項 | 見 学 先 | 説 明 |
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1 | ウィンザー城の見学 | ロンドンから列車で1時間ほどのところにあるお城 |
(1)賑わう朝市を見ながら駅へ
最寄の地下鉄駅 Pardington まで徒歩で5分ほど歩くと、駅近くには朝市が出ており、店の人達は商品を並べている。8ミリビデオカメラで店の人たちが気付かぬように歩きながら撮影する。義母もコンパクトカメラで数枚撮っていた。
(2)日本では信じられない運賃体系
さて、切符売り場で一騒動がおきた。ウィンザー城へ行くにはこの地下鉄から途中国鉄に乗り換えるのだが、帰りは国鉄から地下鉄に乗り換え途中駅で下車してショッピングをするというスケジュールである。
地下鉄の駅で切符を買おうとしたら優しそうな駅員さんがウィンザー城には日帰りで行くのかと言っているらしいのでイエスと答えた。そしたら、ダブル(往復)かシングル(片道)という。片道と言うと、何やら往復の方が得だというようなことを言っている。良く理解できないのでまた聞くと、紙に書いてくれて、往復ならば片道の10%アップでいけるという。片道と往復と殆どかわらない。日本円で片道1000円位のところが往復では1100円というのだから、これはリスニング力のない私の聞き違いだろうと思った。往復で10%引きというのなら分かる。
当時の長女の英語リスニング力では良く理解できないので、私が「往復の方が得だと言っているよ」と言うと、でもこの駅に戻ってこないから往復ではダメだと言う。もうわけが分からないので、仕方なく「シングル」と答えたら、駅員は「親切に教えてあげてるのに、この分からず屋」というような怒った形相で切符を6人分とって投げつけるように差出しブラインドを閉じてしまった。やっぱり私の理解していることが正しかったとその時に思ったが、あとの祭り。そうは言ってもやはり日本の常識では信じられない。あれだけ怒ったのだから多分そういうことなのだろう。片道1000円、往復1100円位の感じなのだから、そのとき即座に理解するのは無理なことかもしれない。
(3)アナウンスなしの特急列車通過
済んでしまったことは仕方がない。予定通りのコースで地下鉄から国鉄に乗り換える。列車は日本の近距離用列車のように4人向かい合わせ型だ。列車も新しかったが小奇麗であった。
列車が高架の眺めの良いところに差し掛かると右手高台にお城のような立派な建物が見える。駅名からここがXX美術館のある所と分かるが帰りに立ち寄る時間はない。
国鉄も途中駅 Slough でウィンザー城行きの支線に乗り換える。乗り換えの階段を間違えて正規のホームに戻ったときには接続の電車が出てしまった。アナウンスがあったのだろうが英語は良く分からないので気付かなかったのかもしれない。次の電車まで15分ほど待つことになった。
ホームで待っていると特急列車が通過していく。イギリスでは列車がホームを通過するときでも何のアナウンスもない。田舎の小さな乗換駅に遠くからガーッと列車の近づく音がしたかと思うと数分後には目の前を時速120Km/H位の高速で通過するので驚いてしまう。次の列車通過の時8ミリビデオカメラで撮影しようとしても用意するまでの間に列車が通過してしまうのだから如何に急で速いかがお分かりだろう。次のタイミングにはスイッチを入れてスタンバイ状態にしてようやく撮影できた。
やっと折り返しのウィンザー城駅行き列車が来た。大変綺麗な新しい車両である。日本の田舎を走るローカル線のディーゼルカーのように開けるときには手動であける。ただし、手を触れるだけで自動的に開くのだが数分そのままにしておくとまた自動的に閉じてしまう。列車の出発時間まで5分くらいあるのでホームに降りて特急列車を撮影しようとホームに下りているとドアが閉まったので置いて行かれるかとびっくりした。しかし、時計を見ると2分前だったので一定時間経過すると自動的に閉まる仕組みなのだと悟り安心した。
車内は空いていて一列車3ブロック位に区切られているうちの1ブロックは我々家族で貸切り状態であり快適なリラックス列車の旅と相成ったのである。
(4)小綺麗な電車
支線の割には良い車両で列車連結部近くの出入口上部には日本ではまだ珍しい行き先表示が電光掲示板のテロップのようにLEDの点文字で色々な案内メッセージが表示される。丁度、日本の新幹線の新型車両の方式だが新幹線のニュースを除いてはサービス内容はもっと充実している。(日本では最近になってJRや私鉄電車のドア上部に設置されるようになった)
(5)湖畔白鳥や鴨と遊ぶ
列車の左手丘の上にウィンザー城が見えてくる。鉄橋の下には白鳥の遊ぶ川か池が見える。そしてウィンザー城駅に到着。あいにく小降りの雨である。直接ウィンザー城へは行かずに下の湖畔を遊歩しながら行こうという提案が長女からありそうすることにした。実は予めスケジュールに入れておいたらしい。白鳥や鴨に与える餌を用意していたのでそれと分かった。湖畔で暫く白鳥や鴨と遊ぶ。これだけでも絵になるのでカメラのシャッターを押した。
(6)ウィンザー城
湖畔を散歩しながらいよいよ白鳥や鴨ウィンザー城へ向かう。白鳥や鴨ウィンザー城入口には守衛のおじさんと言っても日本の守衛さんのような野暮ったい姿ではなく、カッコイイ姿で立っている。私は図々しくも写真撮影の許可を得て並んで写真を撮ってもらう。
巨大なお城の中は美術館のようで見るものが多い。以前に日本の新聞にも載った火災の跡があり今その修復作業に追われていた。それも崩れ落ちた壁の飾りを床に並べてモザイクゲームのように元の形の再現に数人の職人が腕組みしてじっと立っている様はなんと気の長い人達なのだろうと思った。
(7)土産を買い込む
お土産を買うのが楽しみで子供たちはそちらの方向に目が向いてしまう。お城を出たところが城下町のようになっており衣服の店などが沢山並んでいる。長女が予め調査しておいた店に入りセーター等を買い込む。いつも買い時に迷って決めかねる三女がこの店では即座に気に入ったオーバーを買い大満足である。
私はセーターを買ったが日本と比べてかなり安い。3500円位で質が良く色合いの良いセーターを買うことが出来た。店のおばさんも親切で私や妻や子供達が買ったものをまとめて免税扱いにしてくれた。私共家族はこの人の良い親切なイギリスの人達を益々気に入ってしまった。
(8)街並みを楽しみながら歩く
買物を一通り終えて街並みを楽しみながら歩いていると昨日のデパート廻りで覚えた「ハロッズ」のトラックが目の前を通過して思わず写真に収めた。交差点で立ち止まっている時、ウィンザー城を眺めると時計がついており、紺の文字盤に金色の針と文字が光っている。この色のバランスが何とも素晴らしい。何故日本にはないのだろう。この紺色をロイヤルブルーと言うのだと思う。何はともあれ、自分の網膜に映っている景色が全て絵になるのだから楽しくてしょうがない。
(9)5000円の損が確定
ウィンザー城の城下町のメインストリート(日本ならさしずめ参道)を下って途中で食事を摂り、ウィンザー城駅に向かう。 この駅で少し時間があったので来る時の料金を確認したところ、やはり10%アップで往復できることが分かった。言葉が通じないということは大変な損失であることを経験した。何せ我々は家族6人の旅行なので、これだけの誤りで約5,000円を得し損なったのだ。しかし、このイギリス人の発想はどのように理解すればよいのか今もって分からない。そこで5000円の損が確定した。
これも体験であり、文化の違いを理解できたのだからよしとしよう。
第3日目の楽しい「ウィンザー城の見学」は無事終了した。