「運行最高時速300kmの500系のぞみ号」


 平成9年12月1日(月)名古屋に出張の機会があった。帰りの「のぞみ号で帰るとき、予期しない幸運に恵まれたのである。
 なんとホームに滑り込んできた車輌は11月30日(1日前)から運行開始された「500系のぞみ号」であった。
 ホームに入って来た時、予期していなかっただけに、夢を見ているのかと思う程の感激を覚えた。それは新聞等でしか見たことのないあの「500系のぞみ号」なのである。そう、運行最高速度300km/hのあの新型新幹線である。戸惑いながらも数秒のうちにこの入線してきた列車が「500系のぞみ号」であることがすぐに分かった。
 初めて見るこの列車の外観は今迄の新幹線に比べて極めて小型で車体が小さく見えた。
そして車内に入ってみると、そこはまるで飛行機の中にいるような感じを受けたのだった。何故かというと、車内全体は昔のスマートで胴長のDC−8という旅客機の中にいるように、円い筒型の胴体に二人三人の計五人一列の座席が並んでいるのである。
 座席に腰掛けてみると今迄の列車とほぼ同程度のゆとりがある。しかし、空間は円形の筒であり従来の四角い箱形の車輌と比べるとかなり狭い感じがし、圧迫感がある。座席の幅は確保しつつ、断面積は極端に小さくした感じである。座席の幅は従来通り確保したために、外壁と内壁との間が薄く従来車のような厚い壁と比べると、内外の差が殆どない位である。飛行機の壁より薄い感じがする。
 座席に座った第一印象は、まず飛行機の中と同じ、長いパイプの中にいるような気がする。技術的な面で見るとモーター音、全体的な騒音、加速度等は従来の「のぞみ号」とさして変わらない。スピードがUPしただけなのだろうか。速度面では残念ながら東京・大阪間は従来通りの速度なので時速300kmは体験できなかった。

 いずれにせよ、従来の「のぞみ号」に比べ全体のデザインと内装、外装共に大変良くなった。




JR500の文字 室内の様子 後方(東京駅)

CAMERA : NEC PICONA

(宿題)
 ホーム側の各車輌間に直径20cm程の太いパイプのようなものでつながっているように見えたものは一体何なのだろう。車輌の中心部でないので連結器の代用ではない。民鉄などでは連結器を節約してパイプで連結したタイプがあることは知っている。
 宿題が出来て、また眠れなくなってしまう!
 もしかして、信号ケーブル類の風力抵抗を最小限にするためにパイプの中に入れてあるのかも知れない。それでは、伸縮はどの様に工夫しているのだろう?

(答)
 やはり、そうでした! その後、某新聞で読みました。推測は「正解」でした。

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