永い「ロシア冬の旅」はいよいよ終わりに近づいてきた。この「ロシア冬の旅」の冒頭
にも述べたように、今回のツアーの仲間は色々な人達が参加し、それぞれの体験をした。
それぞれの人達にとって、人生で初めての、そして、生涯で最も充実した旅であったと思
う。
このメンバーには、上智大学の学生の団体の参加と多くの個人の参加もあった。今の時
代と違って、ただ、金と時間があって参加するのと違って、それなりの目的や多くの期待、
そして、夢を持って参加したに違いない。だからそれぞれ参加した人達の顔は輝いていた。
又、日本に帰ってから再会することを誓ってこの旅の別れを惜しんだ。
モスクワからは最初来たルートと全く同じルートを戻るのだが、モスクワの空港で出発
の時間待ちをしている間に、ほのぼのした光景に遭遇した。
これは我々と旅を一緒にした、大学教授の家族(夫婦と5歳位のお嬢さん)がいた。こ
のお嬢さんがモスクワの空港で偶然知り合ったロシアの同年の子供(お嬢さん)に出会っ
た。二人はお互いの言葉は分からない。なのに、二人はあたかも分かっている友達のよう
に親しく話し(子供語?)遊んでいる。これは何なのか?大人の我々は拙い英語、ロシア
語で苦労しながらコミュニケーションを取っているのに、この二人の子供は、日本語もロ
シア語も互いに分からないのにないやら語り一緒に遊んでいるのである。
この光景を見て、私は感激と云うより感動を覚えた。この偉大な子供の世界に!
子供の世界に言葉はいらない。子供の世界はワールドワイドなのだ。
次回は「ハバロフスクでコートが戻る」です。