川口デニム探検隊特別編
戦慄!ハイム城に謎の司祭を見た?!


バンハムーバ神殿


モルーバ「…そうか。プランシーは神に召されたか」
デニム 「お願いです。どうか僕に力をお貸しください」

モルーバ「…戦って何とする?お前は枢機卿や公爵のように権力を欲するが故に戦っているわけではない。しかし、争いは民を苦しめ、民に犠牲を強いるのだ」

デニム「ええ、わかってます。だからこそ、争いの火種を消さねばなりません。二度と枢機卿や公爵のような連中を出さない為にも、争いの要素として利用される要素を無くさないと…かつてドルガルア王がそうしたように、僕たちは個々の民族を棄て、ヴァレリア人として団結しないと」

モルーバ「亡き王のようにはなれん…。民が望んでやまぬヴァレリアの救世主が、暗黒騎士団の手の内にある限りはな…」
デニム 「姉さん……」

モルーバ「カチュアと戦うことができるのか、お前に?」
デニム 「はい」

モルーバ「……………」
デニム 「ええ、僕は平気ですから」

モルーバ「…のぉ、デニムよ。こういう時はじゃな、嘘でも良いから、少しは躊躇う素振りぐらいは、見せておくべきじゃぞ?」
デニム 「すいません…」



ハイム城


ブランタ「そうか…シェリーがな」
兵士  「ハッ、禁呪捜索に向かわれた、シェリー様からの連絡が、途絶えまして…」
ブランタ「解放軍に敗れた…か。うむ、下がれ」
兵士  「ハッ!」



その夜のハイム城ブランタ私室


ブランタ「…くそっ!忌々しいっ!シェリーの奴め、しくじりおって!!あの程度の任務もこなせぬ者など、我がバクラムには必要ないわ!!」


怒りに顔を高潮させつつ、部屋をウロウロと歩くブランタ。
やがて、落ち着きを取り戻したのか、足を止める。


ブランタ「…とは云うが、あ奴ほどに有能な者も、そうそうおらぬな。何にしろ、今は人手が足りぬ。もう一度チャンスを与えても良かろうて」

怒りも収まり、安堵の気持ちで頭に手をかけるブランタ
ブランタ「ふぅ…今宵は一段と蒸れるのぉ」


シェリー登場


シェリー「ブランタ様、申し訳あ……」
ブランタ「……」


丁度、ヅラを外してたブランタ。その変わり果てた姿に、シェリー絶句。
ブランタ「誰かあるか?!であえであえ!!」


部屋に、多数の兵士が押しかけて来る。
そのどさくさの内にブランタは、当然ヅラを戻したのは、言うまでも無い。


ブランタ「この奴は、解放軍に通じた裏切り者である!」
シェリー「な、何ですと?!」
ブランタ「討ち取った者には、恩賞は思いのままである。かかれェェェェェェ!!」
兵士's 「ぅおおおおおお!!!!」


かくして、不幸にも追われる身となったシェリーであった。否、城から逃げられた分、刑場の露と消えたヴァイスよりはマシであろうか。果たして彼女の運命やいかに?!次回、川口デニム探検隊シリーズ特別編は「戦慄!廃墟のバルマムッサに謎のバカップルを見た?!」をお送りします。お楽しみに。


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