<二輪車ツーリングのすすめ>


第2回さあ二輪車に乗ってみましょう。

 さあ、第一回を読まれて、あなたは自信がついたことでしょう。
 さあ、チャレンジしましょう。老若男女を問いません。

 春は将に二輪車ツーリングの最適の季節です。しかし、春夏秋冬それぞれ二輪車ツーリングは楽しいですよ。

 二輪車ツーリングの醍醐味は何と言っても「爽やかな風を直接感じながら走る」ことでしょう。もう最高。
 これは四輪車では決して味わえない快感です。オープンカーやジープも風を直接受けますが、あのような箱に入って大きなガラス板に保護されているのとは全く異ります。
 また自動二輪は鉄の馬に乗っているのと同じで、自分の引く手綱(アクセル)の通り反応し、方向のコントロールも自分の身体を傾けるだけで出来ますので、車そのものが自分の身体のように反応するのです。ですから「人馬一体」ならぬ「人車一体」となって走ります。だから四輪車とは全く違います。

 私は四輪車(普通のセダン)にも良く乗りますが、椅子にただ座っているだけなので、何の面白味もありません。四輪駆動のオフロード車などは楽しいかも知れませんね。

[基本をマスターすれば安全かつ楽しい]  二輪車に乗るには、基本を守り実践できることが重要です。どれも簡単なことですから誰にでもできます。

[その1、装備]

 安心して乗れるように安全な装備をしましょう。

 靴は専用のブーツと革のグラブ、そして、ヘルメットは必須です。ヘルメットは高級品(正価:4万円位,SNEL 95規格品、JIS C種 規格品)のもので、出来ればフルフェース・タイプが良いでしょう。

 素手でスニーカーというスタイルで乗っているバイカーは言語道断で二輪車に乗る資格がありません。一寸した転倒でも大怪我をします。
 また、安物ヘルメットは縁の構造が悪く、また重いので万一転倒したとき、その慣性で首の頸骨を損傷し死亡することがありますし、フルフェースでないヘルメット(ファミリーバイク用など)は顎や頬をガードできませんから、顎や頬の裂傷という大怪我をする可能性があります。また、ジェットヘルは視界が広く夏は涼しくて良いのですが、顎がガードできません。やはり、フルフェースがBESTです。

 少し馴れて長距離ツーリングをするようになったら、革のズボンと革のジャケットを、又は、肩、肘、膝パットの付いた専用のウェアを身につけましょう。
 そうすれば、もう安心です。万一、転倒しても大した怪我はしません。

 二輪のレーサーを見て下さい100Km/h以上で走行中に転倒しても、転がって、自力で走ってコース外に出るのを見たことがあるでしょう。レーサーは完全装備をしているのです。

[その2、基本テクニック]

 中型二輪免許を取得すれば基本的なことは一応マスターしたことになりますが、実践では出来ない人が多数見受けられます。

(1)ブレーキング

 先ずは、ブレーキングです。前輪:後輪=8;2(又は7:3)前輪に8割、後輪に2割の割合でブレーキをかけます。
 自転車に慣れた人は全くこの逆になってしまい非常に危険です。自動二輪は前輪のブレーキが非常に良く利きますが、後輪はやや弱めです。また後輪のブレーキを掛けすぎると後輪が横滑りをしてコントロール出来なくなり転倒します。ですから、先ずは前輪主体のブレーキングに慣れることが重要です。しかし、技術が向上したら、「路面状況(砂や土)」や「雨による道路の濡れ具合」により前輪と後輪のブレーキを巧みに使い分けます。

(2)ニーグリップ

 次に重要なのはニー・グリップです。ニー・グリップとは、膝でバイクを挟んで乗ることをいいます。こうしていると、人と車が一体となって傾くことが出来ます。二輪車が曲がるのはハンドルを曲げるのではなく、車を傾けるのです。これをバンクといい、車を傾けるだけで、右でも左でも自由自在に曲がるのです。バンクをするためにはニーグリップが十分に出来なければなりません。
 これが出来れば、もあなたはベテランライダーになれます。

 50ccバイクで股を開いて乗っている人を見かけますが、これは全く危険です。カーブを十分に曲がれません。この人達はハンドルで曲がっているのです。この方法を私は「自転車乗り」といっています。全くの素人です。自転車のようにせいぜい20〜30km/hならばこの方法で十分曲がれるでしょう。

(3)スローイン/ファーストアウト

 最後のポインはスローイン/ファーストアウト。曲がり道では、絶対にブレーキを掛けてはなりません。すぐに横滑りし、転倒します。曲がり道になる前の直線コースで十分に速度を落とし、曲がれるだけの速度にします。曲がり始めたら、アクセルを上げて加速します。そうすると、前に言った通りバンク(傾く)した車が立ち上がります。もし、加速しないで、いつまでも傾いていたら当然倒れてしまいます。だから加速します。このことをトラクションといって、加速すると後輪が蹴るので車が立ち上がります。
 このことを、遅い速度でカーブに入り、速い速度でカーブから出るので「スローイン/ファーストアウト」と云います。

 この大きな3つのポイントがマスター出来れば、もう恐いものはありません。かなりの急カーブでも安全に早く曲がれます。もちろん、センターラインオーバーやガードレール接触といったことはありません。

中型二輪免許を取りたてのライダーの中には、これが不十分で、ガードレールに激突したり、センターラインオーバーで対向車と正面衝突し、大きな事故になってしまう例があります。

 さあ、完全装備で十分な技量を持って、安全にしかも早く走りましょう。

また、お会いしましょう。

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