ハチ的コミケット60従軍記
〜有明の一番長い日〜

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※サークル名は、全て敬称略とさせて頂きます。ご了承下さい。


8月11日

 1800時現在、仕事が終わらない

 コミケ2日目。今夜出発し、明日の3日目に一般で参加する事になってるのだが、仕事が4月10日直後の幻獣の如く。出発は2130時なんで、大丈夫とタカをくくってたが、ちょっと不安になってきた。

 1830時。そろそろ危機感を感じる。
 1855時。上司に頼み込み、帰らせてもらう。
 1902時。ロッカーから着替えを引っ張り出し、トイレへ駆け込む。
 ロッカーの傍には窓があり、どうしても中華キャノンが見えてしまうので、この手段をとる。
 1903時。着替え開始。汗にまみれた服を脱ぐ。
 1904時。昨日洗ったばっかの服一式に着替える。
 1905時。さっき脱いだ、かぐわしき服をロッカーに押し込む。
 1908時。仕事場をダッシュで出る。

 次の普通で特急に乗り継げば、安全圏内だ!筑紫駅までの道のりを駆けて行くハチ。空は快晴、夕日が美しい。夕日と言えば、東京の天気はどうだろう?走りながら、Kに電話する。

 「我輩である」あ、そっちの天気はどう?「小雨が降ったり止んだりであるぞ」さっき天気予報見たら、あんまり良くないそうなんだけど「そうであるな」レインコートは要るか?「ああ、必用であろうな。備えはあった方が良いぞ」コンビニで売ってるような程度でいいか?「問題は無い」じゃ、東京で。

 何とか電車には間に合い、1955時に天神に到着。地下鉄に乗り換えて空港へ向かう。途中、キャッシュ機で当日の実弾を下ろしに行く。なんだかんだいって財布も汗まみれになったりするんで、本を買う際に出すお金は、なるべくキレイな方が好ましい

 その後、地下鉄に乗り継いで、2040時に福岡空港に到着。天神から地下鉄で10分強、博多からは5分…福岡空港って、もしかして都心部からのアクセスが世界一良いんじゃない?昔、名古屋行った時に名古屋空港使ったんだけど、あのアクセスの悪さは酷かった(汗)

 搭乗手続きを済ませる。しかし、腹は減っている。売店にて、弁当とビール&つまみを調達。が、早くも出発間近。機内で食す事にする。飛行機は無事に飛び、直にベルト装着ランプが消える。早速ビールをば、グビグビと。そう、グビグビっと、グビグ……??

 ………酒って、飛んでる飛行機の中で飲むものじゃないね。悪酔いしてか、350缶半分で気分悪くなってきた(汗)

 顔面蒼白になりつつ残り半分を流し込み、弁当を食らった後、パンフを引っ張り出してサークルチェックをする。その間、スッチーの人が通りかかる気配を察知しては、エロエロなカットが載ってるページを隠し、通りすぎてはまた開く、を繰り返すハチ。そうしてる内に、2245時、羽田空港へ到着。

 パスネットカードを買い、京急で品川へ向かえ。とKに言われてるのだが…パスネットカードを売ってる券売機が無い。どうすることもできず、Kに連絡。窓口で聞けと言ったので、聞いてみると、そこで売ってた。1000円分買い、品川へと向かう。

 日付は変わって、0005時。品川駅に到着。普通で乗り、途中で乗り換えて30分近くかかった。やっぱ、福岡空港が便利過ぎるだけなのだろうか?で、先行者装甲集団の駐屯地である品川の某ホテルへと向かう。

 荷物を下ろして一息する間も無く、Kの戦利品の自慢話を聞かされる明日の打ち合せに入る。本隊である先行者装甲集団から連絡将校として、ぽこもけさんが来ていた。今日までの戦況の説明と、当日のハチの移動順序の確認を取る。あらかたレクチャーが終わり、部屋を見回してみると、部屋の至るところに戦利品が詰まったダンボール箱が。

 「ああ、これか?我輩はいつもこの程度だぞ。なぁ?」と、至極平然とぽこもけさんに振るK(汗)で、ぽこもけさんも、いとも簡単に同意するし(滝汗)

 ぽこもけさんも自室に下がり、打ち合わせも終了。が、時計は既に1時半を回っていた。起床時間まで2時間ほどしか無い。急ぎシャワーを浴びて、とりあえずはベッドに潜り込むハチ。ちょっとウトウトしたら、直ぐに叩き起こされる事だろう。


8月12日

 0340時。子宮への回帰から、一気に現実世界へと強制送還。

 早速、急ぎ準備を整える。手始めに、洗顔及びベッドメイクの後に、味のれんTシャツを着る。続いては、バッグパックから野戦装備を取り出し、ベルトに装着する。即ち、ウエストバッグ2とペットボトルホルダー1。これで出撃完了☆Kも直に準備を終え、0420時頃に出撃。

 ホテルを出る。幸い、雨は降っていない。これより、新設された臨海線天王洲アイル駅に赴き、0515時の始発に乗り会場へ向かう事になる。まずは、タクシーで天王洲アイルまで移動。階段を降り、駅入り口へ。意外と急な階段を降りて行くと、そこが地獄への入り口に思えるんだが何故だろう。

 駅へ着いたのは0430時。駅入り口のシャッターは未だ閉まっているが、すでに数名の先客がいた。長髪やら巨体やらの混成部隊で、いかにも世間一般的なオタクのイメージそのままな百戦錬磨の猛者の風体。頼もしい戦友か、それとも最大のライバルか。しばらく時間があるので、コンビニで調達した糧食を口にする。トイレが怖いので、時間を置いて数回に分けて食す事にする。

 始発の時間が近づくにつれ、この地上と地獄を分ける狭間に、ぞろそろと戦士たちが集結して来た。あまり知られてはいなかったのか、0500時現在で、総数は50程度に留まる。「次回はこんな人数では済まぬな…他の方法を考えねば」隣りのKが呟く。

 0505時頃、シャッターが開く。シャッターからは、我々の姿を前に恐怖に凍りついた駅員の姿が。そんな駅員さんに、爽やかに挨拶をするナイスガイ達。駅には入るや、速やかに並足からトロット(早足)に移行。が、ハチは別にわざわざ競歩をしに、ここまで来たワケではないので、いつもの歩調でトコトコと歩く。ホームでは、Kが不機嫌な表情で待っていたが、別に悪いことをしてるワケではないので気にしない☆

 0515時。始発発車。流石に、始発だけに楽に乗れた。数分後、国際展示場駅に到着。扉が開くや、一斉に飛び出し、早足になる面々。入り口に近づくにつれて、次第に加速して行く。大人数の一団が、目標に近づくにつれ速度を増すその光景は、さながら19世紀の戦争を彷彿とさせる

 んで、ハチは別に競歩をしにここまで来てるワケじゃないんで、一連の光景を眺めつつ、Kが先に進もうがお構いなしでトコトコと歩く。

 駅を出ると、行列整理プラカードを持ったスタッフが待ち構えていた。早速、4列に並ばされ、ゆっくりと歩かされる。少し歩いては止まり、また歩くの繰り返し。先ほど作った列は、当然の事、変形している。30分近くかかってイーストプロムナードを横切り、ビッグサイトまで約二百メートルの地点まで着くと、ようやく座らされた。時計は0540時を指していた。これより、長い長い待機時間の開幕となる。

 腰を下ろし、さ…て。ま、とりあえず、残りの糧食を食べる。空はかなり危険な曇り空。何時振るとも知れぬ雨にビクつくが、気温はあまり上昇せず、それなりに快適。続いては、自作の配置図を広げ、移動ルートの検討を始める。戦闘中はパンフを開いてるヒマは無いので、このA4の紙数枚だけが頼りとなる。配置図と主なサークルの位置を、頭に叩き込むハチ。開場は、一応1000時になっている。まだまだナリ。

 …ん?空から、ポツリポツリと…ぬぅ。ま、この程度なら問題無し。

 …ちょっと降ってきたか?いや、これなら許容範囲内。タオルを頭にのっけて、バッグにもう一枚被せる。

 …いよいよ本降りになってきた。タオルをもう一枚追加、止むのを待つべし。

 周りが傘を開き始める。ハチもサイドアームに折り畳み傘を装備してるが、傘は一度使ってしまうと、厄介な荷物になってしまう。レインコートも然り。天気予報によると、まとまった雨が降る可能性は低い。よって、今回は雨具はギリギリまで我慢する方針で行く。「大丈夫、私の勘は当たるんです」とブルジョワの戯言を呟きつつ、自分の勘を信じ、身を縮めて冷たい雨を耐えしのぐハチ。

 雨は一向に止まない。配置図もパンフも開いてられない。バッグに押し込んだ。ハチに打ちつく雨水は、タオルから次第に全身へと浸透していく。それに、隣りの傘から水が滴り落ちてくるんじゃよ〜ギャワ〜〜〜!!(悲鳴)

 雨は降り続く。濡れる事自体は構わない。どのみち、晴れてても汗でビショ濡れになるに決まってる。所詮、汗か雨水かの違いだけ。なら、臭くない雨水の方が幾らかマシってなモノだ。が、荷物が濡れるのは深刻な問題。そこで、仕方なく、こんな事も有ろうかと用意した大き目の袋を取り出し、バックパックを入れる。これで、当面の危機は免れる。

 そうする内に、雨が小降りに、そして止む。ハチの勝利だ!と思った瞬間、再び雨が降る(汗)しばらく降ると、また止み、再び降る。0700〜0900時の間、これの繰り返しで時間が過ぎて行った。んで、時間が進みにつれ、雨が弱くなる。どうやら、ハチの読みは当たりそうだ。

 0800時。一応、降り返し地点。膀胱貯水率はまだ50%を割っているが、列も落ち着いてるし、戦闘開始後のことも考えて、トイレに行ける内に行っておく事にした。列を離れ、トイレの方向へ歩くハチ。石畳が、何故か土で汚れてる。これは?…ハチの眼下には、見事に踏み荒らされた植込みが。過密状態にある列から離脱するには、どうしても木の植込みを跨いで行く必要があるのだが、平然と踏みまくり。木の周りに花が植えていようがお構いなし。先ほどの土は、ここから出たものだろう。聞きしに勝るマナーの悪さナリ。とは言うものの、ここを通るのが最短距離なので、中を踏まないように用心しながら越えていくハチ。って言うか、別ルートを探す方が良かったのだろうか?

 何とかトイレに接近。しかし、そこには長蛇の列。例によって最後尾プラカードを持ち持たされ、列に並ぶ。良く見てみると、大小別々に長い列が形成されていた。ハチは小用で済んだが、もし大用なら…と考えるとゾッとする。 


 0930時。本格的に雨が止む。ハチの完全勝利ナリ!それはそうと、立ち上がる人々がチラホラ。いよいよ戦闘の時が近づいてきた。が、ハチは体力を温存したいんで、まだ座る。このころになると、共同購入戦線を張る各部隊間での交信が頻繁になり、携帯は30分前から既に使用不可能。電池が勿体無いんで、電話の電源を切るハチ。そうする内に、別行動してたKが登場、最終打ち合わせに入る。元々の資金が少なめのハチ。打ち合わせの折、Kに共同購入用の資金援助を要請。「よかろう。で、幾ら必用だ?」ん〜、とりあえず5000円。

 5000円を受け取るハチ。5000円有れば全て買えるだろう。が、この読みの甘さが、後に波瀾を巻き起こす事となる

 1000時。突如、拍手が巻き起こる。「ああ、これか?コミケ開場だ」そうなんだ。一般参加者は殆どまだ入ってないのに……?!な、ななな何だ?!この会場から轟く地響きは?!

 「ふむ。これがチケット入場組だ。つくづく、愚かな連中であるな」…同感(汗)何せ、東館まで直線距離目分量500メートル先の現地点まで聞こえる地響きだ。中がどのようになっているかは想像がつく。否、想像したくない

 怒号とともに突撃する男ども。ブースを守らんと必死に耐えるサークルの皆様。…これは、ワーテルローでネイ将軍の騎兵大突撃の元、方陣を保持せんと必死に耐える英軍兵士の光景そのままじゃないかい(笑)ワーテルロー会戦の参加将兵総人数と3日目参加者総数、殆ど同じだし。

 1015時。起立が命じられ、移動が始まる。この道を行くのはこみパ以来2度目だが、何度登っても、この正面階段は怖い。登る際には、ちゃんと人数制限を採ってはいるものの、よくドミノ倒しにならないものだ。「ほれ、貴様も見るが良い。遥か向こうまで人で溢れているぞ」いや、見ない「何故か?」今振り向いたら、絶対、塩の柱になりそうだ(笑)

 正面階段を登り、会場へ。ここでちょっと余談をば。この東京ビッグサイトってのは、東展示練と西展示練、そしてそれらの中央の会議棟で構成される、我が国最大の展示場施設ナリ。世間一般に、変形合体するとか言われてる、あの建物が会議棟。ちなみに、会議棟はコミケでは使用されない。東展示練はガレリアと呼ばれる通路で3個ホールづつ2分割されていて、それぞれ分かれた3ホールをくっつけて使用。西展示練は大きく、1階と4階に展示ホールがあり、1階のホール2つを別々に使い、4階の2ホールも別々に使う。その片割れが、企業ブースとなる。

 階段を上り、エントランスプラザ(会議棟の真下の広場)から東館へ向かう。皆、早足で驀進する。何度も言うけど、ハチは競歩をしにここに来てるワケじゃないんで、まったりと歩きながら東館へと向かう。

 東館に到着。視界一面、人、人、人だかり。が、やたら広いだけに、この前のレヴォよりは遥かに動きやすい。第1目標である、極楽往生(致命傷と合同)に突っ込む。幸い、列もそれほどではなく(それでも1個中隊規模)、直に先頭から価格表が回さ……○д▲?!!

 回ってきた価格表を目にして、驚愕に陥るハチ。今回の依頼分サークルは3。それぞれ新刊は1冊づつ、頒価は平均700円と想定して、自分用を含む4冊づつ買うつもりだったんで、頼まれ物は6000円強。先の援助分があれば戦闘行動に支障は出ないだろう…そう読んでた。が、回された価格表には、新刊は致命傷と極楽往生で2部づつ。全て500円均一と、かなりリーズナブルなれど、この新刊4部×4セットで計8000円ナリ!!

 いきなり援助分がふっ飛んだ(汗)後から考えてみれば、準備期間が長いだけに、夏は新刊も多いんだろう。で、今回の資金は、メインに15000円、共同購入の調整費等の予備に5000円の計20000円を購入に当てている。このまま残り2件回ったらどんな事になるのやら?

 続いては第2目標の、お嬢の浴室へ。と言っても、近いんで移動には時間はかからなかったが。列に並ぼうとすると「すんません。ここ、最後尾じゃないです」ん?

 列が大きくなると、会場内の通路を確保する為に、列を分割するようになる。例えば、通路を挟んで前半列と後半列に分け、まずは後半列に並び、前半列でさばけた分だけ、後半列の先頭から前半列の後ろに移動させる流れになる。大抵は2分割で済むが、大きくなると3分割、4分割となる。尤も、それほど巨大な場合は、大抵会場の外に並ばされる事となるが。

 本題に戻る。行列整理の方の指示の元、後半列に並ぶ。しばらくすると、前半列の後ろに移動。列全体が大きくなるにつれ、前半列を最後尾と間違える人々が多くなり、緊急に作られた「最後尾ではありません」プラカードを持たされる。このテの仕事は図体が大きい方が都合が良いので、この役目はハチが買って出る。そうする内に、価格表が配られる。ここでも、新刊が数冊出てて、全部買おうとすれば、4セットで1万円となる。幸い、金ピカ限定本を優先する事を取り決めていたので、1000円×4で4000円ナリ。

 お嬢の浴室で並んでる時、Kに電話をする。会場内では殆ど使い物にならない携帯電話だが、何度もかければ、その内に繋がる事もある。15回目で回線が繋がる。「我輩だが」状況が状況だ。簡潔に言う。破産しそうだ。急ぎ追加援助を頼む!

 「貴様、何処にいる?」お嬢で並んでる「我輩も動けぬ。昼過ぎまで待て」…これで出費は12000円。援助分を差し引いて7000円となる。本部に頼んでた取り置きがどうなってるか未定な内は予備には手をつけられないんで、残りは8000円。依頼分はあと1つ。

 続いては隆山温泉旅館組合。依頼分はこれで最後となる。幸い、列はあまり長くなく、すんなりと買えた。ここでの出費は3600円ナリ。で、残金は3000円強。これからKからの依頼分を買ったら、殆ど残らなくなる。時計を見てみると1125時。あれだけの激戦でありながら、時間は1時間程しか経ってない

 お昼にはまだまだ遠いし、そう簡単にKとの連絡はつかない。前倒しして予備を使おうか…そう考えてる内に、ぽこもけさんから電話。「ハチさん、どうよ?」いやいや、おかげさまで、ミッションはオールコンプリートできそうだ「大変じゃなかった?」それなりにね。んで、Kが来たら、伝言を頼みます。破産した。大至急追加援助を頼む!って「ああ、大丈夫。買ってくれた本、ブースへ来てくれれば引き取りますよ?」そうですか?コミケが終わるまで待ってられないんで助かった。

 早速、インフェルノへ向かうハチ。遠くから、先行者プラカードを掲げる匿名希☆望の姿が。実に分かりやすい。インフェルノの先行者本は実に大好評で、ブースには黒山の人だかり。…引取りできる状況じゃないな。時間つぶしに何か食らいに行こう☆

 さ…て、何を食べようか?考えた結果、朝から目をつけていた会議棟の天丼屋に行く。セルフサービスになってて、出来た丼と、ご飯や味噌汁とを順に受け取る。ビールも頼めるが、戦いはこれからなので今は控えておく。見回してみると、至る所でペットボトルの飲み物を持ちこんでるんだけど、良いんだろうか?尤も、店の方も慣れてるようだが。

 食後、再びインフェルノへ。幸い、ちょっと人が減っていたので、本を引き取ってもらう。時計は1315時を指していた。以後は本格的にハチの時間の始まり☆

 東館で数カ所回った所で、西館へ行ってみる事に。両館を繋ぐルートは何時も混んでいる。…流石に企業ブースを抱える西館だ、強烈に混んでいる。人ゴミに飲み込まれつつ、何とか西館に辿りつく。もう一つのホールにも行ってみたいな、とホールを出るが、見渡す限り一面、人の波。その上、多数の波が複雑な潮流を形成しており、直線距離推定50メートル先のホール入り口に辿りつく事すらままならない。何時の間にか人の波に巻き込まれ、何時の間にか明後日の方向へ強制連行

 なすがまま翻弄されてると、何故か4階へ到着。企業ブースには興味無い(否定派にあらず)ので、丁度行きたかった委託コーナーへと行ってみる。委託コーナーには、幾重にも連なった長机に相当な量の本が陳列されいていた。数もジャンルもかなり豊富で。参加サークルは1000を数えると言うから、地方の有力イベント並の規模ナリ。

 委託コーナーを覗いてみて思ったんだけど、委託コーナーに対してちょっと考え方を改めないといけないようだ。以前からKに委託コーナーでの参加を勧められてたんだけど、それにはハチはかなり否定的。見てないところで100冊売れるよりも、手渡しで1冊売れた方が良い、ってな感じで。救済措置とか言ってるが、コミケット準備会の偽善的自己満足じゃないかい?ってのが本音。…でも、この委託コーナーでは、見本誌を熱心に読んでる多くの参加者がいる。向こうの東館や下の西館と比べて、決して価値が劣ってなんかない

 え?そんなこと言うって事は、今まで委託コーナーを軽く見てたんじゃないかいって?正直、その通り。が、実際に現場を見てみて、考え方を改めたのも事実。1000円の参加費と返送送料600円、3日間連続で陳列してくれて、2日目までは1900時までコーナーが開いてる…考え方を変えれば、僅かこれだけの出費で3日間延べ数十万人に自分の本を見てもらえるんだから、安いものだ。パンフによると、当落確定からでも申し込み可能で、スペースを調整するなど完全当選させるために最善を尽くすそうだから、この救済措置を利用する価値は充分にある。次回以降、検討してみようか?

 隣接していた、海外同人誌コーナーにも足を踏み入れる。韓国や香港(台湾?)の、アニメ雑誌や同人誌などが展示されていた。早速、同人誌を読んでみるハチ。感触としては、丁度10数年前の同人誌を読んでるような感じだった。確かに、本の完成度自体は昔のレベルかも知れないが、元の作品に対する思い入れは、はっきりと本から伝わってくる。そんな本ばかりだった。これらの国々では、日本的同人文化が成立してからあまり間が無いと言う。これからの、海外での同人文化の発展に期待しようじゃないか、うん。

 人の波で移動すらままならない西館。他にも回りたかったが、迷路みたいな環境なに絶望し、諦めて東館に戻ったハチ。何であんな風になってしまったのか?後から聞いた話によると、企業ブースのある西館4階へは、通常は一旦表へ出て階段を利用するのだが、今日は雨により階段を封鎖、エスカレーターを使用した為に、このような混雑が発生したそうだ。かくして西館は、企業ブースの限定品を求める輩と、コスプレイヤーを求めるカメコだけがひしめき合う空間となったとさ☆

 東館へ戻ったハチ。今度は、ミリタリーが集中する島へと移動開始。…凄い!そこには、定番のWW2ドイツを始め、旧日本軍、英軍、日露戦争、南北戦争、ベトナム戦争、米軍、自衛隊…等々、様々なジャンルのミリタリー本で溢れていた。九州では絶対にお目にかかれない光景に、感涙にむせびつつ、ミリタリー本を買いまくるハチ。資金の半分以上を、ここで費やしたんじゃなかろうか?

 ハチも、以前はミリタリーで活動してたんだけど、実力的にもジャンル的にも厳しくて、最近は全然やらなくなった。が、コミケットでは、1つのジャンルとして確立してるのには、正直驚いた。また、ミリタリーをやりたくなった。今度の夏はミリタリーで申し込むか?

 そうする内に、時計は1540時。資金も殆ど残ってないし、そろそろ潮時か。表でKと合流し、インフェルノに顔を出しに行く。インフェルノでは、先行者本が最後の数冊になっていた。で、ハチらが来て間も無く先行者本、遂に完売!!!

 偶然にも、歴史的瞬間に立ち会う事となったハチ。思わず、「ジャンル選択って怖いな」と皆で言い合った(笑)

 程なく、コミックマーケット60、無事に閉会を宣言。拍手と喝采が巻き起こり、ついでに帽子も飛び交った。その頃、必死になって片付ける匿名希☆望。当然ながら一人で☆

 さ…て、先行者装甲集団の中で、即日帰宅組はハチのみだが、飛行機の時間は2020時。まだまだ時間はある。全員で食事のプランも検討されたが、全員資金に乏しく、ハチも体力が限界にきているので、ハチはKと駐屯地に戻り、休息を取った後で空港へ向かう事となった。

 国際展示場前駅で臨海線に乗って品川の駐屯地へ戻る。途中、夏季制服姿のSS(SDか?)大尉と帝国海軍水兵を発見。オイ、コラ!会場外での軍装の着用は野戦服務規定違反だ! 

 ホテルでシャワーを浴び、再び外へ出る。品川で夕食を食らうことも考えたが、時間は1830時。それほど時間が残ってないので、空港で済ませる事に。Kに品川駅まで送ってもらい、京急で空港へ向かうハチ。空港へ着くと、お土産を買い、速やかに搭乗手続きを済ませた。待合室で、釜飯とカツサンドを食らう。後は、飛行機に乗り、福岡へ帰還。いつもなら、博多駅の11PMで酒を買い込むが、今回は前もって買っておいたので、つまみ数点を買ったのみで、帰路に立った。

 2245時、無事に帰宅。帰宅後は、買った本を肴に、成功の美酒に酔いしれたハチであった☆



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