熊本城攻防戦レポート
〜11人のブルーへクサ〜

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6月8日

 仕事から帰宅後、昨日に引き続き製本。明日の準備も含め、全てを終えたのが、深夜の0140時。さ…て、どうしたものか?

 ここの日記を長く読んでる諸兄なら分かるとは思うんだけど、ハチはイベント前夜に、自分でちゃんと起きた事があんまり無い。過去、致命的な失敗をやらかして以来、ジンクスと化してしまい、大抵は前夜は徹夜して当日に臨む事が多くなってる。

 一応、理由を考えてみる。殆どの場合、イベント前の数日間は、命を削る思いをしつつ新刊を仕上げてる。前夜も、それなりに遅い時間まで準備に追われる羽目になっている。当然、疲労はピークに達してて、そのような状態において、中途半端に短い睡眠時間では、目覚ましの音は存在しないに等しい。かくして、目覚めてみると豪快に寝過ごす結果となる。そこでハチは、そのようなリスクを侵すぐらいなら、始めから徹夜してしまう手を採った。これだと、イベントはかなりキツくなるが、入場には100%間に合う。

 今まではこれでも良かったが、最近になって問題が浮上してきた。一つは、ズバリ老化。今までは、(いろんな意味で)怖い物知らずのハチの体。が、四半世紀を生きるに至り、次第に、体の衰弱の足音が聞こえるようになってきた。年を重ねるごとに、段々と徹夜がキツくなってきたナリ。

 それにもう一つ、実はハチには前夜の過ごし方に、もう一つジンクスがある。それは、前夜寝たらよく売れるって事。過去の売上最高レコードのイベント、つまり今年のHD及び冬ドームは、両方とも前夜にしっかり寝てた。それに、10冊以上売れたイベントも、殆どが前夜に寝てる。逆に、惨敗の時は全て、前夜に完徹してる。前回の春ドームも、徹夜して参加し、ブース内で船漕いで一日を過ごしてた結果、惨敗の憂き目を見てたりする。夏コミ新刊は初のオフセで挑むと決めただけに、連続で惨敗して自信を喪失させるのは危険ナリ。

 時計を見る。時刻は深、夜0200時を回っていた。サークル入場時間や列車のダイヤを考えると、0630時に起きるのが理想的。残された時間は4時間半。ちなみに、ここ数日の睡眠時間は、三時間弱→ゼロ→三時間半となっている。マジで起きれるのか?思いっきり心配になってきたハチ。遠出だけに、ここでの寝坊は致命傷となる。が、ガタガタ言ってても仕方がない。毛布に包まり、そして目を閉じた。

 次に目を開けた時、時計は何時を指してるのだろうか?


6月9日


 漆黒の彼方から、意識が帰還してきた。目覚ましの音は無い。世界は、不気味なほどの沈黙に包まれていた。ま、まさか?…またやってしまったのか?!覚悟を決め、目を開けるハチ。時計は、0715分を指していた。よかったァァァァ!!!

 多少寝過ごしはしたが、今ならまだまだ間に合う。ベッドから体を射出し、まずは洗面台で歯を磨く。続いて、寝汗を流すべくシャワーを浴びる。髪を乾かすのもそこそこに、昨夜用意しておいた戦闘服に着替える。そして、よいしょ…っと、イベント遠征用の安バッグを肩に担いだハチ。起床から、ここまでに至る時間は、僅か20分間。今のハチにとっては、F1のピットクルー並の迅速さナリ。やっぱ、やれば出来るものだ。

 バスに乗り、0847時発の有明3号に乗ったハチ。1011時、熊本に到着。駅前で合流したKに、嫌々ながらチケットを渡し、市電にて、会場の産業会館に赴いた。で、会場は、程好い広さで、通路もかなり広く確保されててる。今日は、剣聖覇王商会やG・P・M等の中央クラスも多く参戦してるだけに、不慮の事態を警戒して余裕を持たせたのだろうが、結果的には、過ごしやすい環境になったようだ。

 ハチも、設営をテキパキと済ませる。本3種と、スケブにサークル名と番号書き殴った案内板をミニイーゼルに飾っただけの、至ってシンプルな物件。…おっと、これを忘れてた。さて、ハチがカバンから取り出したりますは、エビアンボトルキャップフィギュア。この前の生首日本語版の、全プレで貰った物件。これを、エビアンのボトルに…入らない(涙)このキャップは通常のジュースのボトルに対応してて、ちょっと大きめのエビアンのボトルのフタには入らないようになってた。肝心のエビアンに入らないのはちょっと悲しいナリ。結局、ボトルに直接はめ込んで飾った。

 で、今回の新刊は、コラージュ比率をかなり控えたモノにした。いやね、夏コミの新刊はオフセットで挑もうと思ってるんだけど、そうなると、コラージュはまず無理。そんなワケで、事前練習のつもりで、手描き漫画で勝負してみた。あと、既刊で在庫が無くなったのがあって、これが良い機会と、ちょっと改定してみたりした。何にしても、勝負かかってるナリよ☆

 1100時、開会宣言と共に、拍手が巻き起こる。福岡では、最近めっきり無くなった光景ナリ。直後、ゾロゾロと一般参加者が入場してくる。当然の事ながら、最初は大手に流れたけど、特に混雑も無く、序盤が過ぎていく。

 開始から15分後、始めの参加者の方が、戦闘団の本を手にとって下さ…おっ?買って下さると?ありがとうございます〜☆そんなワケで、早くも1冊目が売れた。1130時、委託スペースの開始。残念ながらも直参は出来ないが、聖地でのイベントに参加を志願する猛者共の熱き思いが宿った本が、スペース狭しと並べられている。

 開始1時間半で、早くも5冊。前回とは打って変わった順調過ぎる結果に、マジで驚き。あと、本を手にして下さった参加者の方の反応が、(買う買わないは別として)すっごく良いのが印象的。流石はオンリーイベント、参加者の意気込みが違う、って所だろうな。売れ行き以前に楽しい☆

 一方、イベントの華・コスプレも、会場を麗しく彩っていた。コスプレイヤーの8割が女性だっただろうか。んで、キャラの男女率は、ほぼ五分って所かな。

 「こぉ〜〜のたびゥわァあ〜〜当イベントにィィィ〜〜〜〜お越し頂きましてェェェ〜〜〜」な、何ィ?!いきなり、ハチの目の前に、スタッフ章を付けた妖しい白い生物がクネクネと通過して逝った…スタッフ自ら、イワタマンかい(汗)

 そうする内に、ジャンケン大会が始まった。どうせ閑古鳥が鳴くだろうから、今の内にトイレに行っておき、ついでにサークル回りをした。何だかんだ言っても、レアアイテムを始めから放棄した同志もそれなりに居るもので、「はぁ…向こうは賑やかですねぇ」「ええ、そうですな…」ってな感じで、売り子さんと語り合いながら本を選んで回った。よく見てみると、ジャンケンは社長御自らやるようだ。賞品は、木村女史直筆の色紙らしく、社長を取り囲む参加者ズの背中からは、それは恐ろしいオーラが出ていた。それはさながら、社長が幻獣の群れに囲まれたようだ。

 「うわぁぁぁぁ!!」「つ…強い!!」「また全滅かよ?!」「って言うか、社長強すぎ!」見てると、社長が文字通りの精霊手にて、ことごとく参加者を粉砕していってた。しかも、参加者全滅でドローに持ち込んだのは数知れずり(汗)まるで、幻獣の群れを蹴散らす絢爛舞踏を見てるようだ。

 1430時、あっという間にイベント終了。で、結果は12冊。上出来過ぎる結果☆この後の味のれんでの打ち上げは1900時、まだまだ時間があるんで、途中で合流したCCさくらの人(仮)に、菊池温泉まで連れられ、一風呂浴びて再び熊本に舞い戻った。その後、味のれんで飲んで、1日終了って事で。

 「おい、貴様」何だよ〜K、話を折るなよ。「味のれんの話はどうした?貴様の晴れ舞台ではないか」い、いや…今改めて回顧してみると、すんごく恥ずかしいんだわ。これなら、寝ゲロったって言ってた方がまだマシだってば。「ふむ…貴様が乗らぬのなら、仕方が無いな。で、時に貴様、今度の夏の新刊はオフセットと言っておったな。その資金はどうするのだ?」…そ、それじゃ、味のれん編の始まり始まり〜♪


 今回のオフ会、真紅のスカーフを巻くのはKになってるらしい。突出しが配られ、最初の1杯の注文を聞いて回るK。ぼちぼち飲み物が回ってきた。例によって、大部分はジョッキだけど、少数派として、各種ソフトドリンクとか、中にはいきなり日本酒ってのもあったり。直にビールが出てくる。が、始めての指揮だけに、かなりもたついてて、なかなか乾杯の音頭にならない。

 そんなこんなで、やっと宴会開始。例によって、2杯目のジョッキを速やかに飲み干し、3杯目をチョイス。その後は、焼酎を頼む。ところで社長は…コスプレイヤー組女の子の中に飛び込んでやんの。ふと、隣を見る。ガブリエルハウンズの2人組が座ってた。見てると、lim嬢が朱院氏をボコにしてた。あらあら、まったく手加減無しだけど、大丈夫かよ?既に虫の息の朱院氏に挨拶。

 ところで、この前がハチの誕生日なんだけど「おお、それはおめでとう☆」全然めでたくないけどね。「あはは…」そういえば、2人は年下だよね?「そうそう。俺が24で、そこのlimが3つ違い」ほうほう「つまり、にじゅうな…ぐはぁあぁ!!!」…あ〜あ、完全に入っちゃった。って言うか、それっきり動かないし(汗)ま、見てて飽きないからいいか。(で、本当は21ナリよ)

 2020時、カウンター側のTVに注目が集まる。座敷側でも、Kが持ち込んだ携帯テレビにスイッチが入った。そう、今日9日はW杯・日本vsロシアの決戦の日でもある。既にスイッチが入ってるハチは、熱狂的サポーターに進化を遂げていた。試合前の国家斉唱では、学生時代には行事とかでは一度も歌った事無い君が代を率先して歌うハチが居た。

 2030時、キックオフ!飲みつつ、座敷とカウンターを往復しつつ試合観戦のハチ。ふと、カウンター側の小座敷に、黒服を身にまとったマダムを発見。この方は何と、熱き腐の心を持つ戦記ライターの仲村明子先生だそうだ。これまた神クラスの有名人の登場に驚くハチ。ガンパレファンの奥の深さを思い知ったナリ。結局、前半引き分けに持ち込んだ我等が日本の奮闘に、味のれんはヒートアップしつつあった。

 後半6分…稲本ォォォォォォォォォォ!!!!!!!

 後半に2試合連続で稲本が決めると、大フィーバーの味のれん。臨時熱狂的サポーターのハチは、外へ飛び出して喜びを全身で表現。サッカーが無ければ、完全にタチの悪い酔っ払いナリが。

 以後、一進一退の攻防が繰り広げられ、ボールの動向に一喜一憂する面々。この辺になると、味のれんの雰囲気は3つに分化していた。まずは、サッカーは全然関係無しの『普通の雰囲気』社長を中心に形成されていた。もう一つは、モニターを見ていて、それなりに盛りあがってる『明るい雰囲気』TVがあるカウンター席を中心に形成。そして最後は、国際水準のサッカー熱にまで加熱、力の限り熱狂的に応援する『ガンパレード』 ハチが陣頭に立ち形成。って言うか、ハチ一人だけだったかも(笑)

 残り15分を切った。いやはや、実に心臓に悪い(汗)ハチの生涯の中でも、最も長い15分間になりそうだ。焼酎をガブつきつつ、応援にも熱が入る。いけェェェェ!!!どこかの誰かの未来の為にィィィィィ!!!んで、どっかから「占守島から半世紀、今こそ士魂部隊の敵を取る。な〜んてね」なんてセリフが、ポツリと聞こえた。流石はガンパレオフ会だわな。って言うか、そのネタ頂き!オール・ハンデット・ガンパレード!現代の士魂部隊に栄光あれェェェェ!!!!

 そして、2220時。ついにホイッスルが鳴った。試合終了ォォォォォォ!!!!日本W杯初勝利ィィィィィィ!!!

 今日一番の歓声に包まれる味のれん。そして、外へ飛び出し勝利の雄叫びを上げるハチ。九品寺周辺の皆様、あの時はご迷惑をかけました(ぺコリ)

 勝ったァァァ!!!勝ったァァァ!!!勝利の感涙に咽ぶハチ。ま、早い話が泣き上戸の酔っ払いだが(笑)「そこの酔っ払い!うるせぇゴルァ!」「黙れ!応援せぬ奴は非国民じゃい!!」とまぁ、こんな感じで、暖かに日本代表を祝福したガンパレオフ会の面々。

 そんなワケで、喧騒と歓喜の中、味のれん打ち上げオフ会が終了。ホテルへと戻る折に新市街を見てみたが、意外にも平穏そのもの。あれ?勝利の瞬間から1時間ほどしか過ぎてないぞ?面白くない。後から聞いた話では、我が福岡では、キャナルのスポーツカフェが小破するなど、それなりの騒ぎがあったそうだ。モッコスってのは、博多もんと比べて祭ごとには関心が薄いのかも知れないな。


6月10日

 今日は休み。色々寄ったんだけど、疲労ヘロへロな上に、気持ちは既に夏コミ新刊にイってしまったハチ。例によって内容はロクに覚えても無く、一日が終了。

 さて、次は夏コミ!…と言いたい所だけど、これ書くのに時間がかかって、コンテ切るのが結構遅れてるんだよね(汗)


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