キャスト変えて再演やっても面白そうだし
ホント何度でも楽しめるなぁと思っているから
「違うよ大好きですよーっっ」てめちゃ言いたかったです。
作品の解釈についてとかすごく語りたいなー
と思いながらウズウズしてました(笑)
今回の作品については
すごく私的な内容なのに、何故か自分の家族や過去のことを
思いながら見ていた、とおふたりとも言われてました。
稲田さんもそういう風に観て欲しいと思われてたみたいで
そこは成功してるんだなと思いました。
たっぷり1時間くらい話してて、
予定をかなりオーバーしたみたいなのですが
たくさん話してくれて嬉しかったし
とても濃い時間でした。
行って本当によかったと思います。
長塚さんというよりは岩井さんとか赤堀さんぽいのかな
と思ったので、岩井さんや赤堀さんが観られて
感想とか聞けたらいいなーと思いました。
もっとじっくり対面でお客さんの感想も聞きたいって言われてて
ホントそんな会があったらいいなと思いました。
なかなか観終わってすぐに感想言うのとか苦手なのだけど(^_^;)
今回もアンケート書けなくてそのまま帰っちゃったのだけど
隣の席の女性は同じく伏兵コード初めてだったみたいなのに
すごく熱心にアンケート書き込んでてすごいなと思いました。
短い時間でパッと気の利いたこと言える人になりたいです。。
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