川口デニム探検隊シリーズ
第2話 戦慄!死者の宮殿で若造り魔人を見た!?
カチュア「語呂がいいいから、タイトルはこのままいくわね。でも、主役はこの偉大なる美しき王女たる、わ・た・し(はあと)」
カチュア「プレザンス神父、よろしいですか?」
プレザンス「殿下…おっと、陣中では只のカチュアでしたな。では改めて…何かね、カチュア」
カチュア「貴方のイクソシズムの魔道書を、私に預けて頂きたいのです」
プレザンス「除霊は私の仕事であるのだが…」
カチュア「いえ、ここの屍人達は元々、この戦乱の犠牲となった者ばかりです。彼等の魂の救済は、ヴァレリア王家の正統なる後継者である、私の義務です。幸い私には、神聖魔法の魔道書を扱えます。お願いです、ここは私にお任せ下さい!」
プレザンス「…わかった。カチュア、ここはお主に任せよう」
カチュア「ありがとうございます」
デニム 「あれ、姉さんどうしたんですか?」
プレザンス「実はな(中略)というわけなのだ。泣かせる話じゃないか、これでヴァレリアは安泰だな」
デニム 「でも、アンデットはいつも姉さんが、スターティアラで一掃してますよ。イクソシズムなんて要らないはずなのに、何でだろ?」
プレザンス「大体、読めてきたが、当たってない事を、大いなるフィラーハに祈るよ…」
死者Q地下50階
カチュア「この女王様にひれ伏さない愚かな屍どもよ、消えなさ〜〜い!イクソシズム!」
張り切ってアンデットを消去し回るカチュア。しかし何故か、3体のアンデットだけが残された。
カチュア「さあ、邪魔者は消えたわよ」
べルゼビュート「おい…」
デニム 「た、隊長。後3体ほど残ってるんだけど…」
カチュア「解らないの?あのアンデットを見なさい!あれはウィングブーツ、あっちはワープリング、こっちは風の法衣…どれもアンデットごときには勿体無い激レアアイテムを装備してるじゃない」
ベルゼビュート「私を無視するな!」
デニム 「じゃあ、僕は…」
カチュア「そうよ、連中を説得してアイテムをゲットするのよ。そのために、慈悲深〜〜いこの王女様は、邪魔者を消してあげたのよ?さあ、わかったのなら、さっさと行きなさい!」
デニム 「はいはい、いってくるよ…(ため息)」
ベルセビュート「さんざん私を無視おってからに、見てろよ…MPが溜まった時が貴様等の最期だ!」
カチュア「ちょっとオバさん、高台に上がって何言ってるのよ!」
ベルセビュート「私はオバさんではな〜い!貴様、ミス死者Qに対して何て口の聞き方をするのだ!!」
カチュア「遠くから魔法で、一網打尽にしようなんて発想自体が、老化現象の始まりよ。これだから年寄りは…あ〜いやだ、いやだ」
ベルセビュート「動かずにスターティアラを唱え続ける貴様とて、同じようなものではないか!」
カチュア「あ〜ら?ヴァレリアの正統なる統治者として当然の処遇よ。あなたのような、卑しい愚民とはワケが違うのよ」
ベルセビュート「き、貴様、私を侮辱しおって…私の攻撃は禁呪だけではなぁ〜い!くらえっワードオブペイン!!」
カチュア「きゃあっ」
デニムを前に出すカチュア
デニム 「わっ!」
デニムにダメージ5、及びMP5マイナス
カチュア「デニム…貴方、姉さんのために…(感涙)」
デニム 「姉さんが勝手にやったんだろ!」
ベルセビュート「おのれ、小癪な!もう一度食らえ〜い!」
ギルダス「ぎゃっ!」
ギルダスにダメージ5
カチュア「ゼノビアの騎士よ、貴方の忠義に感謝します」
ギルダス「待てい!姉ちゃん(怒)」
教訓:元気な者の放つワートオブペインほど惨めな物はない
魔人を無視し説得し回るデニムだが、ウィングブーツを履いたスケルトンだけが、寝返りを渋っていた
デニム 「3食昼寝付き、高給待遇、昇進確実!だからさ〜頼むよ〜」
スケルトン「ケッ!何でお前らバクラム人何ぞの仲間になるかよ!」
カチュア「貴方は未だ、民族のしがらみにこだわっているのですね。確かに、民族の対立で貴方の肉親、親兄弟、同朋が亡くなりました。しかし、それは公爵、枢機卿、司祭といった権力の亡者が、自らの野心の為に、民族の対立を捏造したのです。民族の対立というものは、本来は存在しないのです!我らがヴァレリアは今、大陸の略奪者の牙にかかろうとしています、その悪の手からヴァレリアを救うためには、バクラムやガルガスタンといった民族を棄て、一つのヴァレリア人として、団結しなくてはいけないのです。私達のヴァレリアを護るため、貴方の力をぜひとも貸してください!」
スケルトン「…わかったよ。大義とやらに一肌ぬいでやるか」
カチュア「それじゃあ、後はあのババアのみね。あれに用は無いから、さっさと片付けてね(はあと)」
かくして、自称・ミス死者Qベルセビュートは、アロセールの雷神の弓にて瞬殺されたのであった(合掌)
カチュア「さて、アイテムも没収したことだし、その死体3つ除名!」
アンデット「え〜っいきなりそりゃないぜ〜!」
カチュア「おだまりっ!死体のくせに、レアアイテムを持ってて生意気なのよ。除霊しちゃうと消えてしまうから、生きてる人間様のために、そのレアアイテムを使ってやろうっていうのよ。感謝はされても、恨まれる筋合いはないわ」
アンデット「貴様!月の無い夜には気をつけろよっ!」
カチュア「月の無い夜には、星が輝くわ。ああ、この美しい美貌の私を照らす、満面の星々よ。私の行く手を阻むゴミ共を消し去っておくれ〜スターティアラ!」
果して、最早キャラクターが一人歩きしてしまって、作者も困惑しているカチュア隊長は、幻の秘宝を手にする事ができるのだろうか?次回、川口デニム探検隊シリーズは「恐怖、死者の宮殿に闇の刺客を見た?!」を、お送りします。ご期待下さい。
プレザンス「大いなる父フィラーハよあの者の罪をお許し…しないだろうな、多分」