私の雑学 2


「色鉛筆はなぜ丸いか?」 1996年12月

Ver.1.1 1996/12/00
Shift_JIS Ver.2.1 2006/07/03

 鉛筆の軸は普通6角形をしていることは良く知られています。丸いと机から転げ落ちてしまうので、6角形の今の鉛筆が発明されました。これは可成りのアイデアなのです。
 6角形ですと、転がらないだけでなく、持つ指に3箇所から120゜(360゜÷3)で、平面で押さえられる(3点平面支持)のでピッタリフィットし長時間文字を書いても疲れにくいのです。又、太さも経験的に今のものが最も適した太さといわれています。これより太くても細くても疲れやすいのです。鉛筆は遊び感覚のものを除き、世界的に同一の太さです。

Q。 それでは、何故、色鉛筆は丸いのでしょうか?

 色鉛筆も同じようにすれば良いとお考えでしょう。それが難しいのです。その理由が今回の問題の解答でもあるのです。
 色鉛筆の芯は軟らかくて太いですね。これが、普通の鉛筆と大きく異なる所です。軸を6角形にすると、芯が太いので木の部分が薄くなり力が加わると割れてしまいます。それで木の部分を厚くすると鉛筆そのものが太くなり持ちにくくなってしまいます。そこで、軸を丸くすることで木の部分の肉厚を十分確保できるのです。
 しかし、最初に申し上げた軸が6角形であることの利点「転がらない」「3点平面支持で持ちやすい」という利点は犠牲になっています。3点平面支持でないための持ちにくさの点では通常の黒鉛筆のように長時間文字を書くという事は殆どないので、この点は犠牲に出来ます。
 しかし、転がってしまう点は救いようがありません。良いアイデアありませんか?
 と云う訳で、色鉛筆は丸く出来ています。

6角形の普通の鉛筆 丸い色鉛筆


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