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「はらだ・よしかの聞き見み頭巾Ⅵ」
| Vol.3 ☆今週のキーワード・・・「金環蝕」 あらまあ、ハラダさんたら、いくら流行にうといへそ曲がりでも、これは頂けませんわ。「金環蝕」じゃなくて「金環食」でしょ。字間違ってますわよ。と、突っ込みを受けそうだが、珍しく間違っていないハラダである。 10年前ぐらいまでは「金環蝕」という表記が主流だったらしいが、この頃は「金環日食」と分かり易く表記する場合が増えてきた。 しかし。流行にうとくへそ曲がりなハラダが拾うキーワードが、明日見えるはずであろう「金環日食」を指すはずがない。 というわけで、今回ハラダが選んだ「金環蝕」というキーワードは、1975年に製作公開された映画を指す。 どうだ、流行に背を向けるへそ曲がりのハラダしか出来ないチョイスだろう。 と、誰に向かって威張ってみせているのか謎であるが。 流行にうとくへそ曲がりなハラダ(いい加減しつこい?)が「金環蝕」を選ぶに至った経緯を簡単に記すと。 ここ数日。ネットニュースを見ても、テレビをつけても、「金環食」「きんかんしょく」と連呼されている状態。天体ショーにあまり興味を持たないハラダであるが、「この響き、とてもよく知ってる」と強く思った。しかし、文字面をみると「金環食」とある。 その時脳裏に「金環蝕」という文字が、仲代達矢さんの強い目線とともに思い出されたのである。 映画だ。病気を得て、昔みた映画の記憶がほとんどなくなってしまっていたが、奇跡的にこの『金環蝕』という映画を見たことと、見た内容をおぼろげに思い出した。 ウィキペディアによると、「小説『金環蝕』の初出はサンデー毎日の連載で、1966年に単行本として刊行された。九頭竜ダム落札事件をモデルに、保守政党の総裁選挙に端を発した汚職事件を描いた。映画『金環蝕』はこれを原作とし、大映映画(当時の大映の製作子会社、現在の角川書店映画部門)が製作、東宝が配給し1975年9月6日に公開された」とあった。公開当時、私は9歳。もちろんオンタイムでは観ていない。 多分、東京に出てきて、今は亡き早稲田のアクト・ミニシアターという小さな劇場で、山本監督の特集、しかもオールナイト上映でみたのか。はたまた池袋の文芸坐でみたのか。 小説『金環蝕』は、石川達三の作品。彼は社会派作家と呼ばれ、映画化された作品は「青春の蹉跌」「人間の壁」などがある。ちなみに「自分の穴の中で」という作品も月丘夢路主演で映画化されているらしい。 監督の山本薩夫も社会派の映画監督として知られている。 とはいえ、今の若い人、いや、ハラダの年代の人間でもこの監督の作品を観ている人はそうは多くないかもしれない。『白い巨塔』や『華麗なる一族』は近年でもテレビドラマ化されたので知っている人も多いとは思うが、一連の山崎豊子作品や、構造汚職を摘発した石川達三原作の『金環蝕』、他に『戦争と人間』三部作、『皇帝のいない八月』などの社会作を連続して監督したことでも、その華麗な実力は実証されている。 華麗な実力とはどういうことか。「社会派として反体制的な題材を扱いながらも娯楽色豊かに仕上げる手腕・平衡感覚をもった監督であり、興行的にも常に成功していたため、共産党を嫌った大映・永田雅一や東宝・藤本真澄など経営者級プロデューサー達にも起用された」とウィキペディアには綴られている。 さて肝心の作品の内容だが、いわゆる汚職事件に絡む人間の欲と業の深さを描いている。 映画では九州・福流川とされているが、実際は福井県の九頭竜川ダム建設に絡んだ実話だ。 総裁選で争ったのは池田隼人と佐藤栄作、神谷直吉は田中彰二、事件もみ消しに動く幹事長は田中角栄。ハラダが思い出した仲代達矢さんは、この幹事長役である。 タイトルの『金環蝕』とは日食の時、月の方が小さくて太陽を覆い隠せなかった時、黒い太陽の周りにほんのり金色の輪が出来る状態をいう。 この作品では「周りは金色の栄光に輝いて見えるが、中のほうは真っ黒に腐っている」というテーマの象徴として使われている。 2012年現在、去年の大震災に対する報道が極端に少なくなり、原発関係の報道も下火、天体ショーと浮かれているときに、この映画を思い出す妙を思う。 映画の中で「10億円の実弾がとんだ」選挙戦が描かれていたというが、そこまでして得るものはいったいなんだったんだろうか。 少なくとも、我々国民のため、でなかったのだろうということだけは察しがつく。 1961年2月、1962年7月、1963年1月、1965年11月、1966年5月と金環蝕は起こっていたようだ。 日本からそれが見れたのか、当時、メディアが騒いだのか、そこまでは調べられなかったが、天体の様子は今も昔も変わらないことだろう。 太陽の手前に月が重なり、月が太陽を隠しきれないところから、光の環が見える、「金柑日食」という現象。 その光の環を「ゴールデンリング」と見立て、プロポーズのきっかけにするという人もいれば、「周りは金色の栄光に輝いて見えるが、中のほうは真っ黒に腐っている」という象徴として捉える感覚をもつ人もいる。 起こる現実は1つかもしれないが、目線の当て方で、その意味はいかようにでも捉えることが出来るのだと。 なんて、またまた格好いい終わり方をしてしまうハラダです。 普段は色眼鏡でみられているハラダが、明日は色眼鏡をかけて『金環食』を愉しみたいと思います。 明日、太陽が見ることの出来るかという天気が話題になっておりますが、ハラダのポイントはちょっとずれています。 ええ、多分、その時間起き上がれているかが最大のポイントとなると思います……。 |
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