【ニュートリノ観測施設見学ツーリング】
Ver.1.01 2001/09/09
Ver.7.01 2001/11/14
【9月度STー21ツーリング・報告書】
「宙ドームカミオカ」TS氏撮影
1、日 程 2001年 9月23日(日)、24日(休日)
2、目的地
岐阜県神岡町(スーパーカミオカンデ)
3、集合場所
【ST-21(関東)】
談合坂SA 6:40集合 7:00出発
【ST-21(関西) & ST-21(中部)】
現地集合(宙ドームカミオカ)
4、ハイライト(見どころ)
①神岡大橋 (今回はパス)
②観光・立ち達磨 (今回はパス)
③宙ドーム神岡 (今回はここから参加)
④江馬館庭園
⑤神岡城、郷土館、鉱山資料館
⑥大坪酒造(酒蔵見学)
⑦跡津坑口スーパーカミオカンデ見学
5、参加メンバー
記号 | メンバー愛称 | 所 有 車 |
SD | Soft Daddy | KAWASAKI ZEPHYR-1100 |
SP | Silent Person | KAWASAKI ZZR 1100 Ninja |
TB | Teddy Bear | HONDA ST-1100 Pan European |
TS | Tokyo Sunrise | HONDA VT-1100 Shadow |
HM | Harley Man | Harley Davidson FLHTC 1340cc |
SM | Snow Man | BMW R1100-RS |
6、行程表
[1日目]
[関西](SP)
自宅────京都西IC────大津SA────養老SA─────┐
名神道 名神道 │
[関西](SD) │ 東海北陸道
自宅─────名阪・大内SA──────小牧JCT───── 一宮JCT───①
東名阪道 │ 名神道
[中部](TB) │
自宅───────小牧東IC────────┘
東海北陸道 R41 R41 (スカイ)
①───飛騨満見IC──────高山市─────古川─────宙ドームカミオカ
11:35到着
[関東](TS、HM、SM)6:40集合37km 163km
自宅────八王子IC────談合坂SA────諏訪湖SA────岡谷JCT
5:50 6:00 中央道 6:20~7:00 8:20~45
長野道 193km 200km 220km R158 R471 (スカイ) 277km
───松本IC―─GAS──奈川渡ダム────安房トンネル────宙ドームカミオカ
9:05 9:20~25 9:55~10:15 10:45通過 11:25到着
【見学全体のツアーコース】<宙ドームカミオカから参加>
神岡鉄道 バス 観光 バス 昼食・展示視察
猪谷駅++++++神岡大橋=====立ち達磨=====宙ドームカミオカ~~~~~
10:08出発 10:38~10:50 11:00~40 11:25~12:30
観光 観光 藤波八丁 観光
江馬館庭園====神岡城、郷土館、鉱山資料館~~~~~~~~大坪酒造(酒蔵見学)
12:40~13:15 13:20~50 13:55~14:05 14:05~14:35
バス 観光 バス 神岡鉄道
=====跡津坑口スーパーカミオカンデ見学=====漆山駅++++++猪谷駅
15:00~16:30 16:45~54 17:08
┗====宙ドームカミオカ
【++++神岡鉄道 ~~~~徒歩 ====バス】 17:15
321km 324km
宙ドームカミオカ────古川───GAS───高山市内────国民宿舎「飛騨」
17:15~20 18:15~20 18:30
[2日目]
324km 326km 362km 406km
国民宿舎「飛騨」────高山の朝市────安房トンネル────おやきの店
9:00 9:10~11:10 11:55 12:50~13:25
410km 426km 502km
────GAS────松本IC────双葉SA────(途中渋滞8km)────
13:30 13:40 14:25~50
565km 598km 603km
談合坂SA────(渋滞)────八王子IC────GAS────自宅
15:50~16:20 16:45 17:00
7、走行距離
項 目 | デ ー タ ( BMW R1100-RS ) |
総走行距離 |
603.0km ( ODO:44251 km )
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燃 料 |
31.4L (10.6+6.7+4.1+10.0)
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燃 費 |
19.2km/L
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総経過時間 |
20時間 30分 (12.5+8.0)
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今回、エンジン快調。
8、内容
今回のツーリングの第一目的はニュートリノ観測施設「スーパーカミオカンデ」の見学である。
私は昨年も一度見学したが見学したことのない仲間からも多くの期待があり今回企画することになった。今回の幹事もこの施設がある岐阜県の出身者TBさんにお願いした。
この施設の見学は年一回一般公開されるが、希望者が多く今年8月に行われた見学会は抽選から外れた。TBさんがいろいろ調べてくれて、今年から別のツアーコースとして7~9月の間2回/月行われることが分かりエントリーしたものである。
(1)企画
このツアーの企画は神岡鉄道㈱が主催したもので、町興しと鉄道の活用を促進するのが目的のツアーである。
(2)参加者
今回の参加者は24人で我々バイク仲間(ST-21)は6人で全体の1/4を占めている。ST-21(関西)から2人、ST-21(中部)から1人、ST-21(関東)から3人の計6人となった。
[第1日目]
第一目的のスーパーマミオカンデ見学は第1日目なので集合時間に遅れないように余裕のある企画が必要だった。2週間前に乗鞍にツーリングしたのでその近く迄のスケジュールは正確に予測できた。その結果、目的地には当初計画の5分前に到着した。5時間30分の旅で誤差が5分、即ち5/330=1.5%の正確さなのだから驚異的である。
大皿ラーメン
(1)現地集合
我々東京組みは中央道・談合坂SAに6:40集合で7:00出発。3人とも時間までには到着し予定通り出発した。途中諏訪湖SAと奈川渡ダムで休憩して、現地・岐阜県神岡(宙ドームカミオカ)に計画の5分前に到着した。
幹事のTBさんは自宅(岐阜)から一般道で予定より1時間半早く到着したとのこと。関西組2人は我々より10分遅れて到着した。ここにある軽食屋で大皿ラーメン(写真)をオーダーした。
今回はここからツアーで夕方までバイクに乗らないので生ビールを楽しむことが出来た。
【宙ドームカミオカで事前の勉強】

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実際のコンピュータ映像 |
スーパーカミオカンデの構造 |
背面の球は光電子増倍管 |
(2)江馬館庭園
ツアーの1つ目は「江馬館庭園」の見学だ。マイクロバスで5分くらいでここに到着した。ここは長い間、田圃の中に埋もれていたらしい。町の教育委員会が7年前から発掘を始めて庭の全容が見えてきた。
福井県の朝倉家の邸宅跡より100年も古いとのことで、周囲には家来の邸宅はない。朝倉家の頃から殿様の邸宅周辺に家来が住むようになったらしい。
若い女性説明員(麦藁帽子の人)は大変張り切って説明していた。この小さな町では考古学者扱いなのかもしれない。

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「江馬館庭園」発掘現場の見学 |
神岡城
(3)神岡城、郷土館、鉱山資料館
上岡城は本当に小さな城実は当時はこのような城はなく「ただの家」だったとの説明が先ほどの教育委員からあった。これは町興しでそれらしく作ったとのこと。少々がっかりだが町のシンボルとしては良いかもしれない。この近くに郷土館、鉱山資料館もありセットで見学できる。
(4)藤波八丁
高原川の峡谷で中々美しいところだ。紅葉に時期であれば下に降りてみるのも良いかも知れない。
大坪酒造
(5)大坪酒造(酒蔵見学)
地酒を造っている大坪酒造(酒蔵)の見学である。崖のようなところに石を積んで作られた酒蔵だ。説明員は市の職員がボランティアで説明していた。説明者になりきってしまえばよいのに「、、、、、らしい」などと言うので少々実感が湧かない。大きなドラム缶状のムロが20本くらいあったが、これで原酒1万本も作れるというので驚いた。
酒蔵では原酒単位で生産量を言うらしい。ここの女将さん曰く一般で売られている酒は原酒を水やブドウ糖で薄めるので、通常「水割り」と言うのだそうだ。
見学が終わると定番の試飲と土産売り場だ。ここで作っている酒「飛騨娘」と「飛騨辛口」を試飲した。いろいろ話をしていたら女将さん(40歳位)が原酒と濁り酒を振舞ってくれた。2種類とも大変美味しかった。原酒は通常20度(%)弱だそうだ。
今晩、宿舎で皆で晩酌するのに良いので辛口1本を買った。
バスでの移動にがっかり
(6)いよいよスーパーカミオカンデの見学
私は昨年も見学し、ここに入るトロッコが気に入っていた。なにしろ、インディージョーンズに出てくるようなトロッコなので大変面白い。ディズニーランドのスペースマウンテンより恐怖感があり楽しい。
しかし、今年からトロッコは廃線になり大型バスでトンネルに入るというのでがっかりした。
ガイドは社長さん
(7)ガイドは社長さん
ここのスーパーカミオカンデ見学のガイドさんは神岡鉄道㈱の社長さんで神岡鉱業㈱跡津坑山の常務さんでもあるその方が直々に案内してくださった。
ここに来る迄は、旅行会社の女性ガイドさんが案内してくれたのだが、そのときからこの方が同行しており、ここで始めて社長さんと分かった。大変品のある方だと思っていたら、やはり、会社の社長さんだったのだ。東京から単身赴任しているとの由。
社長さんガイドなので、普段見られない真っ暗闇のトンネルの行き止まりまで案内してくださった。照明はガイドさんの懐中電灯一つだけなので24人を案内する。列の後の人は足元が殆ど見えない。足元はコンクリートでよく整備されているので危険ではないが真っ暗闇を感で歩くしかない。
(下2列5枚の写真(@印)はTSさん提供)

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@ 内部はこんなに広い |
@ 昨年まで使用したトロッコ |
トロッコのトンネルは狭い 昨年ここを高速で走り抜けた |

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@ 全体説明を聞く |
@ 光電子増倍管を実物で説明 |
@ 純水供給管 |

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巨大水槽の内部 コンセンサスより転載 |
小渕元首相のサイン |
有馬元東大総長揮毫 |
世界の学者のサイン |
(8)スーパーカミオカンデ
ニュートリノとは地球をも突き抜けてしまう素粒子である。これを観測するのに神岡鉱山の地下1000mのところに直径39m、深さ41mの巨大な水槽を作りその中に5万トンの純水を入れたものだ。これを名付けて「スーパーカミオカンデ」という。また、この方法を発見した旧ソ連・科学者の名に因んで「チェレンコフ型」という。
ニュートリノがこの巨大水槽の水の分子と衝突して一部が発光する。それもかすかな光なので、高感度の光増倍管をこの水槽の内部一面(床、壁面、天井)に11,146本も取り付けて観測するというものだ。これをコンピュータで画像化したものが「宙ドームカミオカ」でご紹介したコンピュータ分析画像である。
この光電子増倍管(世界最大:直径50cm)の感度は月で懐中電灯をつけたものを地球で認識できると言う優れものなのだ。価格は1個30万円、従って、この球だけで33億円もする。この水槽の建設費は40億円したとのことなので、この光増倍管の高価なことが分かるというものだ。因みに、総工費は104億円、建設期間は6年(平成3年度~8年度)だったそうだ。
今はたまたまニュートリノを観測する目玉「光電子増倍管」の定期点検で2001年7月に切れた830本(全体で11,146本)を交換し、純水を注入中であった。まだ全体の20%位で満タンまであと2ヶ月くらい掛かるらしい。
(9)お別れ
バスで神岡鉄道・漆山駅へ行くまでの間、バスの中で社長ガイドさんから質問2つ。
1つ目は「今スーパーカミオカンデよりも大きなものを計画中で、これを何と命名するか?」 2つ目、このガイドさんは最後に土産の販売をしたが「このプラスティックの小さな小瓶に入った銀色の小粒。周りを擦ると小粒が舞うが、このマジックと材料は何か?」
我々仲間は科学好き。1つ目は、「ハイパーカミオカンデ」で一発正解。2つ目の答えは、「容器内で舞うのは静電気によるもの」「材料は鉛不使用のハンダ材」この件は「某電機メーカーと契約済み」とのヒントがあったものの、これも一発正解だった。
そうこうしているうちに漆山駅に到着。ガイドさんの用意したお土産は完売した。
最後は神岡鉄道・漆山駅から猪谷駅まで乗って解散となるのだが、我々はバイクで来て「宙ドームカミオカ」から途中参加したのでこの鉄道には乗らずにバスでバイクを置いたところまで戻ることになった。
皆がホームに着くとすぐに「おくひだ1号」が明るい前照灯を点けて滑り込んできた。社長さんが漆山駅で観光客を見送ってからこのバスで戻るのでその時間我々も観光客を見送った。
見送り終わった社長さんがバスの方に戻るときの姿が何となく寂しそうに感じた。(写真)

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「おくひだ1号」が来た |
観光客を見送った社長さん 何となく寂し気 |
宿泊先
国民宿舎「飛騨」 [1泊2食付\6,790(税込み)]
TEL:0577-32-2400 高山市西之一色村3-1043-1
[2日目]
翌日は高山の朝市を見るだけにした。
ここはいつ来ても中々雰囲気がよく写真を撮るにも最適なところである。ここでは一部を紹介してお別れとします。
今回も大きなトラブルもなく、無事楽しいツーリングを終えた。
10、費 用
項 目 | 費 用 (円) |
ガ ソ リ ン |
3,603 (1336+652+512+1103)
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高速道路 |
8,200 (3500x2+600+1100)
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ツアー費用 |
3,500
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飲 食 |
1,899 (850+1350+120x2)
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宿 泊 |
7.900 (7500+400)
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土 産 |
2,462 (1512+950)
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合 計 |
27,564
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以上
【スーパーカミオカンデ事故】
その後、2001年11月12日「スーパーカミオカンデ」で事故が発生して5000本以上の光電子増倍管が破損した。1本30万円もするのでこの費用だけで15億円の損害である。原因は現在究明中であるが衝撃波で連鎖的に破壊された模様。
光電子増倍管は浜松フォトニクスというメーカーしか作れないので、これから発注しても相当の時間がかかり、ニュートリノの研究に大きな影響を与えるであろう。
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