「阿吽の呼吸・狛犬」
Q:日本の神社に行くと鳥居の先に必ず狛犬が居ます。この狛犬は当然神社を守っているのですが、日本の狛犬は、必ず、右側か口を開けていて、左側が口を閉じています。
中国の狛犬は両方とも口を開けていて、右側の狛犬の口の中には玉が入っています。中華街に行くと見ることが出来ますので、注意して見て下さい。
その他のアジアの国々の狛犬も殆どが両方とも口を開いています。インド、パキスタン、タイ、ビルマ(今はミャンマー)マレーシア等、夫々形はかなり違いますが、殆ど口を開けています。
日本の狛犬だけが、右側のが口を開け、左側のが口を閉じています。なぜでしょうか?
A:これは日本人の心「阿吽の呼吸」から来ていると言われています。口を開いている方が「あ」と言っており、口を閉じている方が「ん」と言っているのです。
そうです、「阿吽の呼吸です」相手が「あ」と言ったらこちらは「うん」と言葉を使わずに理解してしまう。または、理解できる間柄。それが「日本人の心」なのです。いろいろ説明しなくても相手の言おうとしていることを推測して分かってしまう。だから、日本人はお互いに知り合える相手同志では言葉を必要としないのです
その文化が永く続いたために、日本人の内では相手に言葉を交わさずに「分かっているつもり」「分かっているはず」と思い込み誤解が生じることがあります。
欧米では、自分の気持ちを相手に伝えるために常に言葉で伝えます。ですから、主人が毎日のように、奥さんに「愛しているよ!」などと言って、自分の意志を伝えています。日本では、こんな習慣はなかなか根づきません。テレくさいのだけでなく、分かってしまうからバカバカしくして言う気もしないのです。
しかし、最近の若い人達は考え方も欧米化し(テレパシー予知能力が退化したのか)言葉で言わないと意志が通じなくなっています。古い時代の日本人からすると、能力低下を愁うばかりです。
でも、今流には、やはり「美しいね」とか「愛しているよ」などと言った方が相手が喜ぶことは間違いありません。
話は戻りますが、「狛犬の片方が口を開けて、もう一方が口を閉じている」ことを知らなかった方も多いのではありませんか?
やはり友人や家族は少なくとも「阿吽の呼吸」でいきたいものですね。
この写真は、韓国のものですが、日本の文化(あ・うん)と中国の文化(右の狛犬が
「玉」をくわえている)の影響を受けているのが分かります。
御殿場の仏舎利塔にある狛犬達 | 左が雌・口を閉じている(韓国) | 右が雄・口を開け 且つ、玉をくわえている |
マレーシアの狛犬 | 沖縄の狛犬はシーサーのよう。 やはり「阿吽」 |
ミャンマーの狛犬 |
台湾の狛犬 | タイの狛犬 | インドの狛犬 |
どこの国のかは分かりませんが、変わった形をしています。
国名は不明 | 国名は不明 | 仏舎利塔・金色のお釈迦様 |
では又お会いしましょう。