「東海道新幹線・700系のぞみ号」


 平成11年4月7日(水)〜8日(木)大阪と名古屋に出張の機会があり、3月13日に営業開始したJR東海とJR西日本が共同開発した「700系のぞみ号」に乗る機会を得ました。
 TVや新聞で紹介された通り先頭車のデザインが個性的で「かものはし」のくちばしに似ています。デザインとしては「500系のぞみ」の方が精悍ですっきりしていますが、乗り心地は「700系のぞみ」の方がずっと良いでしょう。
 内部の座席幅はほぼ同じですが500系は円筒状のボディーなのに比して、700系は正方形のような断面をしているので、容積が大きく広くゆったりとした感じがします。又、座席の前後の間隔が広いと思われます。従って、ひったり感が一層増長されます。

 騒音面でも随分改良されており、従来の「のぞみ」のどれよりも静かで揺れも少ないと思います。
 新聞情報によると、空気の噴出口を別に設けたので内部の空気の循環が良く、エアコンの効率も良いそうです。
 JR東海が「乗り心地」に重点を置いて設計したと言うだけあって、本当にカンファタブルです。

しばらくお待ち下さい
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カモノハシの嘴のような先頭車 のぞみ号「700」の文字
しばらくお待ち下さい
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500系よりゆとりのある内部 エアコン効率のよい風の出口

[新技術紹介]
(1)「カモノハシ」の嘴(くちばし)
 この独自形状はエアロストリーム形フォルムとよばれる。空気の層を無理なく切り開くためのもので、トンネルに突入する時などに発生する微気圧を低減し、列車の振動を抑制する効果があります。

(2)車両から伝わる揺れを抑える
 更に隣り合う車両から伝わる揺れを抑えるため「車体間ダンパー」と呼ぶ装置を車両の間につけ、又、各車両の下部にもコンピュータ制御の「セミアクティブダンパー」を付けて、台車の振動が車内に伝わりにくくしています。

(3)騒音が少ないこと
 700系のもう一つの特徴は騒音が少ないこと。車体には軽量で遮音性に優れたアルミ合金製の中空押し出し型財を用いて二重構造にし、中空部分にも防音材を入れて防音効果を高め、床部分にも制振材を挟んだ二重構造になっています。

(4)座り心地のよい座席
 人間工学を追求してフィット感を高めた形状を採用、従来より座席位置を高めに、クッションは硬めにして座り心地を良くしています。

(5)効率の良い空調
 二重冷却式空調を採用し一段目の冷却装置で暑い外気の温度を予め下げて、次ぎに車内から戻ってきた空気を混ぜて、二段目の冷却装置で更に温度を下げて車内に送ります。
 噴出口を荷棚の下に付けることで空気の循環が良くなりエネルギー効率を良くしています。

(6)パンタグラフ
 新開発のシングルアーム形で、一体型のパンタグラフカバーを取り付けて風の流れをスムーズにし、これによって、走行時の風切り音が軽減されました。

 (出典:日経産業新聞1999/04/08)
   又お会いしましょう。

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