The UNCANNY X-MEN ジ・アンキャニイ・X-メン (1963〜) すべてはここから始まった、X-MENフランチャイズの総本店。 サイクロップス、マーヴルガール(のちのジーン・グレイ)、エンジェル(のちのアークエンジェル)、ビースト、アイスマンという5人組でチームが構成されていた63年のスタート時はこんなのであった。突然変異で生まれ、人知を超えた様々な能力を身に付けたミュータントたちが、人類からの偏見や差別にさらされてヤケクソになりつつも、同じく超能力を持った数々の敵と闘う。開始当初から暫くは人気が低迷したこともあって、途中2年ほどは既刊の再録でお茶を濁したりもした。本格的に人気が大爆発したのは、75年にメンバーのリストラを行ってからのこと。現在、シリーズの主役級となっているウルヴァリン、ストーム、コロッサス、ナイトクローラーなど、多国籍軍なキャラクターがデビューしたのは、この年のことだった(順にカナダ人、アフリカ人、ロシア人、ドイツ人)。それから25年、とにかくキャラクターも増える一方ならお話も複雑化する一方で、ときどき思い出したようにキャラクターやストーリーの仕切り直しが行われるのだが(つい最近も、X-MENシリーズ全体にまたがるリニューアルが行われたばかり)、それも半年ほどすると元の木阿弥で、張るだけ張った伏線を読者以外の誰もがキレイサッパリ忘れてみたり、死んだはずの人間が何食わぬ顔で復活してみたり、ものすごく忘れ去られていたキャラクターが実は重要人物だったり、昨日まで敵だった人物が突然味方になってみたり、まるでWWFか新日本プロレスかというような(しかも、どちらかと言えば後者)非常に混み入ったストーリーが毎月毎月展開されることになる。それでも毎月毎月読んでしまうのは、それなりに各ヒーローや悪役への愛着が湧いてしまったせいだろう。今年で創刊37年。ここ十数年、アメリカにおけるマンガ売り上げの第1位をキープしてます。 X-MEN X-メン (1991〜) 増加しつづけるミュータント・キャラクターの有効活用を狙って、というか「月1回より2回出したほうが、手っ取り早く儲かるじゃん!」ということでマーヴル・コミックスがでっち上げた、2冊めのX-MEN。当初はX-MENチームを2分割して、それぞれの活躍を追っていた(こちらはサイクロップス率いるチームの本。UNCANNY X-MENのほうはストームがリーダーを勤めるチームのほうを扱っていた)のだが、その辺は徐々に曖昧になり、同一メンバーが2冊を行ったり来たりするのは普通のことになってしまった。それだけならまだしも、月初めのUNCANNY X-MENで尻切れトンボになったストーリーが2週間後のX-MENに続き、さらに他所に続いたりするから性質が悪い。こうした「同一キャラクターで月2回儲ける」方式はアメリカのマンガ会社のよくやる手で、ちょっと人気のあるキャラクターだとレギュラーの月刊誌が2册3冊出たりして、もう付き合いきれねえということになるのだが。まァ考えてみれば、X-MENシリーズなんてその最たるものかもしれない。最初のうちは「これ全部読まねえと、話判んなくなるじゃん!」とか焦ってシリーズ全部読んでみたりもするのだが、実際のところはあんまり関係がなかったりして、おまけに実はつまんなかったりして、こちらの態度もだんだんイイ加減になってくるのだった。まァ本筋だけ追うのであれば、以上2册と、この下の『ウルヴァリン』だけ読んどけばいいような気がしないでもない。 WOLVERINE ウルヴァリン (1989〜) X-MENシリーズの中でも、いやマーヴル・コミックスが抱えるキャラクターの中でも恐らく一番稼ぎのいいミュータント、ウルヴァリンの活躍を描く月刊シリーズ。実に謎が多い(本名も不祥だからなあ)ウルヴァリンというキャラクターの秘密を小出しにしてくれる(現状では結局何も解明されてないのだが)。 『バットマン/ダークナイト・リターンズ』や『シン・シティ』といったコミック、および『ロボコップ2』『同3』の脚本で知られるフランク・ミラーが作画を担当したスピンオフ・シリーズ('82)のヒットを踏まえて独立。現在でもX-MENのコアタイトル2誌に次ぐ人気を維持している。日本人妻(フグの毒で死亡)がいたほどの日本通であるウルヴァリンだけに、日本を舞台にしたストーリーも度々見られた。まァ銀座の街に提灯が並んでたり、板張りの床に畳一枚敷いて卓袱台でメシ食ってたりと、だいたいデタラメだったが。お約束のウドン屋も街角に立ってるし。二つで十分ですよ!とは流石に言わなかった。X-MENメンバーのゲスト出演も多いが、基本的にウルヴァリンが単身暴れる話が中心なのでこれ一冊でも安心、と思ったら、シリーズの中核タイトルだけに他誌から話が続いてしまうこともあってゲンナリする。それでも作画のレベルは一定しているし、ストーリーもそれなりにダイナミックな展開を見せることが多いので楽しめる一冊。(ただ先日は単身、宇宙にまで進出、それは幾ら何でもイメージに合わないと不評を買ったが) X-FORCE X-フォース (1991〜) X-MENのジュニアリーグとでも呼びますか。もともとは『ニュー・ミュータンツ』というタイトルで(83年に創刊、ということは2番目のXタイトルということになる)少年少女ミュータントたちの活躍を扱うジュヴナイルマンガだったのだが91年、未来からやって来たミュータント、ケーブルの登場に伴い、彼に引き取られる形でチームは模様替え、タイトルも『X-フォース』に変更になった。キャノンボール(下半身から火を噴いて飛行)、サイリーン(口から超音波を発する)、炎を操るメルトダウン、ウォーパス(怪力インディアン。75年のX-MEN再編成でチームに加わるも、速攻で死亡したミュータント、サンダーバードの弟)など、確かに二軍もやむなしといった、もうひとつ決め手に欠けるキャラクターが多いのだが。しかしニ軍は二軍なりに頑張り、X-MENほど大人でもなく、かと言ってもはや少年少女でもなし、という微妙なポジションの若者たちがヤケクソになりつつアメリカを放浪する姿を描いていたり、割と面白い時もある。なお、もとリーダーにして保護者であったケーブル(X-MENのリーダー、サイクロップスの息子。詳細は下で)は、チームと決別したのち、最近ではX-MENにジョイン。かねてから渦巻いていた、X-フォースの対X-MEN感情はさらに悪化しそうな気配です。 CABLE ケーブル (1993〜) X-フォースからのスピンオフ・シリーズ。ケーブルはX-MENのリーダー、サイクロップスの息子。だが明らかにサイクロップスより老けている。なんでだ!まァこれには理由がありまして、それを説明するのは非常に面倒なのだが、敢えて説明してみましょうか。えーと。サイクロップスは現在ジーン・グレイと結婚してますが、実は結婚二度め。ある時期ジーンが死亡したものと思われていた頃、マデリーン・プリアー(ジーンのクローン、のちに死亡、後復活、おまえらいいかげんにしろ)と結婚、子供をもうけておったわけです。まァ死んだと思った恋人にそっくりな女(まァねえ、クローンだから)が現れて、思わず子供を作ってしまったと。しかしそうこうするうちにジーンが生きていた!と判ったり、マデリーンが発狂した末に死んでみたり(このへんは実にいろいろあるのですが、それは後日また)大変なことがありまして。それでもまァ、赤ん坊ネイサンはサイクロップスとジーンの子供であることに変わりはないので(結局マデリーンはジーンのクローンなわけだから)、二人で育てることにした。しかしある時!ミュータントによる人類支配を目論む魔人、アポカリプスにネイサンは拉致され、全身を機械に蝕まれるウィルスを注入されてしまうんですねえ。もはや現代の科学では治癒しようのない病に冒された息子を、サイクロップスは泣く泣く39世紀の未来に送りだします。なんとか治癒の方法を求めて。(なんでまた39世紀?それはまァ後日)しかし未来世界は件の魔人アポカリプスに支配されておった。さらに病気治療のために造られたクローンが「こっちが本家だ」と主張してネイサンに宣戦布告、またクローンかよ!そんなわけで少年ネイサンはケーブルと名乗り、自分のクローン、ストライフおよびアポカリプス打倒のためのゲリラ戦を開始したのだ、が、親父より老けてしまうまで闘ったのに埒が開かず、これは時間を遡って、過去のストライフとアポカリプスを討つしかない、というわけでタイムスリップを敢行してですね。片道切符の。まァ現在に至るわけですな。確かそんな話だったと思う。記憶に頼って書いてますんで、非常にいい加減ですが。間違ってたら今度直すから、また見に来てね。というわけでケーブルですが。つい最近、まァ世紀末ということで、ケーブル含むミュータント軍団はアポカリプスとの全面戦争に突入しました。そこでアポカリプスと刺し違えたのはケーブル、じゃなくて親父のサイクロップスのほうでした。ケーブル立場な〜し!そんなわけで現在はその詰め腹を切らされてX-MENに在籍中です。あ〜めんどくさかった。 X-MEN UNLIMITED X-メン アンリミテッド (1993〜) なかなか歴史は古い割に、どうも忘れられがちな隔月刊のタイトル。事実オレもこのページを作るだけ作って「あ〜疲れた」とか一服している最中に思い出したぐらい。毎号特定のキャラクターに焦点を絞り、一話完結でストーリーを展開させている。だから気楽に読めることは読めるんだが、逆に読まなくてもシリーズ全体の本筋が判らなくなることはないからあまり影響はない、という悪循環が生じておるわけですね。とりあえずタイトルに「X」が付くマンガをドカ買いしたらこれが混ざってたので、しかたないからトイレで読んだ。ということがよくあります。不憫な…ただマーヴル・コミックス側としてもそうした影の薄さは重々承知しているようで、今後はこのタイトルもシリーズの一部として機能するようにしたいとか何とか。頼むからやめれ! GENERATION X ジェネレーションX (1995〜) ビリー・アイドルとは無関係。X-フォースがX-MENのジュニアリーグだとすれば、こちらはさらに若いミュータント集団。中学生ぐらいでしょうな。X-MENというのはもともと、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア教授がニューヨークはウェストチェスター郡に創立した"Xavier's School for Gifted Youngsters"の生徒でして。学校法人なんですな。その創立何周年だか、そのへんの時間の流れに関しては相当ボカしてありますが、まァとにかく人数もやたらと増えたし、そろそろみんなヤングスターでもあるまいよ、というわけで学校は"Xavier's Institute for Higher Learning"と名前を改め、旧名を受け継ぐ形でマサチューセッツ州に作られた"Xavier's School for Gifted Youngsters"の生徒たちがジェネレーションXなのであります。校長先生はかつてX-MENの宿敵であったホワイト・クイーンことエマ・フロスト、 この人がなかなかいい女なんですが。金髪で。そんなことはいいんだ。え〜、生徒(つまりジェネレーションXのメンバーですな)には、以前X-MENに在籍していたこともあるジュビリー(ウルヴァリンの元相棒、韓国系ギャル)、チャンバー(イギリス生まれのテレパス。顔の下半分から常に火を噴いており、喋れない)、スキン(全身の皮がのびる)、ハスク(全身の皮膚を角質化させることができるギャル)など、ここまで書いて気付いたが、要は思春期の悩みそのままじゃねえか。声変わりとか。皮が余るとか。角質化とか、ってこれは年齢層違うなあ。まァでもお肌の悩みだな。まァそういう『中三コース』の悩み相談コーナーみたいなヒーロー予備軍が右往左往、というね、まァ最初は面白かったんですが。どうにも失速してからもう3年は経ってるぞ。最近リニューアルしました。 X-MAN X-マン (1995〜) ああこれも説明がめんどくせえ!手短かに行きます!え〜、X-マンことネイト・グレイ、この人は別世界から来たもう一人のケーブルです。以上! これではあんまりなので、もうちょっと説明しましょうか。えーと、X-MENの世界を含むマーヴル・ユニバースにはですな、細部が微妙に違うパラレル・ユニバースがこれでもかというぐらい存在します。そこでは死んだはずの人間が生きていたり、あるいは負けたはずの人間が勝利していたり、まァいわゆる『もしもシリーズ』をやるための舞台が乱立しておるわけです。そんなパラレル・ユニバースのひとつに『エイジ・オブ・アポカリプス』という世界がありました。そこではプロフェッサーXがX-MENを結成する前に死亡してしまったがために、X-MENの宿敵アポカリプスが支配する世界になってしまったわけですね。そんなわけでまだプロフェッサーXと仲違いする前だったマグニートーが一念発起、X-MENを旗揚げするのであります(都合4か月に渡って、シリーズ全タイトルを巻き込んで展開された一大イベント『エイジ・オブ・アポカリプス』シリーズは日本語版も出てます。これはなかなかテンションも高い名作になってますのでご一読をお勧めします。ただここから読むと何が何だか完全に判らなくなるが)。そんなパラレル・ユニバースで、アポカリプス打倒のための最終兵器として、サイクロップスとジーン・グレイの遺伝子を掛け合わせて造られたのが本作の主人公、ネイト・グレイなのでした。で、いろいろあって(ああ、端折ってるさ)エイジ・オブ・アポカリプス世界の地球は崩壊。アポカリプスをはじめ、あちらの世界バージョンのミュータントは(どころか全人類が)死亡。しかしネイト・グレイを含む何人かのミュータントは何もかもが吹っ飛ぶ瞬間に、こちらの世界へとやって来ていたのであります。そんなわけでこのタイトルもそのまま続行(他のタイトルは4か月間、タイトルが変わった後にレギュラー・シリーズに復帰)。ネタ的には相当面白くなりそうではありましたが、X-マンことネイト・グレイがそこら中をフラフラするだけのどうにもパッとしない展開のまま、現在に至る。ただ最近、主人公のルックスから何から大幅なリニューアルを敢行しており、今後の巻き返しが期待されております。 DEADPOOL デッドプール (1997〜) ホークお気に入りの一冊。もともとはX-フォースに悪役として登場した傭兵、デッドプールが主役。そのため一応はXタイトルとしてカウントされているが、他シリーズとの関わりは殆どない。デッドプールはウルヴァリンやセイバートゥースを産んだカナダの超人兵士製造計画、ウェポンXプログラムの実験体のひとりで、もともとガンで死にかけていたところにウルヴァリンの超回復能力を移植された結果、全身にガンが転移した状態で生き長らえてしまったという実に気の毒な経歴を持つ。そのため髪もなければ顔もグチャグチャ、全身ただれたピザ状態で、気になるあの娘に素顔ひとつも見せられない。それで世捨て人的に殺しや破壊で生計を立てていたが、あるときからヒーロー道に足を踏み入れ、世界を救う重大任務を課せられてしまう。そんなこんなで「オレ、ほんとはヒーローなんかじゃないのに」と自問自答しながら闘うデッドプールの姿を通して、ヒーローとは何かという大命題に取り組んでいるシリーズ。と書くとやけにシリアスな感じを受けるが、デッドプール本人が非常に適当な性格なのでそう重くなることもなく、常に気楽に読める。何度か休刊の危機に瀕したが、その度にしつこく生き残っている。実に頑張ってほしいタイトル。 MUTANT X ミュータントX (1998〜) え〜、どこから説明したもんだか。まずは『X-FACTOR(X-ファクター)』というシリーズがあったんですな(1986-98)。これが当初はX-MEN創立当時のメンバー5人が作ったチームの名前だった。その後、オリジナルメンバーはX-MENに復帰、X-ファクターは米国政府直属のミュータント・チームとして再編成(1990)。そこでリーダーに任命されたのが、元祖X-MENリーダーの弟、ハボックでした。どうにも兄貴の二番手感が払拭しきれないハボックを筆頭に、クイックシルバー(マグニートーの息子。すごく足が早い。すぐキレる)、ストロング・ガイ(無駄に体がデカい。そのため、のちに心臓発作で倒れる)、マルチプル・マン(衝撃を受けると増殖するミュータント。一度死亡も、コピーが生きていたため復活。何それ)など、一癖あるメンバー構成でオレなんかは割と好きだったんですが、やはり押し出しの弱さは如何ともしがたく、徐々に失速。人気が低迷したままメンバーが続々と交代、一時期はフォージ(ストームの元彼。オヤジ。ミュータントパワー=発明。キテレツじゃないんだから)をリーダーに、ミスティークやセイバートゥースも在籍、というすごい編成になっていた頃もありました。そんなこんなで面白くなるかなァと期待だけさせてショッパイ話が続き、最終的にはミュータント・テロリストに転向したハボックが、未来から来たミュータントを率いて、どうにも意図の読めない活躍(あと、たまに兄貴と喧嘩)をするという、なんだかわからないシリーズに成り果てた。こりゃもう休刊だろ(X-MENシリーズには結構、途中でリストラされるものも多い。その辺はまた後日ね)、と誰もが思っていたら、ある日飛行機事故でハボックが死亡。あー、そういう終わらせ方か、と思いきや、実は死の直前にハボックの精神はパラレル・ユニバースに飛ばされていた!何それ?(いや、X-MENシリーズですが、結構パラレル・ユニバースネタが多いんですな。まァそれについても後日)そんなわけで、登場人物は同じだが細部が微妙に異なる世界でハボックが繰り広げる珍道中、みたいなシリーズがこの『ミュータントX』なわけですね。ああ疲れた。で、オリジナルの世界ではヒーローだった人物がこちらの世界では悪人だったり、またその逆もあったり、あとウルヴァリンがただのケダモノで、フンドシ一丁で林の中に住んでたり、とかまァいろいろと小ネタで楽しませてくれるシリーズだった。最初は。ただそういう物珍しさも薄れてくると、当然パラレル・ユニバースに飛ばされたハボックが如何にして元の世界に戻るのか、という話を期待するじゃないですかこっちは。当初は確かにそんな話で、なんとなく1年ぐらいで帰ってきそうな予感もあった。しかしそろそろ2年になりますけどまだ帰ってきません。というか最近は帰る意志も放棄してないかハボック。なんとなく居心地もいいし、主役も張れるし、とか思ってないか。忘れられる前に帰ったほうがいいんじゃないかハボック。まァそういうお話です。 GAMBIT ガンビット (1998〜) X-MENいちの優男、ガンビット主演のスピンオフ・シリーズ。彼氏(本名レミー・ルボー)はフランス系アメリカ人で、手にした物体にエネルギーを注入することができるんですな。それでその物体(ふだんは主にトランプを使う)を投げつけるとボーンと爆発するのです。だからいつもトランプを何セットかコートの袖に隠し持っている。そういうトランプとかナイフとかを投げるフランス訛りの優男、くわえ煙草でトレンチコートなんか着まして、当然女にもモテるし、嫌な奴じゃん。でもかっこいいから許すんですが。このガンビット、南部はニューオーリンズで盗賊業を営む一家(どんな一家よ)の御曹子で、暗殺業を営む一家(だからどんな一家よ)の娘と政略結婚させられたりとか色々ありまして、そのせいでX-MENのチームメイトでありますローグに振られたりしまして、それで「このオレも、女の心は盗めないさ…」なんつって嫌な奴だねえほんとに。でもここ何年かは実際ヒドイ目に会いっぱなしで、肌が触れると他人の生命力や記憶を吸い取ってしまうローグとチューなんかしたばかりに昏睡状態に陥るわ、その際に過去の犯罪歴を全部、惚れた女に知られるわ、その犯罪(けっこう重罪。これについては後日)を追求され、なぜか南極で裁判にかけられて有罪判決、罰として南極に一人放置されるわ、もう踏んだり蹴ったり。でも色男だからしょうがない。まァそういう、影のある男なわけですよ。そんな彼氏のどうにも胡散臭い魅力が漂うこちらのタイトルは、わりとストレートなアクションマンガであります(盗賊出身の優男主演、いわゆるルパン三世か)。本家X-MENのほうでは、最近のチーム再編成に伴ってリーダーに昇格。でも、いよいよ本格的にローグに振られました。頑張れ。ここが男の正念場だ。 BISHOP ビショップ (1999〜) 未来から来たX-マン、ビショップが主役を張るシリーズ。この人(本名不詳)は21世紀の未来世界で警官をやってたんですが、ある時ミュータントの犯罪者を追っているうちにタイムスリップ、現在にやってきます。未来においては何者かの裏切りによって既に全滅、伝説と化していたX-MENの一員となったビショップですが、独立して一冊を任されるまでになったかと思うと感慨深いものがありますな。そうでもないな。で、X-MEN本誌のほうで、その裏切り者って誰よというネタをまァ6年か7年は引っ張ってねえ。だいたいそうやって引っ張り続けたネタに限って、実際真相が判ってみれば実に大したことねえなあ、ということが多いんですが、まァこのネタに限ってはオレが牛丼食いながら読んでて箸を落とした、ぐらいの衝撃はありました。詳細は邦訳も出ている『オンスロート』なる一大イベントをご参照いただくとして。いずれご紹介しますが。その一連の流れの中で割と重要な役割を担っていた黒人X-マンのビショップですが、現在はチームからはぐれて未来をさまよっております。また未来か。それでねえ、この人もなかなか華がありそうでない故に。だいぶ苦しいものはありますな。それでも始まったばかりのシリーズですから、まァ今後に期待と。そんないい加減な紹介があるか! X-MEN the HIDDEN YEARS X-メン ザ・ヒドゥン・イヤーズ (1999〜) これは別にどうでもいいなあ。というかなぜ、今になってこんなシリーズを展開するのかが読めない一冊。えーと何だ(第1号しか読んでないので、よく判らん)、あー、あのー"The Uncanny X-MEN"が、人気が低迷して既刊のリプリントでお茶を濁していた頃。その頃のX-MENの活躍を描く、らしいですが。あんまり読む気が起きません。すんまへん。どうしてそんなにつれなくするかといえば、このシリーズはかつて(まァ今でも、そうは呼ばれてますが)巨匠と呼ばれたマンガ家、ジョン・バーンが仕切っているんですな。このバーンという人、過去に『スーパーマン』の仕切り直しを行って喝采を浴びたんですが、あの栄光をもう一度とばかりに最近では『スパイダーマン』のオリジンを勝手にいじって世界中のファンから総スカンを食った。調子に乗ってんじゃねえと。なのでまァ何と言うか、取って付けたような企画、ということにしておこう。ワハハハハハハハ(いいかげん疲れてきた)。 そんなわけで簡単にシリーズ全体を紹介してみましたが、既に休刊になってしまったタイトルや期間限定のリミテッド・シリーズ、さらに夏休みのビッグイベントなども含めると、その数はドエライことになります。上で紹介したものの中には、その辺りに触れないともうひとつ判りづらくなるものもあるので、まァ日を改めて。 今日はここまで!以上!もう寝る!疲れた! ダイヤルXをまわせ!にもどる |