ハチ的コミケット62従軍記
〜生首愚連隊、有明へ!〜

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※サークル名は、全て敬称略とさせて頂きます。ご了承下さい。


8月9日


 ようやく出発前夜。仕事を終えた後、明日に備えて荷造りに励むハチ。

 まず手始めに、サークルチケットや航空券とか見本誌やらを一纏めにクリアファイルに入れる。参加登録カードは、届いた即日に記入&捺印してあるから…あ、見本誌票も今の内に書いておくか。数分後、机で頭を抱えるハチの姿が。…書き方が分からない。正確な言い方をすると、発行日の欄には、マジな発行日を書くのか、それともコミケットに始めて持ち込んだ日を書くのか?って事。更に、仮にマジ発行日だとしても、重版してるときは、どっちの日付を書けば良いのか?という新たな謎が浮上したりする。

 方々を当たったが、明確な回答は出ず。が、行きつけのチャットで、ようやくハチの頭上に光明が「あ〜それなら、マジ発行日でいいよ。重版?俺は初版の日付を書いたけど、何も言われなかったよ」あ、ありがとうございます〜それだ!それが聞きたかったんだよォォォォォォ!!いや、さっきまでの聞き方が拙かっただけかも知れんがな。そんなおバカな行動をしてる間に、既に日付は変わっていた。おっと、これはいけない。急いで準備せねば。

 今回はサークル参加につき、カートで運ぶ本を中心としたイベント用品群と、バッグパックに入れる身辺具群に分けて準備。バッグパックには、十年来使い続けてかなり老朽化したツーリングバッグを諦め、今回に備えて新調した。思えば、高校の時から使い続けてるけど、今日の今までよく持ってくれたものだ…おっと、感慨にふけってる余裕は無い。早速、荷物をベッドに広げた。

 まずは、先述のクリアファイルに収納した重要書類や見本誌等。次は着替え。仕事終了後に着る上下及び下着、イベント当日に着る下着、そして予備の下着。これを百円ショップで買ってきた圧縮袋に入れて収納。内、前者の衣服類は別袋に入れて持ち歩き、脱いだ服を入れて職場のロッカーに押し込む事にする。それはそうと、圧縮袋の威力は凄い!元の4分の1程度に縮まり、バッグパックの底に押し込んでも邪魔にならなかった。着替えのスペースに苦しんだ去年が嘘のようだ。

 これに、分冊したカタログの内、諸注意と3日目分を。それと、筆記具。主にシャーペンやボールペン、蛍光マーカーといった使用頻度が比較的高いものを選ぶ。当然、手荷物で機内に持ち込む事を前提としてるので、刃物は入れない。後は、野戦装備一式。今回のサークル周りは良くて2時間程度なんで、略式装備を選んだ。つまり、首下げストラップ付き野戦用財布にメモ帳、ウェットティッシュ。

 続いて、カートで運ぶイベント用品。まずは言うまでも無く、当日頒布する本ね。新刊のオフセと、既刊のコピー本を別々の箱に収納。そして空いたスペースに、他の道具を詰めていく。始めに筆記具。これは、コピック等のイベントでしか使わないモノを選ぶ。これには機内(に手荷物で)持ち込み出来ない刃物も含まれる。スケッチブック数点、これはディスプレイに使う予定。クラフトテープやカット用鉄定規等の、もしかしたら使うかも?って予備物資。

 そして、今回の目玉(?)が2点!まずは、防火布。これは、わざわざカーテン屋で防火カーテンの生地を取り寄せてもらったモノ。これには【防火仕様】のタグが付くので、天下堂々とコミケットで使用できるスグレモノ。もう一つは、制汗剤。迷惑性がクローズアップされてたんで、今まで目もくれなかったが、酷暑による肉体からの腐臭の発生の可能性を考え、導入に踏みきった。しかし、よくあるスプレー状のモノではなく、外見はウェットティッシュのシート状の物件。これなら、比較的周りを気にしなくても済む。当然、無香性をチョイス。しかし、夏コミ臭の予防の基本は、やはり清潔第一。制汗剤は、あくまでも補助と心得よう。これらをパズルよろしく強引且つ巧妙に積め込み、カートに載せ、百円ショップで買ってきたチャリ用ゴムロープで縛り、最後に、袋に入れたカッティングマットを隙間に挟み込んで、完成。

 そういえば、カタログによると、身分証の提示が求められる事があるらしい。じゃ、免許証でも持って行くか。え…と、確かここに…無い?!

 慣例ならば普段あるべきその場所に、それは無かった。大いに焦りだすハチ。そういえば、最後に持ち出したのは二月前。もし、そのまま忘くなってたりすると…大変だ。最早、コミケどころの話じゃなくなってきた(汗)部屋を引っ掻き回し、必死に探すハチ。が、その姿は見つからず。更に焦り、全身からは汗が噴き出す。かくして、三咲町の雑踏からアルクェイドを探し出すよりも困難な作業が延々と続いた。

 …どれだけ時が過ぎただろうか?ふと机の引出しを開くと、先ほどまで死ぬ思いで探していた免許があった。安堵から、思わず床にへたり込むハチ。時計を見ると、既に0300時を回っていた。さ…て、これで安心して決戦に挑めるわけだ!と、とりあえず強がってみる。最後に全ての装備を一旦開けて、最終チェックをした後、ようやく眠りについた。っていうか、出来た。


8月10日


 起こしてもらい無理にでも起き、普段より少し早く出勤。始めて持つカートの重みに戸惑いながら、アパートを出た。バスに乗る頃にはカートの操縦にも慣れ、「パンツァー・フォー!」と呟くや、軽快にカートを転がすようになった。そう、カートこそオタクの戦車である。

 さて、西鉄福岡駅。ここの大型コインロッカーにカートを預けた。早く来たのも、これが目的だったりする。筑紫駅までの移動、そして更に、それからの約20分ほどのカート自走移動は、流石に負担が大きすぎる。それに雨が予想されているからね。500円の出費は痛いが、避けられるリスクは避けておきたい。後は、普通通りに出勤、仕事を始めた。

 1830時頃、仕事終了。この時間なら、余裕で間に合う。道中、小雨が降る。ヤバし!こっちは小さな折り畳み傘しか持ってない。大降りになったらシャレにならない。かなりハラハラしつつ傘を差さずに駅まで着いた。が、電車に乗り込むや突然の大雨。…ここ数日、倒れたり不慮の事態で翻弄され続けてたけど、ここでようやくツキが好転してきてるのかも?!途中、天神で買い物をし、2040時にほぼ順当に空港へ着いた。

 荷物を預け、搭乗口前の売店を物色するハチ。去年同様、弁当とビール&つまみの必勝コンボで機内を過ごす予定。が、弁当がどこも売り切れ(涙)ようやく見つけた弁当を買った時は、機内案内直前。目付けてた、つまみのある売店がまでダッシュ!が、一足遅く、売店は閉店してしまっていた。当然、ビールも買えずじまいだったァァァァァァ!!!!(CV:木村先生)かくして、失意のハチを乗せた飛行機は、福岡を飛び立ち、一路羽田へと向かった。

 公式名称・塩カルビ丼、実質的名称・塩カルビが僅かに入ってる野菜丼を噛み締めつつ、しばし決戦への思いに浸るハチ。1月の寒い中にサークルカットを書いた時から、あっという間に半年強が過ぎてしまった。やれる事は全てやった。後は、見てくれる人が喜んでもらえるのを祈るのみ。食後は、配置図にマーカーをつけて、宝の地図を完成させた。今回は回る時間が圧倒的に少ないので、視覚的に瞬時に認識し易いように工夫を凝らしたつもり。ちなみに、西館及び後日にショップで買えそうなサークルは、完全に放棄した。

 2250時、羽田に到着。ここから宿である、ホテル浦島まで向かう事になる。Kから移動についての指示を受ける。それによると、ルートは、羽田空港→(東京モノレール)→浜松町→(徒歩)→大門→(都営大江戸線)→勝どき→(徒歩)→ホテル浦島となるそうだ。「浜松町からの移動が若干困難を伴うだろうが、まぁ来るが良い」とKは言う。始めてのルート、しかもカートを引いての移動だけに、どのような事になるのか全く見当がつかないが、何とかしてみようじゃないか。うん…って言ってる内に、モノレールの終電時間が近づいてる。そろそろ行かねば。

 2335時羽田発の東京モノレール最終で、まずは浜松町への移動。以前こみパの時に一度乗ったのだが、相変わらず、ガタゴトガタゴトと猛牛の如き勢いで驀進している白い箱。前にも書いたが、優雅に流れるように進む、小倉市営モノレールとは大違いだ。同じ馬券オヤジ輸送車両でも、ここまで違うものだろうか?ちなみに、この便は浜松町までの直行なので、かなり早く着いた。

 浜松町に到着した時は、既に日付が変わっていた。ここから、都営大江戸線大門駅へ乗り換える事になるのだが…「…ああ、地下鉄の乗り換えですね。ここの階段を降りて」駅員さんが示す先には、やたらと急勾配な階段が。酔っ払いが歩けば、間違い無く転落してしまいそうな程キツい。これを…降りるのか?!と駅員さんの方を振り向くと、件の駅員さん、非常に申し訳なさそうな顔をしつつ「GO!」と、目で合図。…そう、マジでここしかないワケね。覚悟を決めたハチは、カートを担ぎ、ホイホイと階段を降りて行く。…は良いんだけど、かなり暗い。しかも、当然ながら一本道。ここでハンターに狙われたら、間違い無くアウト。姿見えぬ敵に恐怖しつつ、いそいそと駅の外へとカートを担いぐハチだった。

 浜松町駅を出て、大江戸線大門駅へと向かう。と言っても、入り口までは歩いて30秒。エレベーターのある入り口までも5分程度で着いたが。エレベーターの入り口の傍らには、スーツ姿の酔っ払いが寝ていた。まぁ今の季節だし、放っておいても命には別状は無いと思う。尤も、見つからなければ、の話だが。それに下手に起こすと、逆ギレが怖いし。さて、エレベーターを降りるハチ。ところで、東京に限った事ではないんだけど、昨今地下鉄にはエレベーターが出来始めたのは良いんだけど、何であんなに入り口が狭いんだろう?本当に車椅子が通れるのか、かなり疑問ナリ。

 エレベーターを降りると、そこはダンジョンだった。延々と続く地下道。しかも、お約束に忠実に薄暗い。折りしも花火大会の後であり、その帰りらしき兄ちゃん姉ちゃん方と多数すれ違って行ったんだけど…マズい。次第にこの方々が、ビッグサイト猟友会の皆さんに見えてきた(汗)この、駅員さんの姿も見えない暗い道、重いカートを引きずりつつ疲労困憊のハチ…完全にカモじゃないか!(滝汗)…イザとなったら、カートを相手にぶつけて全力で脱出しか手が無い。しかし、この体力では逃げおおせる自信など無い…本格的に身の危険を感じながら、カートを引くハチ、その足取りは自然と速くなる。

 ようやく券売機が見え、駅員さんの姿も視覚できて、やっと安堵の表情に。結局のところ、実際の距離は20メートル程だったんだろうけど、今のハチには新潟の直線よりも遥かに長く感じたのは、言うまでも無いか。どうでもいいが、地下鉄の駅内が携帯圏外だったのには驚いた。天神では、地下鉄も地下鉄構内も通じたのに。悪質な携帯マナー封じなのか?深く掘ってるだけなのか?

 さて、地下鉄構内。基本的には福岡のそれと変わりないが、構内に自販機が置いてあるのと、0時以降も平気で動いてるのは、やはり大都会って所だろう。勝どき駅までは、2駅間とあっという間に到着。再びエレベーターで外に上がるんだけど、どうして地下鉄のエレベーターって、隅っこの人目につかない言わばデットゾーンにあるんだろう?利用に不便だろうにね。こんなの見ると、企業イメージ先行の形式だけのバリアフリーに見えて仕方が無いんだが。で、勝どき駅を出た。…流石に遅いのか、人ッ気が疎ら。それに暗い。僅かな人ってのも、派手な服装をし、携帯を経本変わりに延々と地べたに座り込む、現代の禅僧ばかり。

 ここから浦島まで徒歩移動するんだけど…ヤバい。ここはヤバすぎる!ハチの本能が、派手にジャン警鐘を打ち鳴らす。やたらと平坦で見通しバッチリなこの場所。機動力の有る部隊による包囲戦法にはもってこいの地形ではないか!人も疎らだし、例え第三者が見てても、見てみぬフリがオチだ。狙われたが最後、確実に逃げられない!が、立ち止まってても仕方が無いので、前進。道中、若人達の視線がハチに向けられてるような気がして怖い…「あれってオタクだよなぁ?明日のアレ行くんだぜ」って言ってるんだろうか?それとも「オタクって金持ってるんだよな。よし、狩ろうか♪」って相談してるんだろうかァァァァァァァ!!!???生命及び財布の危機に怯えつつ、カートをゴロゴロ転がすハチ。これならタクシー使ったほうが良かったか?…否。距離的に結構近いんで、東京のタクシーのオイちゃんに逆に轢かれそうだ(汗)

 こうして、歩く事10分程度でホテル浦島に到着。ヨレヨレになりながらチェックイン。今回はシングルを取ってあり、気がね無く羽が伸ばせそうだ☆…尤も、今現在の時刻は0055時。起床予定時刻までは4時間程ではあるが。途中、不法侵入してきたKを適当にあしらい、ようやく休息の時間がやってきた。荷を下ろしシャワーを浴びてたら、残り時間は3時間。自販機でビールを買ってきて、軽くグビグビ次第、早々と寝る事に。 


8月11日


 0550時、目が覚める。あ…出発予定時間だ(汗)Kから電話「そろそろシャトルバスの始発が出るぞ」う〜1便遅らす〜「ふむ、そうか。あまり無理はするでないぞ」シャワーを浴びて寝汗を流し、下着を再び着替えて出発準備完了。チェックアウト後ホテルを出ると、清々しい青空だった。その青々と美しいそれは、今日、地表で行われようとしてる惨劇と見事な好対照を成していた。

 バスに乗り込むその前に、近くのサンクスで食事等を調達しに向かう。店内はどう言う訳か、ネコの荷物で溢れかえっていた。大方、直搬に間に合わなかった荷物をここで仲介してるのだろう。そうしてる内にも、ネコの車が荷物をピストン輸送し続けてる(汗)店員は荷物の大群に翻弄されまくり。その光景を横目に、レーションの調達。色々と物色してると、Kが『こくまろカレーのカレーパン』なる物件を見つけてきた。早速採用決定☆Kから受け取ろうとするが、Kがそのパンを落とし、事もあろうに、そのカレーパンを踏みやがった!(号泣)「すまぬすまぬ、それは我輩が買い取る」…いや、そういう問題じゃないって(怒)

 …シエル先輩及び、先輩ファンの皆様、この男の異端審問の開廷を要求します。

 用件を済まし、シャトルバスへ。車内を見たところ、サークル4に対し一般6といった感じ。バス自体が割りと上等で、かなり快適に会場へと到着。入り口でチケットを渡し、会場内へ。0745時頃、自分のブースを確認したハチの目には、当日お世話になる机…否、大量のチラシっっ!!サークル入場を果たした参加者が一番始めにする事、即ち、大量のチラシの処理。って言うか、地雷原処理だな。これは。

 チラシ改め地雷原を処理にかかる、我等が戦闘団。普段、チラシは一通り目を通す事にしてるけど、これだけ多いと最早、無理。自己増殖するチラシの山相手に、終わり無き消耗戦を強いられるハチ。…30分ぐらいの後、最後の対オタク用紙型地雷を片付け、処理完了。…疲れた(汗)サークル参加もこれはこれで疲れるものだ。って言うか、これで疲れては、先が思いやられるナリよ。ちなみに、この作戦で一番役に立ったのが、我等が地元のコミックネットワークinドームの告知チラシ兼紙袋。チラシ自体が袋状になってて、これでチラシ整理をしてくれって物件。これはマジで重宝した!殆どのサークルさんはチラシの山なんて、イラつくだけでロクに読みはしないでこの袋に詰める。結果的にはこの袋だけが目立つ事になる。かくして宣伝効果絶大!…この紙袋を考えた御仁、策士だね。

 大量のチラシを片付けた後は、本格的に設営開始。防火布を敷き、本を並べ、スケッチブックを一枚破って、各本ごとのPOPを作り、スケッチブックに何時もの如く生首始めましたと書き、ミニイーゼルで飾り、最後にもう一冊のスケッチブックにサークル番号を書いて、これも飾って、設営完了。まぁ、あっさりと事が進む。

 0830時頃、スタッフ氏が見本誌回収に来られたので、予め用意していた参加登録カードと併せて提出した。コラージュに厳しいと聞いていたので、見本誌チェック中、ハラハラしていたが「はい、OKです」今回は大丈夫だったようだ。只、次回はマークされてる可能性もあるんで、天下堂々と許可された。とは言い切れないけどね。って言うか、コラージュに頼らない本作りをしなければ(汗)

 0900時頃から、会場内を徘徊する人々が増え始めた。ほぉ、アレが例のサークル入場組か。丁度設営を終えたお隣さんと「あの連中、自分のサークルはどうしたんでしょうねェ?」と言い合った。9時台は終始サークル入場組の観察に徹するハチ。いやいや、見飽きないね☆

 しばらく観察してると、会場の中央や外には、ズガン!と巨大な列が数本形成されてるじゃないか。トイレの列とか、足りなくなった画材を買い足しに行くって類では無いのは確か。0930時を回る頃には、その行動がお目当てのサークルを意識した、次第に露骨なものになってきた。半ば公然と行列が出来てる超大手は別として、お目当てのサークルの周りをウロウロするあの姿。どっかで見た事がある…あ、競艇!各々狙いのポジションを巡り牽制しあうあの姿は、競艇のスタートにそっくりだ。

 1000時。開催宣言の放送と共に、先ほどまでウロウロとしてた連中が突然、黒き奔流となって動き出した!各方面のの大手目掛けて疾走する男津浪。「走らないで下さい!って言うか走るな!」スタッフの怒号は、さながら、戦場(いくさば)へ挑む戦士たちを鼓舞する銅鑼の如し。黒く汗の腐臭薫る突風はエロき大手の彼方へ吹き荒れ、道中の罪無きサークルを押し倒し蹴飛ばし、(奴等にとって)興味無き本を踏みにじり、後に続く者へ道を拓いてゆく…

 いやいや、これは聞きしに勝る迫力。幸いハチのブースは男津浪のルート外だったんで、実質的被害は皆無だったんだけど、運悪く進路になってしまったサークルさんは大変な難儀だっただろう。あれに下手に巻き込まれたら、折角設営したブースも苦心の末に作り上げた本も、奴等の汚い足で踏み荒らされかねない。今回は僥倖で傍観者の立場になりえたけれど、もし被害者になってたら…恐怖すら感じたナリ。って言うか、Kの姿が見えない。何処へ行ったんだろう?

 さて、我々の如き小規模サークルの類は、大手に衆目が向いてる間は暇と相場が決まってるのだが…早くも最初の1冊目が売れた。時計を見ると、開場から15分程しか経ってない(汗)その後、コンスタントに見てくれる方が出てきて、その反応も上々。開始一時間程度で、早くも10冊ほどの成果を上げた。

 今回、買ってくれるのもだけど、見てくれた方々の反応が良かったのが嬉しかった。これは、ある時間での事。とある参加者氏が、ハチの生首本を一通り目を通している。その表情は、バッチリ大ウケしてる。結局、「ゴメン!ネタは良いんだけど…」って言って去って行かれたけど、ハチとしては、あの時点で内心、ガッツポーズしてたりする☆

 さて、普段ネット上でしか知り合えない方々と顔を合わせることが出来るのも、コミケの醍醐味。サークル参加だけに、クイズ地獄つながりを中心に、多くの方々にお越し頂きましたですよ☆まず最初の来訪者は、沙奈川渉さん。「にしじまさんに約束したブツなんですが…」と言って、取り出したのが『ジョージア・マックスコーヒー』これは、千葉県のみの限定だそうだ。「ハチさんの分もありますよ」おお、それありがたいです「飲んでみます?」ええ、喜んで。では、グビグビグ…ぐはぁ!!

 なっ何じゃこりゃぁぁぁぁ!!自身の流血を目にした松田優作の一億倍の衝撃(当社比)が、ハチの味覚中枢を直撃した。甘い、否!甘ったるいなんて生易しいモノではないっ。地獄の如き甘味が、ジワジワとハチの首を締め上げていくような感じ…一言で言うなら、ボルジア家の伝説の秘薬カンタレーラが、時を越えて極東の日本に蘇ったって所か。はっきり言って、メッコールやゴーヤジュースよりも強烈な破壊力!甘い物好きのハチでも地獄の苦しみを味わったぐらいだ。普通の人なら、更に強烈な苦痛を味わう事になるだろう。これは、にしじま氏に渡すのが楽しみだ。フフフ…更に言うなら、冷やすとか温めるとかするよりも、常温で生ぬるい方が殺傷力が上がるナリ。

 続いては、/Si/さんの登場。「ハチさん、お土産ですよ〜はい、マックスコーヒー♪」あの〜急に殺意が芽生えたんですけど…

 /Si/さんとは、去年の春レヴォ以来の再会。やはりと言うか、宮原特戦隊に志願し、激戦の合間を縫って来てくれた。って言うか、終始、シエル先輩のペインティング柄のシャツが、気になって仕方が無かったんだが☆余談だけど、実はあともう一本、マックスコーヒーを頂いたり(名前忘れました、ご容赦を)してる。これって、ダイエーファンで@ッテを散々バカにしてるハチに対する、千葉の神様の祟りだろうか?

 続いては、はるあきらさんが来てくれた。はるさんの話だと、月どんでの合作本も持参したけど、ハチのネタが、かなり馬鹿ウケだったそうだ。いやいや、嬉しい限り。こうやって、喜んでくれる人がいるから、同人は止められないね☆

 その後はクイズ地獄勢が続き、(空白)さんが来てくれて、続いては、瀬高瑞希さんが登場。しかも森川由綺のコスで(汗)驚いた。女装コスを至近距離で見たのは、小森まなみのライブ以外では、これが始めてだけに、激しく驚愕。…これは、「POWDER SNOW」ってよりも、むしろ雪解けの泥濘。これには、挨拶に来た焼肉魔王さんも恐れをなして逃亡(笑)とか言っても、単に不気味だけではなく、白タイツで毛ズネをカバーするなど、かなり凝ってる。やっぱ、自らの体で一芸を成す人は一味違うな☆…で、これで、クイズ地獄関東勢の大部分と顔を合わせた事になる。にしじま氏が芝居とダブってなければ、連れて来たんだけどね。惜しいナリ。

 時間帯とか、あまり関係無く、各時間帯でコンスタントに本が売れていく。途中、HPを見てるという方が現れ、かなり嬉しくなる。そうしてると、Kが戻ってきた。一言言ってやろうと思った矢先、巨大な荷物をドサリと置いて「ふむ、一段落ついたが、まだまだ戦いはこれからである」思わず唖然となるハチ。何を買ったんだ?とカバンを手に取ろうとするが、汗でヌルヌルしてやがる(滝汗)一体、どんな回り方をしたらこんな風になるのやら?って言うか、それが一般的なのか?!(汗)「何か欲しい本は無いか?」いや無い。それよりも食い物買ってきて「何が良いか?」とりあえず口に入る物なら何でも〜「ふむ、分かった」そう言うと、Kは去っていった。

 さて、前々から懸念してた暑さだけど、確かに、かなり暑かった。でも、普段の職場と同じぐらいなんで、十分に耐えられる範囲の暑さ。むしろ、職場よりも格段に楽しいので、暑さが全然苦痛にならない。この程度ならば、白の長袖&帽子で完全武装すれば、一般でも耐えられそうだ。で、件の制汗剤だけど、かなり効くね。これでワキと背中を拭けば、数時間は楽に汗から免れた。しかも、スプレーとは違って、他人へ誤射を気にしなくて良い。これは使える☆次回以降の正式厳暑装備に採用しよう。

 一時間ぐらいして戻ってきたKが買ってきたのは、カレーパン。しかも、どこから調達したのかは知らぬが、揚げたて!…急激に、先程の怒りが萎えてしまう。「悪いが、もう少し店番は待ってくれぬか?」あ〜良いよ〜良いよ〜、行っといで〜♪さっきの不機嫌な顔は何処へやら、嬉々として温かいカレーパンに食らいついた、非常に現金なハチであった。

 ここまで大きい場所だと、思わぬ人と遭遇するモノで、かつてオウガ共有チャットでの知り合いだった、叶さんが来てくれた。そういえば、オウガ同人は止まったままだな。その内、何か考えてみるか。実はね、後学の為に、秋の間に1つHマンガを描こうと思ってるんだけど、考えてるのはTオウガで一作描いてみようと思ってたりする。

 1400時頃、ようやくKが戻ってきて、売り子交代。首から下げた財布に実弾を装填し、出発。今回は一時間ほどしか時間が無いので、完全に東両館だけに絞っての戦闘になる。まずは、児童保護の名を偽った思想統制法案を潰す署名に入れてきた。これで、今日の目的は一応完了。時間までゆっくり回ろう。

 続いては、今回第一に行きたかった、ヲ師範のモホロビッチ不連続面に足を運ぶハチ。ヲ師範の絵はHPで見てるけど、本を買うのは始めてだけに、嬉しくてバックナンバーも含めて色々買ったハチ。買ったところで自分の身分を明かすと、ヲ師範「おお、貴方が八兵衛さんですか?アッラーアクバル」ヲ師範、ハチが言おうとしてた決まりセリフを、早々と言っちゃった。師範、ノリ良すぎ!(嬉)

 ミリタリーを始め、お目当てのサークルを回る。一時間ほどで戻るが…おお、一時間ぐらいでも、以外と満足できるものだな。使った予算は1万円弱で、布の買い物袋一つで収まる程度だったけど、充分に満足できる買い物が出来たナリ。ま、欲を言えばキリが無いんだけど、腹八分目って事で。これならば、無理して朝から並ぶ必要なんて無いよ。いや、マジで。尤も、こんな考えは、Kや宮原さんに言わせたら、敗北主義って言うのだろうけど。

 戻ると、月姫の黒ミサこと『裏志貴祀』の祭祀を勤めてた、しゅらさんが来てた。その集大成たる黒き教典(笑)と、我が新刊とを交換し、対面を喜び合った。「ところで、萌え萌えバスタオルの署名運動だけど」ああ、琥珀さんのでしょ?「それだけじゃなくて、シエル先輩のもありますぜ?」何ィィィィ!!!署名受け付けしてるサークルの元に、速やかに直行したのは、言うまでも無し。

 そんな事があり、楽しかった有明の宴も、残り一時間となった。最後の一時間は、のんびりと座って過ごした。って言うか、誰のか判別困難な荷物の山に埋もれて、置いて行った人々が引き取ってくれない事には、片付けようにも片付けられないってのが現実だったけどな。

 …ふぅ。しかし、面白かったな。同人誌という接点の元、幾万という多くの人と人とが、このビッグサイトに集い、新たな感動を持ち帰り、帰って行く。誰に言われた訳でもなく、強いられた訳でもない。祭のようなハレの舞台か、渡り鳥のような自然の摂理か。皆は当たり前に、この地に集う。そして、次の出会いの時を目指し、日常へと戻る。色々問題はあるけど、コミックマーケットは素晴らしい場所だと思うよ。別に、超巨大有害図書市場って代物じゃない。様々な表現と、それらを求める人々との出遭いの場。勘違いしてる馬鹿も誤解も多いけど、願わくば少しでも長く、この場所と接していきたい。

 1600時、コミックマーケット62閉会。ここで、先行者装甲集団及び、宮原特戦隊の面々が挨拶に来た。まず、何だかんだと、特戦隊に入りっきりだったK、続いてはJUPIさんに匿奈木のぞむ、そして、多忙の宮原隊長の名代(?)で、「先生」と呼ばれる特戦隊ナンバー2の人物。んで、一番大変だったのは、ぽこもけさん。本当は不参加の予定だったのに、特戦隊命令で無理に参加したらしく、かなり大変だったんだろう。頭にはヒマワリの花を乗っけてた。あの人も、遂に…うううっっ…(失礼。ラグナロクは門外漢なんで、元ネタはよく知らないナリ)

 やっと荷物が引いたので、ようやく片付けを始める。が、かなりモタついてしまい、気づいた時は、周囲は既に机も引き払ってしまってて、かなり浮いて、恥ずかしい思いをしたりする。あああ…

 20分ほどで片付け、会場を出る。以後は別行動。国際展示場駅から臨海線で天王洲アイルまで乗って、東京モノレールに乗り換えて、羽田空港に到着。直ぐに搭乗手続きを済ませ、早々と出発ロビーに引き篭もった。搭乗11番ロビー、去年と同じ位置ナリ。ここでは、シュウマイ弁当と万世のカツサンドを食すのを、無上の楽しみとしてる。早速、売店でこれらを買う。ビールも欲しい所だが、ここは、家に帰ってからの愉しみに取っておく。

 さて、戦利品を読みつつ食べようかな♪と、弁当を開いてる途中、ふと胸ポケットに目を遣ると、無い!入れてるハズの搭乗券が無くなってるじゃないか!全身が瞬間冷却するハチ。何処に落とした?!焦りながら周囲を見まわすと、その傍らで、売店のおねーさんが、呆れたような表情でハチの搭乗券を手に立っていた。ああ…売店に忘れてたのねん(汗)しかし、焦った。もし、これが、周囲の目から隠れつつアレな本を読んでる最中だったら…考えただけでゾッとする。ん?何か間違ってるような気がするが、気にしないでおこう☆

 2025時、羽田を飛び立つ。福岡に降り立ち、地下鉄とバスを乗り継いで、2315時頃に自宅へ。シャワーを浴び、ビールをグビグビしつつ、戦利品を読み悦に入るハチ。空港やバスの中で我慢し続けた、アレな本の封を切る。って言っても、エロだけじゃないよ。Kが見つけてきた掘り出し物の北の国の共産趣味本も含まれてる。…ある意味、エロよりもヤバいかもな(笑)


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