連載【思い出の地】
Serial [My momorial place]

 私が訪れた地で特別思い出に残ったところをご紹介します。今後掲載される地の時間軸は順不同です。

<第1話> 浦島太郎の地「浦嶋神社」

Ver.1.1 2005/08/05
Ver.2.1 2006/01/16

「浦嶋神社」(宇良神社)    .
 今回は浦島太郎の地をご紹介します。

(1)プロローグ
 日本人であれば浦島太郎の物語を知らない人は殆ど居ないでしょう。
 漁師だった浦島太郎がある日海岸に行くと悪餓鬼共が亀を棒でたたいていじめていた。それを見た浦島太郎が亀を助けて、その亀がお礼に太郎を龍宮城に連れて行った。龍宮城では美しい乙姫様に囲まれて長い間何不自由ない楽しい生活をしてきた。あるとき、母親のことを思い出し自分の故郷に戻る決心をする。日本に帰る時に乙姫様から玉手箱のお土産に頂く。日本に帰ってみると顔見知りのものは誰も居ない。開けてはいけないと言われた土産の玉手箱を開けると、たちまち白い煙が立ち上り太郎は白髪のお爺さんになってしまった。
 というお話です。

「縁起絵巻物」(浦島太郎絵巻)[高さ約2m]  .
(2)実話を物語りに
 この話は実際にあった話を物語風にしたのだと私は思います。ここは丹後の国で唐(現:中国)にも大変近いところです。従って実際は「太郎は舟で寝てしまい、たどり着いた龍宮城は実は唐の国だった。そこで、多くの美女に囲まれて楽しい生活を続け歳を取るのを忘れていた。ふと母親を思い出し日本に戻ったものの皆年を取り亡くなっており知っているものはなかった。途方にくれて土産の玉手箱を開いたらその中の巻物などで自分が如何に長い間龍宮城(中国)に居たかがわかった。そして、自分が白髪の老人であることを知った。」というのが現実ではなかったかと私は思う。
 現に龍宮城として描かれている建物は中国宮殿の建物そのものです。

(3)「浦嶋神社」(宇良神社)
 実際に丹後の国には「浦嶋神社」(宇良神社)があります。ここは浦島太郎の伝説で名高いファンタジックな神社で天長二年(825年)に創設され玉手箱や絵巻物が残っています。
 「縁起絵巻物」は竜宮城の夢の世界を美しく描き出した絵巻物で重要文化財に指定されています。「浦島太郎玉手箱」は美術工芸品として最高級の亀甲文櫛笥の玉手箱で室町時代作といわれています。
 運よく私が訪問したときには通常非公開という玉手箱の中を特別に見せて頂きました。

玉手箱 中身の一部と玉手箱 玉手箱の中身

【浦嶋伝説】
 浦島太郎の伝説は日本最古の物語と言われ「丹後風土記」「日本書紀」などには既に記述されていました。丹後に残る「浦島口伝記」には太郎が釣った五色の美しい亀が、乙姫に姿を変え龍宮城へ連れて行ったとなっています。近世以降に親しまれてきた話とは少し違いますが、神々の時代から大切に語り継がれてきたこの伝説には丹後の人々の心が映し出されています。 <出展:浦嶋神社・資料>

 丹後の国はそのほか「山椒大夫の物語」の舞台でもあり、この「浦嶋神社」の近くに「山椒大夫の屋敷跡」があります。

 と言うわけで私の心に残った場所は遠い昔を想像する事の出来る思出多いところでした。

Photo by Snowman.   MT=4

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