新春恒例 うまい棒万国博覧会レポート
〜生首と鉄人と〜

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1月11日

 夜2435時って言うか、翌0035時。総数300枚を越えるコピー紙の束を目の前に、ハチは呆然としていた。

 いや、今さっきキンコーズで原稿をコピーしてきてね。で、吉か不幸か、丁度セールをやってて、1割引きときたもんだ。ついつい、来週のドームまでコピーするにょ。と思い立ち、この膨大な紙の山と格闘する羽目となった。あああ……

 泣いても仕方ない。黙々と紙を折るハチ。コピー本の製本。確かに、開始直後は楽しいよ。苦労の結晶が形になって行く様がね。ただ、30分もすると、『ベンハー』のガレー船漕ぎの気分になるけど。何せ、過去にここまで大量に製本したのは始めてのハチ。指が擦れてヒリヒリするわ、トナーが染みついて浅黒くなるわで、ヘロへロ。

 0325時。ようやく、コピー紙無限地獄を全部折り終える。この時点で、寝るのを諦めた。ちょっとお茶を飲んで作業再開。何せ夜中も夜中。ホチキスの音すら気になるので、気を付けながらガッチンガッチンと針を打っていく。ちなみに、両面コピー本で本の背に針を打つスタイルでの作業の時は、ホチキスを両手で抑えこむようにガッチンと打つと、音が最小限になります。深夜にコピー本を作らざるをえない状況では使えるかも?いや、深夜にしないのが一番良いんだけど。

 0548時。ようやく、総数52冊。全部の製本が終わる。カバンを引っ張り出し、バタバタと準備を始めるハチ。本、サークルチケット、新幹線の切符、筆記具、破天荒さんへの献上品…ホイホイとカバンに押しこむ。特に、チケットは何度もチェックするハチ。いや、大昔2回目のサークル参加のときに、サークルチケットを無くしてね。冷たい雨の中で一般で並んだ、その時のトラウマか、チケットは神経質になったようだ。


1月12日

 あ…あ…あああ………

 気味悪いほどに生暖かい朝、ヨロヨロになりながら重い荷物を担いで歩くハチ。去年は既刊本&新刊の原稿を一緒に持っていってて相当かさばってたけど、今年もあんまり変わりないような気がする。献上品が壊れ物で神経を使う分、逆に難儀かも。駅からの20分の道程が、いつもよりも長く思える。

 その道を、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、吸血鬼、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く…

 は…は……はひぃぃぃぃ……足元がヨロつき、カバンが肩に食い込むハチ。よく考えてみれば、帰りには同じ距離を歩かないといけない。ハチの両肩に、疲労がドっとのしかかる。

 1715時。お、おおおおおおおおおおおおおお、終わったァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!死ぬ思いして仕事を終わらせるハチ。完徹での仕事は時折やるけど、今回は特に大変だったね。作業中、立ったまま寝てたし。ヨロヨロと歩いて、駅まで行くハチ。

 ここで、日程を確認。1:博多駅で新幹線に乗る。2:小倉でぽこもけさんと合流。3:新大阪で降り、梅田の東急インにチェックイン。4:朝、部屋に来る事になってるKを不法侵入で警察に突き出すと合流。5:会場であるセンイシティへ行く。6:イベントで生首本をそこそこ売る。7:うまい棒バトル「うまい棒の鉄人」に参加し鉄人を倒す。8:帰りに、本場のお好み焼きを食らう。9:新幹線で福岡へ帰る。

 1920時。新幹線ホームにおっ立つハチ。これから、1935時発のレールひかりで新大阪まで移動する事になる。何故に新幹線か?いつものように、ツアーのセッティングはKに委任してたら、こうなったナリ。今日びの旅行は飛行機の方が安いと相場が決まってるが、時にはこのようなケースがあるらしい。が、新幹線は久し振りなので、今から楽しみのハチ。

 1935時。レールひかりが動き出す。車内はかなり良し。座席は広いし、シートにはドリンクホルダーが付いてるし、何げに上着掛けが付いてるし、かなり快適。が、新幹線の路線はトンネルばっかで、夜景を楽しむことは出来ず。

 1955時。小倉へ到着。「やや、どうも」ぽこもけさんが入ってきた。座席は隣り。合流した事だし、食事も済ませてるんで、寝て過ごすつもりだったが、インフェルノ内部事情やらの話に花が咲いた。

 2215時。新大阪駅に到着、東急インへと徒歩で向かう。「どこか…な」地図片手に大阪の町を徘徊する、九州人が2名。「前来た時は地下に居たんで、上の事情はちょっと分からないな…ハチさん、覚えてる?」うん、覚えてる覚えてる。と言いつつ、断片的な記憶を頼りに、トコトコと先導するハチ。

 10分後。「時に、ハチさん。もしかして…」あははは〜道を間違えたみたいですよ〜…………って、その釘入りのバットは何よ?!もしかして、日記マンガでよく匿名希☆望を撲殺してる奴?!

 その夜、淀川が赤々と染まったという。

 2253時。何とか東急インに到着。食事も終えてるし、特にする事も無いので、とっとと寝てしまう。その前に自販機でビールを買ってくるハチ。戻ってくるが早いか、ぐびぐびと飲むハチ。んで、ぽこもけさんはお茶。ここで、ちょっとした雑談開始。話題も、自然とイベントに関する物となっていく。が、とても書けないような話ばかりなので、割愛。ご勘弁を。



1月13日

 0615時。起こされる。そろそろKがこっちに着く頃だそうだ。程なく、Kから電話があり、ぽこもけさんが迎えに行く。その間に風呂に入ってると、Kが登場。「ほら、貴様はこれを持て」Kが持ってきた大きな袋を開けると、長いクッションが出てき…って、これがうまい棒抱き枕?!

 「そうだ。イベントでは貴様がこれを抱いて接客するがよい」これを、か?「うむ。うまい棒バトルも、これを持って参加せよ」へいへい…

 0700時。それまで半分寝ボケてた、ぽこもけさんの目の色が変わった。「これからが日曜のゴールデンタイムだにょ〜」…だそうだ。すなわち、ガオレンジャーからどれみまでの、テレ朝日曜朝の番組ラッシュの事ナリ。ハチはさほど興味無いので、買ってきたスポニチを読みつつ横目で見る程度。今のハチには、ガオレンジャーがキカンシャオルグに勝てるかってよりも、ラスカルスズカが復調するのか?どれみ一行がパティシエに合格するかってよりも、ヤマニンセラフィム&ローマンエンパイアの全勝組がどのような走りを見せるか?って事に関心が向けられていた。

 0900時。ようやく出発。途中、吉野屋に寄って、地下鉄で淀屋橋に。そこからトコトコとセンイシティへ向かう。会場には、既に行列が形成。会場の規模にしては大きい列は、相変わらずナリ。この時点で、財布の中は4000円程度。本場お好み焼きを食らう経費を考えたら、2000円ぐらいだろうか。で、今、パンフを買ってきて、1500円。…本を買うのは諦めよう。

 1030時、サークル入場開始。今回のオブジェは、下手にTomakのキャラを描くよりも、シンプルかつインパクトに攻めるが吉だろう。そう考え、スケブに生首ありマスと一言書きなぐってオブジェ代わりとした。

 設営も終え、破天荒さんところにご挨拶。と、簡単に言ってはみたけど、相手は関西屈指の同人作家。すっかり畏怖してしまうハチ。「どうした?行かぬのか」Kとぽこもけさんが、んじゃめなさんのブースの方へ歩いて行った。あ、待って待って(汗)慌てて追うハチ。

 さて、んじゃめな本舗ブース…って、後ろには誰もいねェェェェ!!!!!結局、おっかなびっくりで献上品を渡し、頼んでいた本を受け取って後にした。当然、足はガクガク(汗)後から分かったんだけど、その時に応対してくれたのは鬼羅狂氏だそうだ。

 1130時。大歓声と共に、は〜とふるDiaryの開始。出入り口から、一般参加者がゾロゾロと入っていく。丁度、ハチのブースから出入り口のカウンターが見えたりする。カウンターでは、HD名物のメイドさんが参加者の応対をしていた。…………カメラ持ちこみ禁止な理由が、分かったような気がした

 開始直後は、人の流れは大手に向かうもの。うまい棒抱き枕をだっこしながら、その人の波をぼんやりと眺めているハチ。オブジェを見て笑ってる人もチラホラいて、思惑が当たった事を実感。ふと、1名の参加者様が立ち止まったかと思うや、生首本全部買って行かれた。おや?開始15分で、もう売れたか…と思った直後、生首本を求める更なる参加者様が登場。

 前回の成果から判断して、『1冊でも売れれば上出来、10冊売れれば御の字』と考えていたハチ。が、開始30分で15冊イってしまってるじゃないの?!15冊と言えば、過去最高レコード更新だってば(汗)…それどころか、目の前からコンスタントに本が売れて行き、開始1時間で20冊突破!(汗)

 な…なぁ?ハチは…夢…見てるのか?「否、貴様の目の前で本が売れて行く。それは紛れも無い現実である」今までにない現象に、逆に怖くなったハチ。頭を冷やすべく、パンフを片手に会場外へ外出。ついでにコンビニでエビアンを調達して、新たなオブジェとした。

 1330時。開始2時間経過で、折り返し。この時点で、30冊突破(滝汗)ハチの手元のコピック入れ兼筆記具入れ兼つり銭入れには、1千円札が目立つようになってきた。いつから大手さんになったのやら?さて、今までになく多い売上。大半はドーム売り分のコピー代にすっ飛ぶ事になるのが確定してる。仕方なく、泣く泣くKに借金した。
 
 合間を見て、何度か外出して本を買い求める。が、今までに無い体験に、すっかり動転してたのか、今回目当ての神戸グラサンチョッパーズさんや南風館さんあたりをチェックし忘れたのは痛恨ナリ。その中、今回1番の当たりは鼓笛隊さんかな?ぷに系の愛らしい絵柄に地獄のような毒ギャグは妙にマッチしてて、ハチ的には好きですね。

 「ちょっと後ろ使いますよ?」あ、荷物ね。はいはい、どう…って、何で鉄人有馬氏がここに?!ああ、ぽこもけさんとコミケの戦利品、いわゆる『夢』の取引をするって言ってたな。冬コミ以来の再会を祝し、堅く握手する漢2名。有馬氏が大きなカバンから取り出したのは、箱一杯の本。ハチには今1つ価値がわからないが、大手さんの新刊一杯らしい。真剣な眼差しで取引をする両名。……この人と、うまい棒で戦うんだよねぇ…そんな事を思いながら、取引の光景を、ぼんやりと眺めていた。他に色々書きたいことはあるけど、ほら…面識無い人をムチャクチャに書けないでしょ?ね?

 1430時。残り1時間。列は出来ないんだけど、どの時間もコンスタントに売れてる。1434時、ついに40冊突破!(ナイアガラ汗)…これは……夢だろ?何かの間違い…じゃないのか?「試してやろうか?」ガンッ!!

 強烈な痛みと共に、紛れも無い現実世界での出来事である事を自覚するハチ。…はいいんだけど、午後の紅茶ロイヤル280Ml缶で行使する事はないんでないかい?Kよ。

 机には、Kが調達してきたうまい棒が散乱。ちょっとおなかも空いてきたんで、食らう。ボリボリ…んまいんまい……ん?タコヤキ味?福岡では見ないな。流石は大阪、って所か?案外、ご当地メニューがあったりして。いや、下関にふぐ味とかはないだろうが。後からだから言えるんだけど、このタコヤキ味が後にとんでもない波乱を巻き起こすとは、ね。

 1530時。は〜とふるDiaryは、ここでとりあえず終了。参加者を一旦全員退室させての会場整理の後、お楽しみの第2部が始まる事になる。で、最終的な売上は…な、ななななななななぁぁんと48冊!持って来たのが60冊だから、相当売れた事になる。怖えぇ(汗)いやマジで、ここまで売れると、逆に怖くなるね。ってのも、自動的に次回はもっとレベルの高い本を出さないといけない事になる。ハチにとっては、相当なプレッシャーだね。それに、心のどっかで慢心が生じると思うんだよね。頭では分かっていても、結局は驕りが出てしまう。これが一番の脅威かな?ま、今年一年間が正念場になるだろうな。いろんな意味で。


私の記憶が確かならば、は〜とふるDiaryにおいて、
同人誌即売会はオマケであり、メインはうまい棒早食いイベントだったらしい。

 そんなワケで、本日のメインイベント。誰が何と言おうが、主催者が否定しようが、本日のメインイベント!その名も、『うまい棒ロワイヤル・ファイナルうまい棒の鉄人』が幕を開けようとしている。

 その前に、HD神社の祈願が始まった。このHD神社ってのは、冬のこの時期のHDにのみ開かれる、マルチをご神体と崇めるアレな神社の事ナリ。巫女さんは言うまでも無く、神主さんも居て、絵馬の願をちゃんと祈願もしてくれる。が、その絵馬の願事ってのが『うまい棒バトル勝利』『夏コミ当選!』『マルチ!マルチ!マルチ!』などの、非常にアレな内容ばかり。この本能全開フルパワーの内容に、神主さん、暫し呆然.…

 このHD神社の宮司。本物の神主さんであるだけはなく、G衛隊の人でもあって、ここに来てるタフな参加者をスカウトに来てたりもするとか。しかし、ここの面々をG衛隊スカウトするのは、ジョン・レノンをベトナムへ従軍させるようなものだと思うんだけど、どうだろ?

 ♪ヂャンヂャンヂャンヂャン…例のOPをバックに、うまい棒アカデミー総裁やまねあきひろ氏が登場。お約束通りうまい棒をかじると、会場は大歓声に包まれた。かくして、狂気の宴は幕を開けたのであった。

 「お前ら、即売会よりも盛り上がってへんか?」やまね氏は呆れ顔で言う。だからぁ…これがメインなんだってば。さて、今回で3回目となった、恒例のうまい棒早食いバトル。しかし、残念な事に今回で最後となる。で、最終回を飾るにちなんで、今回の優勝者と過去のバトルの優勝者、すなわち鉄人とを戦わせようという、うまい棒戦士にとっては夢のようなイベントと相成った。

 が、参加枠は6名×6ブロック、計36名。事前に登録した参加申し込み総数は60名超!つまり、競争率2倍。ここは夏コミですか?(汗)結局、抽選となるんだけど…ハチは落選。ハチのHDは、これで終わった…(号泣)

 運良く(悪く?)バトル参加権を獲得したうまい棒闘士(グラディエーター)達が、次々と会場に集められていく。「止めるなら今のうちやで?」やまね氏が言うが、うまい棒に命を賭けた漢が、今更命を惜しむわけにもいかない。かくして、36名の命知らずが会場に集められた。

 抽選に先立ち、少数のうまい棒バトル未体験者の為のルール説明を兼ねて、鉄人によるエキシビジョンマッチが行われる事となった。「さぁ!よみがえるいい!!」大歓声に迎えられ、2回の死闘を戦い抜いた、うまい棒を極めた鉄人2名の会場入り。

 最初は、パーカーを深く被り&グラサンのNYの少年ギャングの如き格好で、鉄人有馬(敬称略)の登場だ!「ア・リ・マ!ア・リ・マ!ア・リ・マ!」元祖うまい棒伝説の登場に、会場からアリマコールが轟き、観客は一気にヒートアップ。

 続いては、シャア専用シャツを身にまとい、うまい棒エビマヨ味抱き枕を抱きかかえ、鉄人マヨ(以降鉄人は敬称略)の登場だァ!「マ・ヨ!マ・ヨ!マ・ヨ!マ・ヨ!」前回のバトルで鉄人有馬を倒した、現在実力ナンバーワンの鉄人の登場に、マヨコールが轟き、会場はさらに熱くなる!余談だが、このマヨって洗礼名は、前回バトルで「エビマヨ味が嫌い」という氏のコメントから、教師ヤマネ(当時)が勝手に命名したんだそうだ。

 「お前ら、ええ加減にせぇよ…」尋常ならざる格好の両鉄人と、もっと尋常ならざる会場の盛り上がりに、やまね氏は呆然。この状況がどのようだったか?百聞は一見にしかず。このイベント告知ポスターを見てもらえればわかるだろう。

 念の為に、ここで簡単にルールを説明。使用するのは、未開封のうまい棒2本とコップ1杯の飲み物。始めはホールドアップ状態でスタンバイ。合図と共に、うまい棒を1本ずつ開封して食らう。1本を口の中に完全に入れるまでは、もう一本には手を触れてはいけない。2本を食らった後で、コップの飲み物を飲み干し、コップを叩きつける(今回は、早押しボタンを用意)までの時間を競う。なお、口の中の物を飲みこむ必用は無し。

 そうしてる内に、鉄人同士のバトルがスタート。まずはスパーリングってところで、ちょっと抑え目に食らう事に。って言うか、この2名が本気を出したら、何が何だか分からない内に瞬間的に終わってしまう。とは言っても、脅威的な早さでうまい棒を消滅させる鉄人2名。結局、鉄人マヨの勝利。ま、ジャブの応酬って所で、両名には余裕の表情。

 さて、前座も終わり、いよいよ予選開始。最終回だけに、うまい棒闘士も気合が入ってるのか、いきなり予選1組目から、20秒前後の好タイム決着となった。果たして、この中に鉄人を打ち負かす闘士はいるのか?

 予選も進み、3組目だか4組目だかのバトルでの事。ある闘士が、かなりの好タイムでうまい棒を貪り、最後の飲み物を口に注ぐ。が、飲み物が口から溢れ、何割かをシャツに飲ませて完食。「ちょっと待った」当然ながら、主催者サイドから物言いが入った。結局、許容範囲内と判断され、今回に限り有効で決勝進出となった。

 その他、スタッフの1メイドさんによる女性初参戦などもあり、予選は快調に進行する。ハチの知ってる人物は、ほぼ抽選落ちで全滅だったが、唯一DDハンペラーズの猛者猛者氏が参戦。何と決勝へとコマを進める事が出来た。

 「こいつは人間やあらへん。バケモンですわ」予選5組だっただろうか。やまね総裁が、ある参加者を指して言った。程なくその参加者は、明らかに他の参加者とはケタが違う食いっぷりで快勝した。その闘士の名は、モリモリ氏。前々回のバトルで、鉄人有馬と決勝を争った程のうまい棒超人。去年の雪辱を果たすべく、最後の戦いに挑んだって所だろう。

 予選も終わり、ついに決勝戦!まずは、死闘を勝ち抜いた6名のうまい棒闘士が順に紹介され、歓声を受けつつ会場入り。新たな伝説の誕生の瞬間に立ち会える、その喜びと恍惚に、会場全体が酔いしれていた。闘士達も、「オレこそが勝者だ!」との自信と、緊張と、大歓声の中で戦う恍惚感とが入り混じった表情をしていた。メイドさんの手により、うまい棒が並べられていく…間もなく、我々は新たな伝説の目撃者となる。

 スタート!流石は、歴戦の勇士。誰も出遅れる事無く、うまい棒を開けて口に押し込む。しかし、怪物モリモリ氏が圧倒的に強い!そのまま押しきり、2着以降に1秒単位の差をつけ、トップで完食。他の闘士も、順々に完食する。で、件のシャツに飲ませの闘士。前よりも大量の水をシャツに飲ませて完食。当然ながら、今回こそは失格(笑)

 この瞬間、新たな伝説が誕生した。新鉄人モリモリの誕生だァァ!!新たなうまい棒伝説の誕生に、観客は歓喜した。…となれば、やっぱ旧鉄人との戦いを見たいよね?かくして、3鉄人による夢のバトルが開始される事となった。

 「鉄人ともなると、通常の戦いでは面白くない。そこで、特別ルールを採用しよう」と、やまね氏が1つのカゴを手にした。そのカゴには、タコヤキ味のうまい棒が20本入っていた。「今日のテーマは!タコヤキ味!!」

 この、ご当地テイストのタコヤキ味を、何と5本食すのが、鉄人ルールだそうだ。って言うか、今決めたっぽいが。ところで、5本づつなら、3鉄人で合計15本。5本余るんだけど…「ヤ・マ・ネ!ヤ・マ・ネ!ヤ・マ・ネ!」

 会場からは、極めて自然にヤマネコールが。「俺も食うんか?ムチャ言うな!俺は人間や、バケモン相手に戦えるわけがあらへん!」が、そんな泣き言を聞くような我々ではない(笑)かくして、3鉄人プラス1名による、真のうまい棒頂上決戦が始まろうとしていていた。

 さて、熟練者でも厳しいであろう、この5本抜き。鉄人はどのように戦うのだろうか?スタート!各自、一斉に1本目を押しこんでいく。2本目、鉄人マヨがリードしているが、鉄人有馬&鉄人モリモリも十分に射程圏内。3本目…おおっと!鉄人有馬がここで、まさかの失速?!うまい棒を押し込む手が、完全に止まった。騒然となる会場。

 結局、鉄人マヨがそのまま押し切って優勝。最強鉄人の座を手中に収めた。一方の鉄人有馬は、完食もままならず途中退場…やっぱり、5本食いは鉄人とは言えども、過酷なものであったのだろう。後で分かったんだけど、このタコヤキ味ってのが曲者で、うまい棒で一番の硬度を誇る物件だという。硬いとなると、口に入れる際に大幅に苦労する。上級者は、飲み込まずに口に押し込んだままで水を飲み、フィニッシュに持ちこむ。だからこそ、硬いうまい棒は思わぬ罠となって、時に闘士に牙をむく事がある。鉄人殺しのタコヤキ味、恐るべし!

 さて、件のやまね氏は、勝負の意志は無く、うまい棒をゆっくりと食していた。そのやまね氏だけど、今回のHD7をもって、スタッフを降りるんだそうだ。今までの功績を称え、主催者による卒業式が、しめやかに(?)行われた。が、先ほどのうまい棒が口の中に残ったままの現状では、感動のお別れ、お涙頂戴!…とはいくはずも無い(苦笑)が、この御仁の名司会が、このイベントを支えてきたのは揺るがない事実。あの名口調がもう聞けなくなるのは、ちょっと寂しいな。何にしても、お疲れ様でした!

 「やまねが、ご神体のマルチを持ち逃げしよった!」「マルチは俺のやでェェェ!!!(フェイドアウト)」「追え!追うんや!!」……最後の最後まで、我々にお笑いをありがとう☆

 この後は、各所から提供されたプレゼント放出のジャンケン大会があったんだけど、新幹線の時間があるんで、ハチとぽこもけさんは、ここで退場。時間の都合上、楽しみにしてたお好み焼きは断念。後は、新幹線に乗って帰るだけで、特筆する事は無いな。

 最後に、Kから聞いたプレゼント大会の話をしておこう。プレゼントの中には、件のうまい棒の鉄人ポスターが出されてて、鉄人マヨが思いっきり嫌がってた。ジャンケンの結果、ある女性がゲットしたのを、鉄人マヨは「一体、何に使うんじゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と多いに嘆いていたそうだ。


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