今回は実際のヘリコプターを紹介します。
ヘリコプターは皆さん良くご覧になっているので形状は言うまでもないでしょうが、良く見ると色々違いがあるのです。
新聞社が取材用に用いているヘリは割合小型で大きなローター(羽根のようなプロペラ)と後尾にある反動抑止用の小型のプロペラから構成されており殆どのヘリはこのような形状です。少し大型にしたものでは、警察、消防、救急などに使用されています。
特殊なものでは、防衛用の対戦車ミサイル搭載の攻撃用ヘリや、海上自衛隊の艦上ヘリがあります。艦上ヘリはその目的から、あの長いローター4枚を後方にまとめて艦上にある小さな格納庫に納めることが出来ます。
もっと大型になると、ローたが8枚もあるヘリもあります。それより大きな軍用のヘリではローターが二つ(2軸)あり、そのため形状が全く異なります。これではトラックや戦車を運搬することも出来ます。
いずれにせよ、基本的な構造は全く同じで、前回(第2回)の「竹コプター」とは異なり大変複雑なローターの動きで前後左右自由自在に飛ぶことが出来ます。
ロータの傾き(ピッチ)は進む方向によって変化します。前進する場合はローターが後ろにあるとき最もピッチが深くて揚力を増大させますが、そのローターが前方向に行くほどピッチが浅くなり揚力が減少します。従って、ヘリは前傾となって前に進みます。
空中で停止するホーバリングには、全方向でピッチが同じであればその位置で止まります。また、ピッチを変化させれば上下するのです。勿論、上昇するにはそれだけのエネルギーが必要ですからエンジンを噴かし、ローターを高速回転される必要があります。
話は長くなりましたが、1枚のローターが1回転するのに後、右、前、左と回るごとに無段階にピッチを変えており、しかもロータが4枚ならこの4倍の変化動作をあの1軸でやらねばなりません。ですから、ヘリのローターの付け根は極めて複雑です。しかもこれを高速回転しているのですから信頼性の面では通常の飛行機と比べるとかなり劣ります。
豪華なビジネス用ヘリ | その操縦席 | 豪華な客室座席 |
三菱製 MH2000 | SONY所有の商用ヘリ | フランス海軍のヘリ(模型) |
付け根は極めて複雑 |
次回は垂直離着陸機(VTOL)です。