fukushima syumi st21

「宇宙科学研究所見学ツーリング」

Ver.1.01　　2001/09/01

Ver.2.01　　2001/09/02

（エンジン情報追加）Ver.3.01　　2002/05/21

「８月度（番外）ＳＴ－２１ツーリング報告」

１、日　　程　　　平成１３年(2001)８月２5日（土）晴

２、目　　的
　　　　　　宇宙科学研究所（相模原）の見学ツーリング
３、メンバー
　　　　　　ＨＭ(Harey Man)　：　Harey Davidson FLHTC 1340cc
　　　　　　ＳＭ(Snow Man)　　：　BMW R1100-RS

４、コース
0km　　R16　　　　　　　　　　　　R16
自宅────東京工科大学────宇宙科学研究所────GAS───自宅
8:10　　　　　　　9:00～15　　　　　　　　　9:40～15:50　　　　　　　　　　　　　　　16:45

５、費　　用
　　　　　　　　　ガソリン　　　　　３８６
　　　　　　　　　飲　　食　　　　　３２０
　　　　　　－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　　　　　　　　　合　　計　　　　　７０６

６、走行距離
　　　　総走行距離：３８．４km　　燃料：３．５L　　燃費：１１．０Km/L
　　　(BMW R1100-RS ODO=43077km)

７、内　　容
　今回は年1回の宇宙科学研究所（相模原）の一般公開日で、その見学をする昨年と同様のツアーである。昨年６月のツーリングで行った「臼田のパラボラアンテナの見学」に絡んで、ＴＳ(Tokyo Sunrise)さんが調べてくれたホームページからここのホームページを知った。臼田のパラボラアンテナもこの研究所の所有する施設なのだ。

（１）集合場所
　今回のツーリングは相模原なので、隣の市のように近い。ＨＭさんは同じ八王子住民なので今回の集合場所は国道１６号沿いの東京工科大学入口付近ということにした。

（２）住宅地の中の研究所
　この研究所は国道１６号線のすぐ近くで、ＪＲ横浜線古淵駅から２ｋｍ位のところなのでツーリングというより、足代りにバイクを使ったというところだ。
　この辺は殆どが住宅地なのだが、この研究所の一角だけは各種の研究施設や博物館などがある閑静なところである。

宇宙科学研究所（相模原) ロケットの実物大模型ロケットの噴射口

（３）研究所正門付近の駐車場
　昨年も行ったので、駐車場は分かっていて研究所正門右の駐車場に停めた。昨年と違って今年は見学者が多く、もう正門から２０ｍ位の待ち行列が出来ていた。

（４）見学者の層が厚い
　今日は小中学校の夏休み中ということもあって、親に連れられた小中学生が多い。しかし意外にも若いカップルや中年のカップルも沢山来ているのは昨年と同様だ。
　Ｈ２Ａロケットの失敗があり、近日中に打ち上げれれる予定で連日ＴＶや新聞で報道されているので一般の方にも関心が高まっていることもあるのかもしれない。

（５）月ペネトレータについての新しい発見
　昨年はＧＰ(Global Parson)さんが、そして今年はＨＭさんが科学技術に関心が高いのでまたゆっくり見学することになった。
　月ペネトレータとは月探査母船から大砲の弾のような形状の物体を月に向けて落下させる。月面到着時の速度は時速1000kmで月面の１～２ｍの深さにもぐり月の地震等の観測をするというものである。

　ＨＭさんの質問：月面の１～２ｍの深さにどんな意味があるのか？
　説明員の回答　：月面は真空でありその時月面の砂は断熱材と同じで外部の温度に影響されない。
・深さ１ｍなくても温度が－５℃位で一定であり、この位の温度なら観測機器はダメージを受けない。
・従って、月面の１～２ｍの深さは大変な意味を持つ。
・またミリ波ならば２ｍの深さでも十分に電波が出る。

　私ＳＭの質問：岩に衝突したらどうするか？
　説明員の回答：予め母船から岩の少ない地点を探し落下させる。
・殆どは砂であり万一岩でも小さければ割って砂に潜り込む。

　なあ～るほど、二人共大変感心し納得した。

月ペネトレータの説明者月探査機の実験機歩行型月探査機の実演

（６）昼食抜きで５時間半
　９：５０に入場して、見学終了したのが１５：５０、即ち、６時間もの間、殆ど立ち通しで見学した。私もＨＭさんも足が痛くなり、ビデオによる説明のように椅子に座れる設備のときは腰をかけた。昨年と違うのは会場内でソフトドリンクとおにぎり等の簡単な食事ができることであった。それでも３時近くに椅子に座っておにぎりを食べた。
　ま、２人共、良く長時間見学したものだ。

（７）新技術発見
　今年初めて公開されたものにＡＴＲ(Air Turbo Ram)エンジンである。
　これは日本が開発を進めている宇宙往還用のジェット機のエンジンでマッハ３～６を出せるという優れものだ。今のロケットは皆使い捨てなので費用が嵩むが、この飛行機は最終ロケットを乗せて大気圏近くまで飛んでいきロケットを切り離したあとは地上に戻ってくるという反復使用出来る飛行機なのだ。
　ロケットを最高の速度まで上げるためこの飛行機はマッハ３～６で飛べるのだという。だから、そのエンジンは最新の技術が使われている。
　[情報]
　　①　このエンジンの軸は　無潤滑、無冷却の優れもの。
　　②　エンジン方式は　マルマンクランプ方式
　　③　材料工学は　炭素窒素複合材で2000℃に耐えられる。（通常は1000℃）
　　③　ＡＴＲの実験は　能代市にある「ロケット実験場」で実験されている。
　　③　飛行試験は　北海道大樹町にある飛行試験場で行われる。

　昨年、航空宇宙展で公開された超音速旅客機用エンジン・ＣＣＥ（コンバイインド・サイクル・エンジン）とは違うが、共通技術もある。それは RAM JET エンジンを使うことである。またＡＴＲは燃料を液体水素と液体酸素を使うところが全く異なる。
　マッハ１～３領域ではエアーターボを使い、マッハ３～６領域では RAM JET を使うという、これもコンバインド・エンジンなのだ。
【特別な工夫】
　通常のＪＥＴエンジンは高圧にするためのタービンが必要だがこのエンジンはマッハを超えているので加圧の必要なない。エンジン内がマッハを超えるとエンジンは破壊してしまうので、エンジン前で減速減圧する。
　極低温の液体水素燃料をエンジンの熱で気化させるため、その熱交換器が後部にある。気化された水素を中ほどに戻しその力でタービンを回し且つ燃料として噴射する。従って、熱効率が極めてよい（排ガスの熱を気化に使う）エンジンとなる。

　写真をご覧下さい。

ＡＴＲエンジンの模型

　　①　　　　　　　　　　　　　②　　　　　　③　　　　　④　　　　　⑤

　①空気流量調節器　　②減圧器　　③加圧タービン　　④燃焼/熱交換器　　⑤噴射器

（８）レールガン
　昨年３回も見たレールガン。
　これは、２ｍ位の鉄の棒の孔の中に、１円玉大のアルミ箔のボールをいれて鉄砲のように撃つというものだが、その原理は極めて簡単な「フレミング左手の法則」の応用なのだから驚く。
　筒は「溝を彫った強硬な鉄の塊」のような棒状の物を２枚合わせてその間に電気の絶縁体が挟んである。その溝が合わさって筒の孔になっている。その上の鉄を＋、下の鉄を－にして（下方向に＜中指方向＞）瞬間の大電流を流すと人差し指方向に磁場が出来て、親指方向に力が加わり、玉が飛び出す。という将にフレミング左手の法則そのものなのだ。

「フレミング左手の法則」の応用

昨年見た感想をＨＭさんに説明した。
① 発射音が大きい。　（大砲のようにドカ～ンという音）
② 閃光が強い。　　　（一瞬だが眩しくて暫く物が見えなくなる）
③ 威力が強烈。　　　（実弾では厚さ２ｃｍのアルミ板を突き抜けてしまう）

ＨＭさんは「大きな音は嫌いだ」といって最初から見るのを辞めた。

＜耳の異常＞
　私は昨年３回も見たためか、その後、自分の耳が異常を来たし、耳鼻咽喉科に通う羽目になった。まる１年になったが、いまだに回復していない。
　症状は、１KHz までは正常だが、２KHz 、４KHz 付近は殆ど聞こえず、８KHz は右耳と同程度で正常。従って、ダメージを受けた左耳では、ＴＶで良く表示する「音声を変えています」のように変わった声で聞こえてしまい、相手の人物を特定できない。通常、左耳で電話を受けるので大変不便である。１年間通院したが絶望的である。

（９）ＨＭさんは大満足
　ＨＭさんは大満足で来年も来たいといっていた。

ＡＳＴＲＯ－Ｆ望遠鏡

　今回の「サイエンスアドベンチャー」シリーズの見学ツーリングも大満足のうちに終了した。

以上

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