連載「一期一会」


 人生には色々な出会いがある。

<第12話> ロシア国歌をロシア人と歌う

Ver.1.1 2014/02/27

 今年はロシア冬のオリンピック即ち「ソチ・オリンピック」の開幕でした。2月7日〜23日の3週間大変素晴らしい祭典でした。
 開会式と閉会式だけに特別に建設された会場で壮大な仕掛けの中に展開され観客を魅了させ、企画と新技術の融合によって素晴らしいショーとなったのです。

 日本選手では若手が各種目で活躍し、また、7度のオリンピックに出場した選手がスキージャンプで銀メダルを獲得するなど、幅広いアスリートの活躍を見ました。

 私事ですが、昨年、スポーツジムでロシアの人と時々顔を合わせて会釈する様になり知り合になりました。最初、ロシア人らしいと思ったので「ビー・ルースキー?」(ロシア人ですか?)と問うと「そうです」と流暢な日本語で答えたのが切っ掛けでした。 今年は幸運にもソチ・オリンピックでその華やかさなどの感想を伝え、「オーチェン・ハラショー」(素晴らしい)と言うと「スパシーバ」(ありがとう)と答えてくださりその場が和みました。

 その後、温泉プールで休んでいると偶然彼が私の隣に入り、(日本語で)私から声を掛けると嬉しそうに話が始まりオリンピックの話になりました。
 開会式のときロシア国歌の合唱が厳かで素晴らしかったのでその旨の感想を話しました。そして、「あの国歌はソ連時代の曲ですが、ロシアと言う国になったときに曲が変わり、その後不評だったので、ソ連時代の国家の曲に、歌詞だけを新しいものにした」という経緯を話すと、「良く知っていますね。その通りです」と仰って、私がロシア国歌をハミングで奏でると、彼がロシア語で歌いました。
 二人とも厳かにその余韻を楽しみました。将に「オーチェン・ハラショー」(大変素晴らしい)でした。
 ロシア人と日本人の「裸の付き合い」となった小さな出来事でした。

ロシア語の国歌染み入る冬五輪  雪雫

前頁に戻る