「宇宙科学研究所・一般公開」

< 第3回 宇宙科学研究所の見学記 >


Ver.1.01 2002/08/03
Ver.4.01 2002/09/04
 2002年7月27日(土)、第3回宇宙科学研究所の一般公開が行われた。私は二輪車ツーリング仲間と毎年この一般公開に参加している。
 2000年7月に長野県臼田にある東洋一のパラボラアンテナを見学に行ったことを契機にこの研究所の存在を知った。実は、臼田の大型パラボラアンテナも文部省・宇宙科学研究所の管轄なのだ。

宇宙科学研究所(相模原) 実物大ロケット模型 ロケットの噴射口

 ここでは、当日配布されたパンフレット「宇宙科学研究所・一般公開」から転載してご紹介する。

【 会場のご案内 】

(宇宙科学研究所のパンフレットから引用掲載)
[第1会場]
(1)はるか
 人工衛星「はるか」が明らかにしてきた電波で見た宇宙と、次のスペースVLBI衛星の姿を紹介。我々のまわりの電波の世界が見えます。

(2)フォトルミネッサンス
 半導体結晶にレーザー光を当てると、レーザー光とちがう光が出ます。この光を調べると半導体結晶の性質がわかります。

(3)赤外線天文学
 銀河や星はどうやって生まれたの?
「ASTRO-F」が赤外線を使ってそのなぞに挑戦します。

(4)X線天文学
 ブラックホールって本当に存在するの?
超新星爆発で何が出来るの?X線は、熱くて活発な宇宙を観測します。

(5)宇宙構造物
 小さくたたんで打ち上げられ、宇宙空間で大きく広がる宇宙展開構造物や伸展マストの展示と説明、宇宙折り紙の実演と実習を行います。

(6)こどもミニミニ宇宙学校
 宇宙ってどうなっているの? ロケットってどうして飛ぶのかな? 最先端の研究をしている先生達が宇宙の現在、そして未来についてお話します。

(7)計算流体力学
 ロケットなどが飛ぶときにも関係する、流体の運動を表す方程式を計算機で解き明かします。最先端の研究成果をビデオ映像とコンピュータで紹介します。

(8)宇宙と生物
 重力は動物や植物の形や仕組みにどう関係しているのか、また、オタマジャクシ宇宙実験計画を紹介します。

(9)ビデオ上映
 「MUSES-C」衛星を始めとする宇宙科学研究所の将来計画をビデオで紹介します。(上映時間25分)

(10)ようこう・SOLAR-B
 太陽観測衛星「ようこう」の10年間の成果と、2005年に打ち上げられる予定の「SOLAR-B」衛星の計画について紹介します。

[第2会場]
(11)LUNAR-A
 月の内部を調べる「LUNAR-A」計画の概要と観測装置を紹介します。ペネトレータ試験機も展示します。

(12)SELENE(セレン)
 月を色々な装置を使って探査する計画です。宇宙開発事業団と共同で進めています。

(13)月面着陸探査計画「SELENE-B」
 無人探査機を月面に軟着陸させ、移動探査ロボットによって月の地質調査を行うための技術開発を行っています。

(14)MUSES-C
 今年末の打ち上げ予定で、小惑星のかけらを地球に持ち帰る計画です。新しい探査技術を紹介します。その実現のために開発された数々の新技術も紹介します。
「LUNAR-A」計画/月ペネトレータ 月面着陸探査計画「SELENE-B」 MUSES-Cイオンエンジン

(15)B星の王子様に会いに行きませんか
 申し込まれた方のお名前を刻んだアルミニウムや「MUSES-C」に積むターゲットマーカーを公開します。

(16)Aあなたの名前を火星に
 1998年7月4日、日本初の火星探査機「のぞみ」が火星へと旅立ちました。「のぞみ」に積んだ27万人の名前を公開します。

(17)惑星画像
 探査機が撮影した惑星や衛星の写真を公開します。パソコンを使った画像処理体験が出来ます。

(18)火星探査(日本惑星協会)
 将来の火星探検を紹介します。また、「レッドローバ」による火星探査を体験できます。

(19)月・惑星探査ローバ
 月や惑星表面を探査するロボットを紹介します。月面着陸船、マイクロローバ、脚型・モグラ型・ホップ型ロボットが登場します。
月面探査ロボット(車型/脚型)

[第3会場]
(20)電気推進
 人工衛星や惑星探査機をパワーアップするイオンエンジン・アークジェットを運転中です。

(21)レールガン実演
 1グラムの物体が2mの距離を僅か1000分の1秒以下で走り抜け、毎秒8kmの高速度で飛び出します。それがレールガンです。
レールガン レールガンの実演 8km/秒

[第4会場]
(22)ピギーパック衛星INDEX
 大きな衛星と一緒に打ち上げてもらう小さな衛星で、新しい技術を軌道上で試験しながら、オーロラ観測を行います。

(23)人工衛星(実機)公開
 小惑星探査機「MUSES-C」(今冬打ち上げ予定)や、太陽観測衛星「SOLAR-B」を公開します。
人工衛星(実機)公開

[第5会場]
(24)ソーラーセイルとその応用金星気球
 太陽光を受けて宇宙を飛行するヨット、ソーラーセイル。その大きさは数百mにもなります。薄く大きな帆の展示も含め、金星探査についても紹介します。

(25)大気球
 国産の超薄膜ポリエチレンフィルムが開発され、今年の5月23日に60,000立方mの気球で53kmの世界最高高度を達成しました。

(26)コンピュータで地球を飛び出せ! 体験! ロケットシミュレーション
 コンピュータを使って君もロケット設計に参加しよう! クイズもあるよ。

(27)太陽発電衛星
 宇宙太陽発電所を目差して、「マイクロ波で遠くに電力を送るシステム」や「超大型構造物を宇宙で建設する技術」などを紹介します。

(28)微小重力材料実験
 「宇宙空間での凝固実験」が国際宇宙ステーション内での実験テーマに選ばれました。さあみんな、微小重力材料実験を体験しよう。

(29)再使用ロケット実験機
 ロケット性能が良くなって飛行機のように何回でも使えるようになれば宇宙への往復がもっと身近になります。

(30)M−Vロケット
 宇宙科学研究所の人工衛星打ち上げ用のロケット、M−Vロケットについて紹介します。

(31)ATRエンジン
 未来のスペースプレーン用エンジンで、ロケットに比べて高性能な上、信頼性が高く何度も繰り返し使うことが出来ます。
ATR (エアーターボ・ラムエンジン)

(32)GEOTAIL・あけぼの
 地球の周りにある身近な宇宙のお話。ビデオや模型を見ながら、太陽風と地球磁気圏の不思議やオーロラのなぞに触れてみませんか?

(33)地球型惑星の探査―火星・金星・水星―
 地球の兄弟のような惑星たちを訪ねる計画を紹介します。一緒に惑星の世界を探検しましょう。

(34)PLAINセンター
 インターネット体験コーナーでは、恒例のクイズに加え、こどもミニミニ宇宙学校のライブ中継を行います。

[第6会場]
(35)風洞実験設備(ウインドトンネル)
 ロケットや飛行機が飛んでいるときの空気の流れを調べる実験装置です。音速(音の速さ)の2倍で飛ぶときの流れを見て見ませんか。

[その他の会場]
(36)スタンプラリー
 会場内においてある5種類のスタンプを集めてください。素敵な景品を差し上げます。(中学生以下)

【 会場で紹介されていた施設 】

 会場内ではこの研究所の管轄施設ばかりでなく、研究に関連したその他の施設についてもパネルで紹介されていた。しかしそれらは全て我々ツーリング仲間で見学したことのある施設であり、改めて、自分達の活動の広さを認識した。 ここの研究員もどの施設も見学したと言ったら驚いておられた。

施 設 名主 な 施 設見学年月日
野辺山天文台宇宙の電波を捕らえる直径45mの大型パラボラアンテナ
小型パラボラ84個をT字型に並べた太陽ヘリカルアンテナ
1996/05/05 1997/11/15
乗鞍太陽観測所標高2700mにある太陽コロナ観測用の特殊望遠鏡1996/08/?? 2000/09/08
臼田のパラボラ直径64mの東洋一大きいパラボラアンテナ2000/07/21

太陽コロナ観測望遠鏡 臼田のパラボラアンテナ


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