「久々のレコード鑑賞」
Records I haven't listn to for a long time.

< 心和むLPレコード >

Ver.1.1 2003/02/14
Ver.3.1 2003/02/27
Ver.4.1 2004/03/15
 2002年11月11日(月)、久々にレコード鑑賞をしてみたくなった。

 CDの時代になった今、レコードを聞くことは殆どないが、ゆったりした時間と気分のときはレコードが回転しているのをボーっと見ているのもゆとりの贅沢を感じる。今日は月曜日なので普通のサラリーマンは忙しい一日のはずだ。私はサラリーマンを卒業して、将にゆとりの時を過ごしている。
 Record Player  : Technics SL-55 Direct Drive Player
 Record Cartridge : audio-technica AT-15E & Shure M44G

 Technics SL-55 Direct Drive Player

 さて、レコードは何にしようか。レコードコレクションの最初の頃に買って今も好きなレコードのひとつ「NEW "THIS IS CONTINENTAL TANGO"」を聞こう。これは、Alfred Hause and his orch.(アルフレッド・ハウゼ楽団)の演奏によるもので、アルゼンチンタンゴと異なりやさしい調べである。それに、この素敵なジャケットを机の上に置き眺めながら、私もタンゴを踊っている気分でこのやさしい調べを聞く。なんとも言えない贅沢な時間に思える。
 最初の曲が又よい。先ずジャ〜ンと出て来る曲はあの「碧空(あおぞら)Blauer Himmel(ブラォエル ヒンメル 独語:青い天)で将に青い天(空or宇宙)に飛び出したような感じが何とも言えない。沢山の曲の中でも「夢のタンゴ」「夜のタンゴ」「ブルータンゴ」と似たような名前の曲もあり楽しい。メロディで印象的なのは「ママ・恋人が欲しいの」とどれも気に入っていてここで説明しきれない。
ジャケットを並べ楽む 机上に置いての鑑賞もよい THIS IS CONTINENTAL TANGO

 「45回転」と大書されたレコード

 次はジャンルを変えて「ザ・ベスト・オブ・サム・テイラー」(英字タイトル:SAM (THE MAN) TAYLOR ) にしよう。サムテイラーの渋い声が心を痺れさせる。Harlem Nocturne, Stomy Weather, Autumn Leaves, Johnny Guitar, Stardust, Lover,come back to me, Sans Toi Mamie, Ebb Tide といい曲ばかり。
 このレコードは30cmLP盤では珍しい45回転レコードである。(写真参照)LPレコード(33回転)は当時も良い音質を確保していたが一層高音を忠実に録音再生できるように1分間の回転数を45回転にしたものだ。

  SAM (THE MAN) TAYLOR

 アナログ録音のレコードはデジタル録音のようにノイズゼロという訳には行かないが、レコードのゴミで時々バチッというのも何とも言えない味がある。アナログのレコードでは人の耳に聞こえない高調波も含まれているので自然の音に近い味わいがあるとも言われている。

 CDではジャケットを楽しんだり、レコードの乗った回転盤を眺める楽しみ、やさしい自然音の調べに浸るというような楽しみは出来ない。

 久々に至極のゆとりの時間を楽しんだ。


「第2回 レコード鑑賞」

 2003年2月24日(月)雨時々雪、静かな外、こんな日もレコード鑑賞をしてみたくなる。今日は「越路吹雪のすべて」を聞いた後、「Romeo & Juliet」を聞いてみたくなった。

     「Romeo & Juliet」

 「Romeo & Juliet」はシェークスピァの名作なのでご存知と思うが、この映画は1970年代に話題を呼んだ映画である。このレコードはパラマウント映画のオリジナル・サウンド・トラック盤で映画の台詞がそのまま入っているので当時の映像が鮮明に思い出される。
 プロローグにモンタギュー家とタピュレット家の争い場面。次に、ロミオとジュリエットの出会いの場面、これが感動的で、流れてくる曲が素晴らしい。歌は Grain Weston 作曲・指揮は Nino Rota だ。「What is youth? Impetuous fire? What is a maid? Ice and desire. The world wags on. (Refrain)」台詞は当時の口語体で中々味がある。
 イギリス英語の古語なのでちょっと辞書で調べて訳すと≪青春とはなんだろう? 激しい炎か。乙女ってなんだろう? 宝石であり欲情だろうか。世の中は移り変わる≫となる。 "Ice" に宝石という意味があるのを知らなかった。また、 "maid" はここでは古語で、「少女」又は「乙女」の意味なのだが、今では「女中」の意味なので随分違うものだと思った。
 本題に戻ると、ロミオとジュリエットの言葉の遣り取りが当時の場面を思い起こさせる。ロミオ役は Leonard Whiting ジュリエット役は Olivia Hussey で若さを大いに表現していた。(レコードジャケット参照)

 この「Romeo & Juliet」のストーリーは後にアメリカのミュージカル「West Side Story」に変身して上映された。これも「Tonight」の曲で聴衆をうっとりさせたものだ。


【LPレコードは1本の溝でどうやって左右の音を録音できるか】

 今のCDやDVDようにデジタルのコンピュータ技術では昔なら魔法のようなことが簡単に出来てしまうので逆に面白味がない。
 皆様はもう縁がないかもしれませんが、「LPレコードは1本の溝でどうやって左右の音を録音できる」と思いますか?

 これは当時のアメリカGE社の大発明で1本の溝を45度/45度=90度にカットした構造になっています。(45/45方式と名付けられた)左の音は左の溝の壁に垂直方向の左右に振動させ、右も同様に行う。すると、1本の溝の左右の壁の変化で全く別の音を2種類録音できるというものなのです。(文章ではご理解頂けないかも知れませんね)
 しかも、この方式のカートリッジ(レコード針の付いた音再生器)で、従来のレコードをそのままモノーラルで再生出来るもので、従来品にも互換性のある優れものなのです。
 この方式が世界標準となりましたが、それまでは、溝を2本並べて掘ったり、1本の溝の深さに変化を持たせて1つの音を記録し、従来通り左右の変化でもうひとつの音を記録する方式も試作されましたが、左右の特性が同じにならず失敗作となりました。


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