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和 名 |
ミョウテンジカワモズク |
学 名 |
B. gelatinosum f. spermatoinvolucrum Vis et Sheath |
同種異名 |
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埼玉産地 |
和光市妙典寺,市場狭,新倉ふれあいの森, |
カテゴリー |
絶滅危惧T類(CR+EN) |
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熊野2000 |
p.80 |
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須貝・熊野 |
別刷り(2010) |
ミョウテンジカワモズク
最初は B. spermatoinvolucrum の名で記載されたが、後に B. gelatinosum
f. spermatoinvolucrum に落とした.
藻体は雌雄同株.輪生枝叢は融合,球形,果胞子体をもつ成熟した輪生枝叢は太さ239-846
μm,輪生枝は5-18細胞からなり,皮層細胞は円柱形.精子嚢は栄養輪生枝と,造果器をつける枝の被覆枝の先端につく.造果器は大きさ形ともに多様で,太さ8-17μm,長さ40-86μm.果胞子体は球形,輪生枝叢に1-10個,中軸から様々な距離に位置し,直径44-158μm.果胞子は2-4細胞性の造胞糸に頂生し,太さ6-14μm,長さ6-16μm.
タイプ産地:北米:カナダ,Newfoundland州,Labrador,Nain.
タイプ標本:UBCA81615.
分布:タイプ産地のほか,北米では19の産地がある. |
日本新産品種ミョウテンジカワモズク(新称):の記載 須貝・熊野(2010)
雌雄同株,輪生枝叢は球形,後に融合する・藻体は長さ5-15cm,直径294-588μm.輪生枝は円柱形,紡錘形の9-12細胞からなる.皮層細胞系はよく発達する.精子嚢は直径7-12μm,輪生枝の先端部と,輪生枝と区別できないほどよく発達した造果器をつける枝の側枝の先端に形成される.造果器は大きさ,形態ともに多様で,太さ12-23μm,長さ41-65μm.果胞子体は未熟で果胞子嚢も認められなかった.
以上の特徴から,妙典寺産のカワモズクは「輪生枝先端部とよく発達した造果器をつける枝の側枝の先端に精子嚢が形成される」という形質に基づいて記載され(Visetshea血,1996)その後分子系統のデータに基づいて品種にランク替えされ
B. gelatinosum f. spermatoinvolucrum に同定された.
原記載には藻体の長さの記載はないが,成熟した藻体の直径は239-846μm,輪生枝は5-18細胞からなるとされている.精子嚢は輪生枝の先端部と造果器をつける枝の側枝の先端に形成され,造果器は大きさ,形態ともに多様で,太さ8-17μm,長さ40-86μmと記載されている.
洲澤(環境省レッドリスト見直し調査,未公表)は妙典寺産の標本をニホンカワモズクと同定したが,ニホンカワモズクにはこの精子嚢の特徴はみられない.藻体の一部にニホンカワモズクと似ている点もあるものの,年間を通じて標本を観察すれば,この精子嚢の形質から妙典寺産のカワモズクはB. gelatinosum f. spermatoinvolucrum であると考えられる.なお,原記載からみれば,妙典寺産の藻体の大きさは多少小型であるといえる. |
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